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第十二回:C34

 C33から続くR33スカイラインの裏の顔、という印象が強い車である。

 C33から既に一部モデルで3ナンバーモデルが用意されてはいたが、大型化したR33のシャシーを流用した事により此方の方も完全3ナンバー化を達成した。所謂当時の流行というか、日本市場が冷え込んだ事で北米市場を強く意識した事によるこの時代の流れ、もとい正常な進化である。


 ただ、残念ながらC34は良車ではあるが名車とは言い難い、と筆者は考えている。

 というのも、折角先代でスカイラインと親戚筋になる事によってスポーティーなスタイリングを獲得したにも関わらず、C34はやんちゃとは無縁の、真面目な優等生らしいつまらない車に落ち着いてしまったからである。

 センターピラーがあるものの、直線を基調とした角っぽいハードトップ、地面と水平に延びるドアと窓ガラスの間のライン、そういう事こそ80年代から引き継がれている日産デザインを見事に踏襲してはいるが、如何せん面白味を感じない。

 特に車の目となって、全体の顔つきを一番に印象付ける筈のヘッドライトの形状がタレ目な異型2灯ランプなのが戴けない。せめて少しツリ目にして戦闘的な雰囲気を演出すれば良かったろうに、これではただの地味で目立たない裏スカイラインである。

 それに、Cピラーを通してルーフからトランクリッドに抜けたラインが最後までなだらかに落ち続けるあのリアスタイルも如何な物かと思う。JY32で特に顕在化しているあの4ドア車のスタイルは当時の日産の流行だったようだが、筆者はどうも好きになれない。


 まあ、あの当時は日産が消滅の危機にあったり、なかなか名車と言い切れるようなヒット車を出す事が出来ずに増々シェアが下落したりと不遇な時代のまっただ中にいたから、ひょんな事から北米でJY32がヒットを飛ばしてしまった事で、取り敢えずセダンに於いては北米市場に一辺倒していたのだろう。


 尤も、その後は流石の日産も目を覚ましたようで、Y33系、またはR34系以降は、大型化こそ継続していたものの、スポーツモデルに関しては空力学的な意味で、上級モデルに於いても初心へ回帰するように基本に忠実な車造りをするようになり、かのカルロス・ゴーンをトップに据えてルノーと提携関係を結ぶ事により、更に多彩で良質な自動車を多数製造するようになっている。

 しかしながら、向こうの若者が日産を米国企業だと勘違いしている程、未だに北米市場を重要視している姿勢は変わらず、その余波は日本市場や欧州市場にも玉石混交に波及している、というのが現在の日産を巡る状況である。


 筆者は何方かというとアメ車のようなフルサイズやセミフルサイズの車が大好きな部類の人間なので、現状の大きくなった日産の4ドアセダンがこれからも増えていく事に何ら不満もなく寧ろ歓迎しているが、それでも車の大型化や高性能化についていけていない道路が国道レベルでさえも数多くある我が国の道路事情や、それによって5ナンバー車を選択せざるを得ないユーザーがまだまだ日本国内に沢山いるという現状を、日産他日本の自動車メーカーには考慮して欲しいと思う。

 特に日産には、かつてのローレルスプリットやアスカじゃないラングレーのように、スカイラインやティアナに似せた5ナンバーサイズの楽しい車を、採算は度外視してもいいからティーダやシルフィをベースにして造っては貰えないだろうか……。そんな願望を抱いている筆者なのである。


 やはり、手頃な5ナンバーセダンがコンフォートかカローラか、さもなければセドリック・営業車の3択だけになりかねない現状は、日本から4ドアセダンという車文化が衰退して消滅しかねない、という意味で大変危険であると考えられる。ラングレーのような車を復活させる、というのは冗談だとしても、日産には国内市場における数少ない5ナンバーセダンの生産メーカーとして、何としてもシルフィやティーダ(または次期サニー)の製造販売を日本で続けてくれ、と願わざるを得ない。


 C34について語り尽くす筈が、色々と変な方向へ話が脱線してしまった。閑話休題も兼ねて、今回はこの辺で話を終えたいと思う。

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