王国の到着、ミラの生きる理由
レーヴェン含んだ討伐隊はあのオークを無事2体倒して、このまま森の中を南へと進んでいく。
オークを倒した後はレーヴェンにありがとうと中々やるなと討伐隊の人達から褒められていた。
ラウには「無茶をしてっ!!」と叱られていた。
そんな中、アンだけがレーヴェンを遠目で見ていて、悔しそうな顔をしていたという。
日が昇り、やがて討伐隊は無事森を抜け、王国、バント王国へと辿り着いた。
日が昇った事で、レーヴェンは自身の身体が呪いで苦しくならないか不安になるが、着ていた黒のコートがレーヴェンの身体を守り、呪いの効果を無くしていた。
レーヴェンはそのコートの出来に、村に居るミーナとワトソンの2人へ心の中で感謝していた。
王国は外から見ると城壁に囲まれており、大きな門と門番が1人居る。城壁の上から周りを見渡す人も居た。
その見渡してる人がレーヴェン達討伐隊を見かけると門番に向かい大声で、「誰か来たぞ!」と伝える。
門番の1人は「やれやれ誰だぁ?」と欠伸をしながらこちらへ見つめてくる。
討伐隊の隊長であるフーデンが先に
「バシロさん、お勤めご苦労さまです」
と声をかける。
門番の1人、バシロ・アーベンスは帰ってきたのが討伐隊だと分かり、
「おお!!フーデンの坊っちゃんじゃねぇか!!良く帰ってきた!!よし、門を開けてくるから待っとけ」
と喜び、門を開けに伝えに行く。
「彼はバシロ・アーベンス、今は門番で髭の生えたガタイの良いおじさんだが、昔は討伐隊の隊長であった人なんだ」
とフーデンはレーヴェンへ彼の説明をする。
彼の説明を聞いてレーヴェンはバシロの事を不思議そうに思い始める。
(あんなやる気を感じられない彼が、元討伐隊の隊長だとは信じられないな…フーデンさんと比べてしまっているからか?)
そう思っているとバシロは戻ってきて、「そろそろ門を開けるから待ってな〜!」と伝え、やがて大きな門はガラガラと開き始め、城壁の中の光景が見えて来る。
「おお…」
レーヴェンはその城壁の中の光景に驚いた。
沢山の建物があり、色んな物を売っている店や宿屋、そこで住んでいる人達が沢山住んでいた。
そのどれもがレーヴェンにとって初めて見る王国の光景で、
(こんなに立派な建物と人達がいるのか…)
と心の中で思い、討伐隊と一緒に歩きながら王国内を見通していた。
レーヴェンが興味津々に王国内を見ている姿をフーデンとラウ、はクスッと笑い、アンは「大人なのに子供みたいね」と呆れて見ていた。
やがてレーヴェンは討伐隊の本拠地である建物へと辿り着く。
内装は長テーブルの上に資料や世界地図などの様々な物が置かれていて、一休みする為のお茶が入っている棚、剣や盾などの武器も置かれていた。
そして、外には訓練用の案山子が置かれており、案山子は沢山の傷が付いてボロボロであった。
そんな本拠地の空気にレーヴェンは少し緊張してしまう。
なんせ魔物を狩る為の部隊であり、王国の兵隊の一部である討伐隊の本拠地なので、不思議と緊張してしまい、余計な力が身体に入ってしまう。
そんな緊張しているレーヴェンにフーデンは
「はっはっ!そんなに緊張するな!では私はこれから国王へ無事に帰還した事を伝えに行くから、レーヴェンさんはゆっくりしてくれ」
とお城へ向かい、
「あ!僕も国王へ伝えたい事があるので兄さんと一緒に向かいます!」
ラウも国王へ連絡したい事があるので、フーデンの後を追うように向かった。
レーヴェンはこのまま本拠地で休むこととなり、とりあえず近くの椅子を借りて座って休むことにした。
レーヴェンが休んでいると、アンとミラが近寄って声をかけてくる。
「レーヴェンさん、ちょっといいですか?」
とミラは気を使いながら話しかけ、アンは難しそうな顔でレーヴェンを見つめてくる。
そんなアンの顔にレーヴェンは
(…なんかまたやらかしてしまったか?)
と気まずそうに思っていると、アンが口を開けた。
「…あ…ありが…とう…///」
なんとアンがありがとうと言ったのだ。
短い付き合いであるが、アンは結構難しい子だと思っていたので、レーヴェンは驚いた。
驚いているレーヴェンにアンは
「何驚いてるの?私だってありがとうの言葉を言えるし」
とフンッと顔を横に振る。
そんなアンと違いミラはアンの姿にふふっと笑い、
「ブラットウルフに私達が襲われそうになった時の事をアンは考えていて、ありがとうを伝えたいから一緒に来てと私に言ってくれたんですよ〜私も伝えたいと思ったのでこうして来ました」
と暴露した。
それにはアンは顔を赤くなり、
「ミ…ミラ!?!?」
とまさか暴露されるとは思わず焦り始める。
そして、2人のやり取りがレーヴェンの目の前に始まり、最初何しているんだと思っていたが、仲良い2人のやり取りを見て、レーヴェンは少し笑い始める。
笑い始めるレーヴェンに「笑わないでよ!///」とアンは突っ込んだ。
「あと実はお願いしたい事もあるんですけどいいですか?」
とミラがもう一つお願いしたい事があるので、レーヴェンはなんだろう?と思い、その願いを聞く事にする。
「私の生きる理由を聞いてほしいんです」
とミラは話した。
それにはレーヴェンは驚いたが、初めての生きる理由を聞けるので、村から持ってきた紙と筆を背負っていた荷物から取り出し、何時でも書く用意をする。
「何時でもいいですよ」
レーヴェンは言い、ミラは話し始める。
アンはミラの生きる理由を気になり、聞く事に専念し始める。
私は小さい頃からおっとりしていて、他の子から鈍臭いと言われ、中々馴染めなかったけど、いつもアンが側に居てくれたの。
私が何か困ったときにアンはいつも助けてくれる唯一の私の友達なんだ。
だけど、アンの家庭は王族との繋がりがある貴族の家庭で、私みたいな市民とは仲良くするのはダメだったみたいなの。
それでもアンは自身の家庭とぶつかり、将来人の為に戦う騎士の道を選んだんだ。
そんなアンの強い姿に私も強くなりたいと思って、精一杯努力して、アンと同じ道に入る事が出来たの。
ただ剣は使えなかったけど、私達は魔法の才能があったからこうして魔導士として討伐隊のメンバーになったんだ。
それで私にとって生きる理由は「アンと一緒に強くなりたい」、これが私の生きる理由。
とミラは答え、それをレーヴェンは紙に書き写し、それを聞いたアンは感動し、少し涙を流していた。
レーヴェンは初めて生きる理由の一つを書き写す事が出来た。
「登場人物紹介」
バシロ・アーベンス
バント王国の門番の人、髭の生えた少し年を取った男性。
今は少しやる気がない人であるが、昔かなり真面目な人であり、元討伐隊の隊長である。
何故こんなやる気のない人になったのかは昔何かあったらしく、こうして門番の人として活動している。
フーデンは昔の部下であり、孫みたいに思っている。
ただ酒好きであるため、たまに酔いつぶれて何処かで寝ている事が暫しある。




