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牛乳プリン増殖事件
学校帰り、まずは居間で紅茶を一服。そして自室で着替えて冷蔵庫を開けた瞬間、戦慄が走った。楽しみに取っておいた高級プリン、その最後の一個が……
「増えてるし!?」
「お嬢様! どうなされました!?」
「な、なんでもない!」
非常事態かと驚いて鍵を開けて入ってきた女中を下がらせ、深呼吸。オーケー、私。推理だ。推理をするのだ。
プリンは我が家に届いたお歳暮で、北海道産の牛乳を使った高級プリン(6個入)。家族4人で分けて、残りは使用人達にあげて。
今は二個だけど、朝見た時は確かに一個だった。そして部屋に鍵はかかっていた。
つまり……分からーん!
「ま、いっか」
そんなことより、好きな人と話す口実ができたって方が大事だし!
☆
犯人:使用人同士の熾烈なじゃんけん大会を勝ち抜いた女中の女の子。
方法:文中にあるように合鍵を持っているので、紅茶を準備している間に部屋の鍵を開けて入って冷蔵庫にプリンを入れた。
動機:主人とその好きな人の間に話題を提供したかった。あわよくば犯行現場である家に来てもらおうと画策した。