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【第十七限】 先生はマセガキさん?

さて・・・・


教室の前まで戻ってきた。

そこまではよしとしよう。

・・・・何故ドアの隙間から黒煙が漏れているんだ?

中を覗こうにも、ドアに付いてる窓ガラスはススがびっちり付いていて中の様子は全くわからない。


そして何故先生がその前でorzになってるんだ?

もうこのクラスは私の手には負えないのです、とか呟いてるし。


「先生・・・・これはもしや・・・・・・いやもしかしなくても・・・・」


「フフ・・・・フフフウウフウフフウフ」


先生は虚ろな目で悟りを開いたかの如き慈愛に満ちた笑みを浮かべている。

・・・・怖い。


「先生・・・・お気を確かに」


ちょっと強めに揺すってみる。


「ウフフフ・・・・はっ」


戻ってきてもらえたようだ。


「ハァ・・・・どうして彼らはこうも凶暴揃いなのですか・・・・」


「凶暴なのはごく一部ですけどね」


あの火と闇は要注意である。


「かくなるうえは・・・・」


「先生、お願いですからもう無茶はしないで下さいよ?」


「中谷君・・・・気持ちはとても嬉しいのですが・・・・あの技の封印を解くしか・・・・」


「あの技・・・・?」


「禁断の奥義・・・・秘技☆鮫皮大根オロシなのですよ」


なのですよ、じゃないですよ。

名前負けの極みだ!!

それは絶対悪いフラグだ!!!


「ち・・・・ちなみにどんな技でしょう・・・・?」


わかる。自分の笑顔が引きつっているのが嫌というほどわかる。


「どんな・・・・というと、鮫の皮で大根おろしをして凄まじいドヤ顔をし相手を圧倒するという・・・・」


「ああっ、案の定ッ!? むしろそれ以上!! そして何故そんなに誇らしげ!?」


圧倒っていうかポカーンだよ!!


「それはちょっと・・・・」


「まさか・・・・ダメとでも言うのですか!?」


「いや、アホ扱いされてもいいんなら別にやってもらって構いませんが」


「ア、アホって・・・・これを考えるためにゆうべ徹夜した私って・・・・なんなのですか!?」


「前言撤回します。是非やってください。そしてみんなに先生がアホであることを証明してください」


「ッ!」


しまった、言い過ぎたか!? ちょっと泣きそう!! な、なんとかフォローを・・・・


「あ、いや、悪い意味じゃなくてですね!? 先生が『アホ』なのは俺から見て明確ですから、多分誰が見ても『アホ』だと思うと思うんです!! だから先生も早く『アホ』であることを認めてしまった方が後々楽になると思って・・・・」


「・・・・・・アホアホアホアホと・・・・」


先生の周りに殺気が渦巻く。

・・・・逆効果か。


「君はそんなに・・・・ひくっ・・・・先、先生・・をっ、バカにするのが・・・・えぐっ、たっ、楽しいのですかァーーッ!!!!」


ちょっと泣いちゃったっ!?


「お仕置きなのですッ!! 細胞変形セルチェンジャー鎮魂歌砲レクイエム・キャノン!!!」


「ゑ?」


正気ではなくなった先生の右腕は、先の戦いのときのように変形し、大砲のようになっていた。

そして間髪いれずに暗い紫の球体が打ち出される。


見たところエネルギー体。

先生が怒り時に放つモノだ。相当な威力だろう。

差し詰めジョーブレス。


俺は普通のブレザー一丁。

そんな装備で大丈夫か?

・・・・大丈夫だ、問題ない。

俺にはさっき貰った相棒がいるんだ!!


「転装!! 来い、ザルナブレイド!!」


漆黒の影の刃。先の『UNKNOWN』、名をザルナ。その雄雄しきあぎとを模した大剣である。

転装のやり方はさっきユーリに教えてもらったし、ストック空間だって提供してもらった。

今の俺に敵は無い!! 主人公補正だッ!!


と、思いながら頼れる相棒をそっと自分の前へ。

相棒は盾にするもんだって誰かが言ってた。


気弾が剣の腹にぶち当たる。

もしこれがただの剣であれば、衝撃で俺ごと吹き飛ばされていただろう。

それだけの威力が有っておかしくない。

だが・・・・だが主人公補正をなめてもらっちゃ困るね!


我が相棒は、そのイカした刀身で気弾を受けきり、そのカッコイイ影の刃で気弾ごと衝撃を吸収した。


「おお、コレは予想以上に・・・・」


「なっ・・・・!? って何をやっているのです私は!?」


ですよねー。まず突っ込むべきはソコですよねー。








「嗚呼・・・・申し訳ないのです・・・・少しばかり気が動転していて・・・・」


「いや、動転させたの俺なんで。別に先生が謝ることでは」


「ど・・・・童貞・・・・? あ、あの中谷君、いくらお年頃の男の子だからといってそういう単語を平気で口に出すのは・・・・」


「再び前言撤回です。もうずっとそこで土下座しててください」


「断るのです! 今君から目を背けたらきっと襲われて」


「あ、もう殴っていいですか? 外見とか関係なくイライラしてきたんですけど」


「幼女いじめプレイがお好みなのですか!? 趣味が悪いのです!! えげつないのです!!」


この下ネタコントはいつまで続くんだろう。

R-15指定の日は近い。


「怖いのです!! 恐怖の具現なのですよ中谷君!! もうなんでもするから許してほしいのでs・・・・・・はっ」


言いたい放題。まさに言いたい放題。

怒髪天をつき、俺の中の何かが千切れてまさに破裂しようとしたその時。


「これは名案なのですッ! 中谷君、ちょっと・・・・」


手招きをされた。

・・・・一応聞いておこう。

それでもしまだ俺が変態的ニュアンスの事をほざいたら・・・・そのか細い手首を捻り取って煮付けにして花壇に植えてやる。毎日水遣りだってして差し上げよう。・・・・育つのか?


「ちょっと耳を貸すのですよ・・・・ごにょごにょ・・・・ひそひそ・・・・ごべしゃぶりどしゃーん・・・・・・」


「・・・・! 成程・・・・」


若干内緒話にしてはおかしな擬音があった気がしないでもないが、これなら・・・・・・











煤けたドアを開くと、中はもはや戦場跡地だった。

机や椅子は灰と化し、辛うじて残った金属部分も、黒い物質に侵食されていた。恐らくゼノの闇物質ダークマターだろう。

教卓も今では炭の塊。こんなにも焼け爛れた空間を、誰が教室と、学び舎と呼ぶだろう。


「煙っ・・・・・・」


クラスメイトたちも、完全燃焼して仰向けに寝転がって爽やかな表情を浮かべるゼノとアリサ以外は困惑の表情。申し訳ないのか何なのか、俺と目が合うとすぐ逸らす。まぁ流石にね。


ここで初めて見る顔もいくらかいたわけだが、全員棒立ち目が点無表情なのであまり印象に残らず、覚えられなかった。というか初日で顔を覚えることのほうが難しいようにも思える。


さて。そんな中、リリアだけ少し様子がおかしい。

さっきからずっと下を向いたまま震えている。

まさか寒いということもあるまい。


・・・・これは好機かも知れない。


「おいリリア・・・・どうs」


「ううっ・・・・うああああああああんっ!!!」


堰を切ったように大声で泣き出したリリアは、真っ直ぐ俺目掛けて飛来した。

厳密に言えば、リリアの頭部が、俺の鳩尾に綺麗にHITするように真っ直ぐ。


ごしゃっ


「くふぉっ・・・・」


とても女の子に抱きつかれたとは言えない無残な音と共に走る衝撃。

胃から何か危ないブツが込み上げてくるが、流石に他人の頭に、というわけにも行くまい・・・・

我慢・・・・我慢だ蒼瑠・・・・!!


ところで、嬉しいことに今日は異性との接触イベントが多い。

そこまではいいとしよう。


だが何故、何故毎回毎回痛みがオマケでついてくるんだ!?

フラグか女難かのどっちかにしていただきたい。


「うぉぇ・・・・ど、どおしたリリア・・・・」


声が弱弱しい。耐えろ・・・・

どんなにみっともなくてもリリアの貞操を死守するのだ・・・・!


「私のっ!! 私のコッペパンがっ!! 灰になっちゃったんですよう!!!」


「・・・・?」


「二人の戦いに巻き込まれて・・・・私の愛しいコッペパンたちは・・・・」


「・・・・そうか」





さて・・・・作戦開始といこうか・・・・



この作戦は流石に読めますかねぇ・・・・w


ではでは^^ノシ

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