猫なベイベー。夢叶う。
セルネアス王国。科学も魔法も発展を続けてきたこの国では非常に平和な日々が流れていた。そんな国の国王であるガルスには二人の娘がいた。
姉の名前はブリアンナ、とても強気で負けず嫌いな十七歳。
妹の名前はカミラ、とても自由人で天然でいつも使用人を困らせている十歳。
姉のブリアンナはガルスの血を引いているのだが妹のカミラは今の妻の連れ子で王の血を引いていなかった。だが、様々な事で秀でているという事もあり次の国王を妹であり連れ子でもあるカミラにしようという話が決まろうとしていた。
勿論、この話を耳にした姉のブリアンナは激怒し何度もガルスと話をした。だが、ガルスの意思は固く全く動く気配はなかった。ブリアンナが何としてでも国王になろうと様々な策を練っていたある日。
いつもの散歩道を歩いていると黒いワンピースを着た小さな女の子に出会った。
この少女とすぐに仲良くなり二人はある作戦を決行した。
「今日は何をして遊ぼうかなー?」
「ちょっと、そこのお嬢ちゃん」
ワタシが街を歩いていると路地の方から声をかけられる。
ワタシはすぐにその声の方を向いた。腰の曲がったおばあさんがこっちを向いて手招きをしている。ワタシは疑いもせずにおばあさんの元へ歩み寄る。
「お嬢ちゃん、面白いポーションが入荷したのだけど試してみないかい?」
「うん!試してみたい!」
「この先に私の店があるからそこへ着いてらっしゃい」
そう言うおばあさんはゆっくりと路地の奥へと進み出した。ワタシもその後を着いて行く。
街の喧騒もほとんど聞こえない程奥に行ったところに一つの扉があった。
「ちょっとそこで待ってなさい。今取ってくるからね」
おばあさんがその扉を開けて中へ入っていく。
少し待つとおばあさんは左手に水色のポーションを持って戻ってきた。
「さぁ、一口どうぞ」
「ありがとう!」
そうお礼を言うとワタシはそのポーションを少しだけ飲んだ。
体の底から熱を感じる。目の前が暗くなりワタシは気を失った。
目が覚めると同じ場所に一人でいた。
私は立ち上がった。身体が痺れているのか手を着いていないと立ち上がれない。とりあえずこのままある程度進むことにした。廃品置き場の前を通る時に鏡に映ったワタシの姿を見た。真っ白な毛の「猫」が映った。
「あ、ワタシ……猫になったんだ!」
言葉は普通に喋れる。でも、姿は猫だ。
この現実を突きつけられたワタシは……
嬉しさのあまりその場を駆け回った。
昔からの夢である猫になることが叶ったのだ。
これ以上ない幸せと喜びを胸に街へと駆け出していくのであった。
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