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買い物!(邂逅!)前編

長すぎるので二パートに分けます。もしかしたら三パートになるかも

「ゴールデンウィークなんてすることないんだけれど」


 休みが増えるのは和仁的にもありがたかったが、インドア派なので、どこかへ出掛けるなどということはしなかった。 むしろ、学校に行ってた方がマシだとも思うくらいに。勉強は嫌いだが、普段から真面目にしていればそこまで苦労することもないからだ。


「……ふゆはどうするんだろうな」


 宿題などどうせすぐに終わるので全てを放棄した上で暇だと思う。とはいえ一人でずっと過ごすというのも酷だと感じ、ふゆに連絡をしてみた。


『GWって何すりゃいいの?』


 どう送ればいいのか分からないのでとりあえず過ごし方を聞いてみる。彼女もインドア派だった場合はお手上げだが。


『一緒に来て』

「どこにだよ」

『とりあえず来て。エントランス』

「いいけどさ」


 どうせ家にいても暇なのでふゆに付き合うことにした。俺はそこら辺に置いてあった上着を拾い、身支度を済ませてさっさと家を出た。


「おそぉぉぉいぃぃぃぃ」

「ごめんって。てか連絡から五分もたってないだろ」

「それはそうだけどさ!」

「まぁでも待たせてごめんな」


 そう言いつつ頭をポンポンとしてやると「……いいけど」と顔をほんのりと赤らめながら言う。すっかり大人しくなってしまったのでチョロいなと心の底で思う。


「それで?どこに行くの?」

「……笑わない?」

「別に笑ったりしねぇよ」

「……しょ、ショピングモール……」

「なんだ、普通じゃんか。それくらい言ってくれれば着いてくよ」

「え、そ、そう?でもでも、なんか恥ずかしいし……」

「別に恥ずかしがることないって。ほら、行くんだろ?」


 俺は彼女を手招きして隣に並ばせる。どこか落ち着かない様子だが、緊張しているに違いない。このまま緊張が解けないのもアレだが……まぁ放っておくしかないか。


「んで、どこのモールに行くんだ?」

「えと、二駅先の……あぅ、でも方向音痴だから……」

「あー、あそこか。ならついてこいよ。俺、分かるからさ」

「あ、ありがとう……」


そう言うやいなや、すぐに最寄りの駅の電車に乗り込んだ。


 モールは二駅先の、との事だったので数分で着いた。ここは案外広く、ウィンドウショッピングをしているだけでも充分楽しいが、時間を忘れて二時間も経っていた、なんてこともザラじゃない。


「わぁ……結構広いね。……迷いそう」

「だな。マジで迷ったらお呼び出しだな」

「そ、そんなことにはならないって!」

「さぁどうだか。それより目当てはどこだよ」


 一階に設置されている見取り図を見渡す。彼女がここ、と指さすと、そこには有名な服屋のマークが印されていた。


「四階……か。エスカレーターでいいな」

「そうだね、エスカレーターは向こうかな」

「そっちは逆だぞ」

「わ、分かってたし!和仁くんが止めるてくれるかな〜って思ってただけ!」


 俺は適当に「はいはい」と言って(あしら)うと、彼女は少し膨れっ面をしてそっぽを向いてしまった。彼女に聞こえない程度の声で可愛いなぁと呟くと、彼女の頬が少し赤くなった気がするが気のせいだと言い聞かせることにした。


「あれ、和仁なにしてんの~?」


 四階に着くなり、聞き覚えのある呑気な声がした。声の主はもう分かってはいたが確かめるために音の方を見ると真希と涼介がいた。


「ゲェッ、何でお前らがこんな所にいるんだよ」

「全ては涼介が悪い」

「なんで……あぁ、またやらかしたのか」

「またって言うなまたって。それよりお前の連れって……」

「あぁ、ふ……尾崎さんね。俺は一緒に行く約束だったけど。俺はね」

「強調してくんじゃねーよ。ってお前尾崎さんとってあぁ……」

「「何かを察したようにするのやめて(ください!)(くれない?)」」

「おうおう、息ピッタリじゃねーか」

「真希。お前の彼氏引っぱたいて」

「元々後でやるつもりだったけど……二発増やしとくね。冬夏ちゃんと和仁の分で」


 涼介は「なんでそうなるっ!?」と嘆くも真希が「は?」と睨みつけるといっぺんに萎れる。少々可哀想だが……うん。彼女に要らんこと言った罰だな。妥当妥当。


「ってかふ……尾崎さんて真希と友達だったんだ」

「和仁今お前……」

「あ゛?」

「なんでもないですごめんなさい命だけは」

「……真希に委ねる」


真希が涼介の横でニッコリと笑っている。あれは死んだな。可哀想に。

 真希はこちらの視線に気付くとすぐにいつもの笑顔(・・・・・・)に戻り「そだよ〜!」と陽気に話しかけてくる。


「一年の時に一緒で……席も隣だったし」

「あぁそれでか」

「うん。結構仲いいんだよ〜!」


「ね〜っ!」と屈託のない笑顔で彼女がいうとふゆも口許を緩ませていた。


「なぁ和仁。頼む助けてくれ」

「……あとでジュース一本な。まぁ真希からは逃れられないと思うが」

「……ご褒美だと思って受け取っておくよ」

「このドM思考が。で、何の頼みだよ」

「服選ぶの手伝って」

「バイバイ」

「待ってく「二人ともな〜にコソコソ話してんの?ん?」

「あ、コイツが悪いんで俺は勘弁」


コソコソ話しているとやはりバレる。真希は鋭いからすぐバレるとは思っていたが正にその通りになった。でも、俺もそこまで非情ではない。


「そだ、俺らも服買いに来たんだけど一緒に回る?」

「お、いいね!ふゆもどう?」

「私はかず……神崎くんと一緒ならいいよ」

「ま、俺から提案してるんだけどな……」


 口許を片手で抑えてニマニマと笑う真希を他所に、ちらりと涼介を見ると「マジでサンキュ」と口だけで俺に伝えてきた。まぁこれくらい役得だと思って付き合ってやるか。


書き始めて三日でアクセス数250人超えました!これからもよろしくお願いします!あ!評価もありがとうございます!!!

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