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第七話 激動の一日

すいません。用事が重なってしまって、全然投稿できませんでした。

なーセフィア。


『何?』


ここ、人もいないし、モンスターがうようよしてるんだよな?

だったらこんなとこ、さっさと抜け出してやろうぜ!!


『そうね。でもその前に、やってほしいことがあるんだけど』


やってほしいこと?

俺に?


『ええそうよ』


熊を消し飛ばせるくらい強いのに、俺に頼むのか?


『ん? 何か勘違いをしているようだけど、熊を消し飛ばしたのは私じゃなくて、あなたよ』


は?

いや意味分からん。

そんなこと俺にできるわけねーじゃん。


『いや、だからあなたが………もうこの際、レンと呼ばせてもらうわよ。レンが熊を消し飛ばしたの』


おお、名前呼び。

なんか嬉しいんだけど。

ってそれより、俺がやったってどういうことだよ。

説明よろしく。


『確かに、レンにそんな力はないわ』


分かってたことだけど、改めて言われるとなんかショック………

嘘でも否定して欲しかった。


『消し飛ばしたのは私の力。でも、その力を使ったのはあなた』


すいません、そんな記憶、欠片もないんですが。


『まああなたが使ったというより、私があなたの体を媒介としてその力を行使したって感じだけど』


媒介………

よく分からん。

もうちょっと分かりやすく説明していただきたい。


『分かりやすく言うと、私がレンの体を勝手に使って、魔法を使ったって感じよ』


あーなるほどね。

でもそれだと今日は、初めて俺(の体)が魔法を使ったという記念すべき日になるのでは?

しかしその記憶がないというのは、ちょっとショック………


『で、本題に入りたいのだけど?』


ああ、すまん。

話題がファンタジーだから、つい興奮して話を脱線させてしまった。


『私があなたにやってほしいことはただ一つ、私の肉体の封印を解いてほしいの』


封印……?

え、何、お前まさか自称天使ってだけで、実際は超危険な魔獣なのか?


『………喧嘩売ってるの? それとも馬鹿にしてるの?』


いえいえいえ、そんなまさか。

アハ、アハハハハ…………


『はぁ、まあいいわ。話を戻すけど、私の肉体がある場所は大体目処がたっているわ』


いやいやいや待て待て。

封印を解くとか簡単に言われても、俺にはできる気がしない。

んっ? 俺、今セフィアと話してるよな………?


『当たり前じゃない、何? 今私と話してるのは夢だとか思ったワケ?』


いや、だってお前、封印されてるんだよな?

なんでこうやって俺と会話できるんだよ。


『私が封印されているのは肉体だけよ』


肉体………

じゃあお前は今、幽霊みたいな状態ってことか?


『幽霊とは何よ。私をゴーストなんかと一緒にしないで』


あー悪い悪い。

で、結局お前は今、どういう状態なんだ?


『そうね、肉体を失った魂って感じかしら』


魂ね、だから自由に行動できないと?


『そういうことよ』


まあいいや。

じゃあ俺は、その封印とやらを解放しに行けばいいんだな?


『ええ』


ふーん………

ま、どうせ考えたところで俺には分からないことだから、これ以上の詮索は無駄だな。

それで、俺はどこに行けばその封印とやらを解けるんだ?


『ちょっと待って』


俺が言われたとおりに待っていると、いきなり俺の顔の前に地図が現れた。

地図と言っても、紙でできたものではなく、分かりやすく言えば目の前にスマホの画面が現れたって感じだ。

当然、スマホの画面っぽいってだけで、本当にスマホが出てきたりしたわけじゃない。

つか、こんなことするなら先に言えよ!!

驚いただろ!!


『それは見ての通り、地図よ』


スルーかよ………

つか、どうやってこの地図出したんだ?

魔法? やっぱ魔法なのか?

なんかちょっとSFっぽい感じだったけど、今のが魔法かぁ………

俺も使えるようになってるんだよな……


『感傷に浸ってるところ悪いんだけど、これは魔法じゃなくてスキルよ』


なんですと!?

今のがスキルと………

流石異世界………というか、前世の小説家たちはこんな世界を想像してラノベを書いてたんだよなぁ。

作家の想像力ってスゲーんだな。

前世ではラノベを結構読んだりしていたのだが、スキルだとか魔法だとかそういうのは作品によって全く違ったからなぁ。

この世界ではどういう概念なんだ?


『魔法とは魔力というものを消費して発生させるもの。で、スキルっていうのは個人個人が持つ技能みたいなイメージね』


ほー、その辺はラノベとかと一緒なんだな。

ん? 待てよ。

個人個人の技能がスキルって言ったよな?


『厳密にはちょっと違うけどね』


さっきの液晶画面っぽい地図、技能というより魔法に近い感じがしたんですけど。

スキルって大体こんな感じなのか?


『いえ、別にそういうわけじゃないわ。そうね、有名なスキルだったら〈鑑定眼〉とか今やった〈地図(マップ)〉とかね』


ふーん………

とりあえずその地図を見つめてみる。

うん、やっぱどう見ても液晶画面にしか見えん。

てゆーか……地図?

その地図には5階建ての建物が映し出されていた。

どちらかと言うと地図と言うより、建築物の立体設計図っぽい。

その図には、黒い丸と赤い丸が存在し、赤い丸はあたかも自身の存在を主張するかのように煌々と明滅していた。


『見たら分かると思うけど、黒い丸が現在地、赤い丸が私たちの目的地よ』


結構離れてるなぁ………

見た感じ、今俺たちがいるのは一番下の階層で、行くところは一番上の階層、5階にあるようだ。

で、この目的地にお前の体が封印されていると?


『そうよ』


現在地は……広場で、目的地までは結構複雑な道のりしてんなぁ。

流石は世界で一番デカいダンジョンなだけある。

早速今から……はちょっと眠くてキツいから、一眠りさせてもらってもいい?


『まあ、一回死にかけてるからね。ええ、いいわ』


よし、じゃあおやすみ。

あっ……でもセフィアはいつ寝るんだ?

そもそもこんな場所で寝て大丈夫なのか?

めちゃくちゃ自然な流れで寝ようとしてたけど。


『あー大丈夫大丈夫。さっきみたいに私が勝手に魔法使うから』


マジで?

じゃあ頼む。

いやー、それにしても激動の一日だったな。

………そろそろ本当にキツいから、さっさと寝よう。

おやすみ。


『……おやすみなさい』

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