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side優子②

次の日、涙の跡が残らなくてよかった、なんて考えながらリビングでテレビを見ていると突然リビングの扉が開きリョー君が顔を出す。

 昨日の今日で気まずいだろうし、今日は遊びに来ないんだろうなと思っていたアタシは何も言えず固まってしまったが、更に追い打ちをかけるようにリョー君が口を開いた。


「というわけで、姉ちゃんキラキラ計画のスタートだ!」

「いや何がどういう訳!?」


 思わず叫んでしまい、お母さんにお説教されてしまったが流石にアタシは悪くないと思うんだけど……、まあお説教のおかげで落ち着いたしプラマイ0って事にしておこうかな。

 さっきまで一緒にお説教されており、今はリビングのソファの上でお茶を飲んで休んでいるリョー君に、さっき思わず声を上げてしまった原因であり、落ち着いて考えても意味がよくわからなかった計画について問いかける。


「はあ~~~~~~。それで、姉ちゃんキラキラ計画って何考えてんの?……それに昨日の今日なのに気まずいでしょ」


 そう、アタシは確かに昨日リョー君を振ったはずだった。リョー君はアタシみたいな中途半端な脇役じゃなくて、もっと綺麗なヒロインみたいな人と幸せになるべきだと思ってるから。

 その後、なんやかんやあってお母さんまで話に入ってきて場が混乱したり、リョー君に恥ずかしいセリフを言われてうなったりしたものの、何とか計画について聞けた。


 まとめると、アタシに自信をつけさせる為にアタシをイメチェンさせるって計画らしい。

 正直それを聞いた時、アタシはとても嬉しかった。こんなにリョー君に想ってもらえてるんだって感じたから。

 けど、それでもちゃんとまだ自信が持てなかったアタシは、思わず口にする。


「リョー君はさ、本当に、心の底から思ってる?アタシがキラキラ出来るって、アタシがヒロインなんだって、……アタシがリョー君の恋人に相応しいって」


 言いながら思う、なんて面倒な女なんだろうと。けど、それでもアタシにとっては大事な事で、リョー君が否定することはないと分かっていても、もし違うと言われたらどうしようってずっと頭から離れない。

 そんなアタシがどんな表情をしていたかは分からないけど、リョー君はアタシの目を見つめて、優しく笑いかけながら宣言してくれた。


「ああ、ずっと変わらない、心の底から言えるよ。姉ちゃんこそが俺のヒロインで、姉ちゃん以外に俺の恋人に相応しい人なんていないって。」


 それを聞いて、リョー君の目が真剣なのを見て、リョー君の愛を感じてアタシはようやく安心した。

 そしてアタシも覚悟を決める。こんなに思ってもらえているんだ、脇役に甘んじてなんかいられないって。


「仕方ないな、リョー君は。分かった、アタシ頑張るよ。そのキラキラ計画ってやつで、絶対にみんなに認めさせてやるんだ。……そしたら、また告白してくれる?」


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