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第一話 泣きっ面に蜂?

だいたい1週間に1話くらいのペースで書きたいと思います。

で、今に至ると……

俺は……どうなってしまったんだろうか?

俺の目を覚ます前の記憶はこれだけだ。そっから先は一切覚えていない。


それよりも、駅で俺の背中を押したあの男は一体誰だったんだ?

なぜかは分からないが、あの顔には、どこか見覚えがある気がする。

どこで会ったんだ、俺は? 確か………そうだ!!

桜と一緒に買い物に行った時、チラッと見ただけだがそこで会ったんだ。

確か桜の同級生だったはずだ。


だが、俺を殺そうとする理由はなんだ?

いや、それより桜はどこだ……? 

というか、そもそも俺ってあの時死んだのか? そのことすらよく分からない。

自分の姿を見ると、出掛けたときと同じ、ジャージ姿だった。

血とかそういうのも付いてないし、痛みとかも全く感じない。

俺の記憶が正しければ、最後に体を見たときは、もっと血まみれだったはずだ。

だが俺はこうして呼吸をしている。正直なところ、俺は死んだと思っていた。


もし俺があの時死んでないとするのなら、少なくともここは日本ではない。

だがもし死んでいたら? ここは天国ということになる。

いや、この状況…ラノベでよく聞く転生ってヤツじゃないか?


……今そんなこと考えても意味ないな。

分かったところで、この状況が改善されたりはしない。

今やるべきことを考えよう。

まずここがどこかよく分からない。

周りをもう一度見渡す。


草、草、草………


どこを見ても草………

いや待て。なんか見えたぞ。

目を凝らしてよーく見てみる……と。


壁……? いやこんな場所に壁だけあるはずもない。

と、なると……町、都市か?

いやいやいや、じゃあなんで人間がこうもいないんだ?

もしここが都市なら、人間の一人二人くらいいてもいいはずだ。


他には……うん。所々に岩があるだけで、やっぱりほぼ草だ。

こーゆー時こそ……

グー○ルせんせー、よろしくお願いします!!


………あ、あれ?

それよか、俺のスマホは……?

右ポケット、左ポケット、尻ポケット、ジャージのポケット………!!


な、無い………!!

ば、馬鹿な、あり得ん……俺は出かける時は、必ずスマホを所持していたはずだ。

なんで無い……? いや無いもんは探してもしょうがない。

じゃあ、どうする? どうやって今の現在地を把握する?

………高い所から見渡してみるか。


俺はパッと見一番大きい岩に飛び乗り、辺りを見渡す。


「うーん、やっぱあの都市(仮)に行くしかないのかなぁ」


だがあの都市(仮)に行ったところで、人間がいなかったら意味ないんだよなぁ。

ま、とにかく行ってみるか。


と、その時だった。

岩から降りようとしていた俺は、あることに気がついた。


「地震?」


岩から振動が伝わってきたのだ。

しかも、だんだんと大きくなってきている。


(なんだ、これ? 地震じゃない……?)


それはまるで、自分の真下に何かいるような、そんな揺れだった。

そして…………


気づけば、俺の体は宙を舞っていた。

下を見れば、何かに持ち上げられたかのように、俺がもともと立っていた岩すらも空にあった。

この状況から見るに、俺は『何か』に岩ごと持ち上げているようだった。


『何か』、それは………


「く、鯨…!?」


体長500メートル近くの純白の鯨が、空に浮く俺と岩の真下で、その大きな口を開いていた。

その口は、だんだんとこちらへ迫ってきている。

鯨はその口で、岩をかみ砕いた。


その後、鯨は先程よりも更に口を広げ、その時には既に、俺は鯨の口腔内にいた。

口が閉じ始め、辺り一面が真っ暗になる。


その瞬間、視界が真っ白に染まった。


◇ ◇ ◇


「っ……!?」


気づけば俺は、冷たい地面の上に横たわっていた。

焦点が定まらないままの目を周りに向けると、薄暗い洞窟の壁のようなごつごつとしたものが視界に入る。


「な、何が起きたんだ……?」


頭を抑えながら、弱弱しくつぶやく。

当然、反応は無い。

今寝そべっている床は石畳のようなつくりになっていた。

洞窟のような壁といい、まるでゲームに出てくるダンジョンみたいだ。


いや、みたいじゃなく、現実であるという可能性も無くはないのか。

突っ込みどころが多すぎて頭が痛くなってくる……


まず、あのバカでかい鯨はなに? 

あんなのゲームでも見たことないんだが。


とりあえずこれで、俺が死んだということが確定したわけだ。

まあさすがに、電車に轢かれて生きてるとは自分でも思っていなかったが、実際に死んだとなると実感がわかない。


で、そうなるとここは、異世界ってことか。

異世界…異世界かぁ………

そんなこと言われても、素直に納得することができない。

そりゃあ何度も夢見た異世界転生だからな、当たり前だ。


異世界ってことは、やっぱモンスターとかもいるんだろうか?

いるんだろうなぁ……じゃなきゃ、鯨は一体何なんだと聞きたい。

て言うか、ここがもし本当にダンジョンだとすれば、モンスターがうようよいるのでは?


ゆっくりと立ち上がり、自分の周りを見回してみる。

やはり見た目どうり、ダンジョンと考えたほうが良さそうだ。


しかしモンスターと鉢合わせてしまったら、確実に死ぬだろう。

なにせ、チート能力を一切持たない、普通の高校生男児だからな。

こんないかにも大迷宮的なところに放り込まれても、俺には何もできんのだが。


ダンジョンってことは、迷宮…迷路みたいな感じなんだろうか。

うーん……うん! 考えても意味なんてない。

時は金なり。

時間を無駄に費やすのは良くない!!


行動……

そう! とにかく、行動あるのみだ!!

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