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まえがき

「怪人」になってみたい


この図鑑を手にとったあなたなら、そう考えたことが一度はあるのではないでしょうか?

怪人に興味がある、怪人のことをもっと知りたい、怪人と仲良くしたい、そんな方がだからこそ、この本を読もうと思ったはずです。


そんな方々にはこんな説明は不要と思いますが、あまり怪人についてご存知でない方、怪人を学ぼうとこの図鑑を手に取っていただいた方のためにもこのまえがきでは怪人の誕生と歴史について記載させていただこうと思います。


その前に

ここまでずっと「怪人」という言葉を使ってきましたが、今ではこの言葉は差別用語とされ、使用することはこと大変失礼なこととされています。

現在彼らは「特い者」とよばれています。(平成初期まではは特異者表記でしたが「異」という文字からは人間ではないというマイナスなイメージを連想してしまうことから現在では平仮名表示がメインとなっています。)

ここまでの文章で気を悪くされた方、嫌な思いをされてしまった方本当に申し訳ありませんでした。ここで謝罪をさせていただきます。


しかしながら、ここまで私が怪人と呼ばせていただいたのは理由があります。

あえて怪人と表記することで、彼らの歴史や苦労、悲しみを浮き彫りにしたかったからなのです。

そのため、この図鑑では怪人の歴史や存在をリアルに伝えるためにも、このまま怪人という言葉を最後まで使わせていただくことをご了承ください。



日本では1965年から1970年までの5年間の間に

行方不明者が続出、3万人人以上の人々が行方不明になり問題となっていました。


海外による拉致や人身売買ではないかという噂も流れてはいましたが、当時の日本は高度経済成長期真っ只中、そして人々は戦争の悲しい記憶を忘れようと必死でした。そのためかそういった暗いニュースはあまり大きく報道されず、当時の人々はその失踪についてあまり興味を示していませんでした。それこそ身内でもいなくならない限り無関心な人々が大半。

そんな行方不明事件は奇妙な都市伝説や噂話となり当時の若年層間では若干の盛り上がりをむかえていました。


そんな中、1972年の初冬、衝撃的ニュースが世界を駆け巡巡りました。

当時の世界的大手企業5社をスポンサーとした組織が、秘密裏に新基軸の兵器開発を行っており、日本を実験場とした、兵器製造及び性能テスト、人体実験を10年近く行っていたことが分かったのです。

それには日本の政財界関係者や国の公な機関に属する者たちも関与していたことが判明。

日本政府はこのおそろしい真実をなんとかひた隠しにしようとしていましたが、最終的に全てをこうかいすることとなりました。

実は密かにその勢力と戦い、壊滅に追いやったものたちがいたのです。(この対抗組織の内容については本編別項で触れようと思いますのでここでは省略させていただきます。)その対抗組織の尽力により情報が公開流出、世界と国際社会は日本へ事件の詳細の開示を求た結果、その実験の恐ろしい内容と、規模が明らかとなりました。


「人体改造強化による局地戦用強化兵士の大量生産と日本全土を使用したその性能テスト」

それがこのの実験内容でした。



人体を細胞レベルで改造し、無理矢理に別生物の特殊能力を融合させることで強化人間を作成。

また彼らは繁殖能力も有させることで、敵地に潜入したのち、人を殺戮しながら生殖を行い戦力を増強させるというサイクルを作ろうとしていました。

この時作られた兵器が怪人と呼ばれるようになったのです。


 そして、明らかになったのは実験内容だけではありませんでした。実験や改造に使われた人々は大勢おり、社会に溶け込んでいるものもいれば、組織の巨大施設に監禁、管理されている者も、その数は日本人を含め10万人を超えていました。


彼らは改造被害者と呼ばれるようになり、組織が解体した後はその所在が問題視されました。


結果、事件後解放された改造被害者たちは

彼らにどのような危険性があるか、感染性はないか、人との共存は可能か、そして元に戻すことは可能なのかという観点から日本政府は彼らを保護と称し、施設に隔離。

しかしながら、10万を超える改造被害者たちを保護するためには資材も、居住スペースも足りず、被害者たちには囚人のような生活が待っていました。

さらに彼らの維持費は何年費用が嵩み、日本を圧迫しました。

そのため政府では確認の結果、改造被害者たちを元の人間に戻すことは不可能だが、彼らに危険性はないと判断。

人と同じように、元の暮らしに戻るようにという決断が下されました。



監禁されていた彼らは急に社会へと戻されたのです。なんの準備も、法整備も、彼らへの権利も福利厚生も整えてない世界へと。


もちろんそんな状態で彼らは食べるものもなければ、住むところも手に入れるのはむずかしいことでした。


彼らは「難民怪人」と呼ばれ、街にあふれかえりました。

国の施設から出たあとも、職に復帰できなかったり、職につけなかったり。

人々から煙たがられ、不当な扱いを受ける被害者がふえ、怪人関係の事件が多発。

その結果、怪人に対する偏見や恐怖は膨れ上がり、其れが恐ろしい差別と軋轢を生み、

そこから長く日本で続く、新たな差別と暴力、怪人差別というものが生まれました。



これがが怪人の歴史です。

本当はもっと詳しく書きたいのですがここではこれぐらいにしておきたいと思います。

彼らは勝手に改造され、勝手に差別され、辛い時代を生きてきました。

この図鑑では彼らの生きた証を少しでも紹介していければと思います。

この本によって少しでも彼らの心が救われ、世の中が彼らにとって良き世界になる事をを祈って。


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