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ポニーテール
誕生日! 彼と距離を縮める大チャンス! すなわち、恋を育む最っ高のシチュエーション!
「あれ? 髪型変えた?」
そうなのよっぴー! 彼はポニーテールが好きなんですって! 見て見て! 私の力作ポニー……
「……ちょんまげ?」
……駄目だった。
帰り道。何故だか頬張るアイスが甘じょっぱい。
「ぐぬぬ」
「元気だしなよ」
「ぐぬぬ」
「髪は急に伸びたりしないって」
「ぐぬぬ」
「……ウィッグは?」
その手があったか……!
かくして、私は慌ててブツを仕入れることにした。そして、いざ! 誕生日!
「駄目だったあ……」
「ま、まぁ相手の見る目がなかった……」
「ポニテが好きって言うから、新品のカツラを贈ったのにいい!」
「ホラーじゃん!?」




