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プロポーズ
「俺、基地に恋人がいるんすよ、帰ったらプロポーズしようと、花束も買ってあったりして」
「独房行きだ!」
「えぇ……」
これから敵と最終決戦なのに、なんて事言いやがる。
――ヒュールルル……
「いかん、砲撃だ! 塹壕に隠れろ!」
慌てて馬鹿を引っ掴んで飛び込むや、凄まじい音と衝撃が撒き散らされた。今のはヤバかった――
「わ、分かりました! こんなところにはいられません、俺は拠点に戻ります!」
「逃げんな!」
「えぇ……」
再び降り注ぐ砲弾。こっそり顔を上げれば拠点が燃えていた。くそ、絶対生きて帰ってやる。
そうして、俺達は全てのフラグをへし折り、無事帰ることに成功した。あの馬鹿もプロポーズし……
「嫌です」
…………えぇ……




