説明しよう、キラキラ計画とは!
「はあ~~~~~~。それで、姉ちゃんキラキラ計画って何考えてんの?……それに昨日の今日なのに気まずいでしょ」
須野原家のリビングにて、 姉ちゃんのお母さんのお説教から解放された姉ちゃんがため息をつきながら俺の素晴らしい計画について質問してくる。
「確かに俺は昨日振られました!それは変えようのない事実だけど、昨日の話的に姉ちゃんは俺の事が嫌いなわけじゃなくて、もっと相応しい人がいると思ってるんでしょ?」
「そんな元気よく真っすぐに言われると反応に困るけどね……。まあそうだよ、昔から言ってるけど、リョー君はまるで主人公みたいな素敵な人になった。それに比べて私は引き立て役が良い所、ヒロインには足りないでしょ」
なんて言って姉ちゃんは神をいじりながら笑う。その言葉に反論したくなったものの、これは姉ちゃんの意識の話だし、ここで激情に任せて反論しても良い方向に変わるとは思えない。ただどうしても否定したくて上手く言葉が出てこず、少しだけ気まずい空気が流れたその時、
「あら?振られたって、良君は優子に告白したの?」
「あ、美雪さん。そうなんですよ、振られちゃいましたけどね」
ここで家事をしていた姉ちゃんのお母さんこと美雪さんが、耳にした言葉に反応して話に入ってくる。
「ちょ、お母さんは関係ないでしょ!」
「あら、良いじゃないの。もしかしたら未来の息子になるかもしれないんだから、ね?」
そう言って美雪さんがコチラにアイコンタクトを送ってくる。分かってますよ美雪さん、ありがとうございます。
「そうですね、俺はそのつもりなのでその時が来たらよろしくお願いします!」
「ちょっと、お母さんもリョー君も何言ってるの!ほら、お母さんは早く買い物に行ってきなよ!」
「あらあらこの子ったら、そんなに恥ずかしがらなくても良いじゃない。良君、手のかかる子だけど、大事にしてね。」
美雪さんはそんなことを言うと、顔を真っ赤にした姉ちゃんがさらに言葉を出す前に出ていった。去り際にまでアシストしてくれるなんて、この恩は姉ちゃんを幸せにすることで返させてもらいますよ……!
俺が内心でそんなことを考えていると、まだ顔の赤みが引いていない姉ちゃんがコチラに振り向いた。
「それで、話を戻すけどキラキラ計画って何の事?」
美雪さんのおかげで空気も変わり、今ならこの内容も否定されないだろうと思い俺は説明を始める。
「説明しよう!キラキラ計画とは、姉ちゃんをキラキラさせる計画である!!」
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「はい?」
意味が分からないといった不思議そうな表情の姉ちゃんもとても可愛かった。