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月
夏もあけぼの。7月の朝の日差しに包まれながら、教室の席で水筒のカフェ・オ・レを一杯。あぁ、なんて優雅な日々なんだろう……
「よっぴー、聞いて聞いてー」
……でたな。
まず、珈琲牛乳を飲み干して……
「つきあってくれって言われたー」
「!?」
「『月が綺麗ですね』って言われたのー。だから私も『スッポンは匂いが苦手で』って返してー」
「いやいや」
馴れ初めが色々おかしいけど、そこじゃない。
「付き合うの!?」
い、いや、別におかしくはないか。でも、そうなったら、今までみたいには……
「いや、六ペンス派だし」
意味が分からないけど、断るのか。よかったぁ……あれ?
「あの人も”ツキ”がなかったね」
「……くっ、上手いことを!?」
”私”「よっぴーよっぴー、聞いて聞いてー」
よっぴー「どした? 前書きと後書きは反則だって言われたでしょ」
”私”「私達の名前が決まったんだって」
よっぴー「はぁ!? そそそ、それって!?」




