四話 黒の男
今回登場する彼とは、主人公のことです。
四話 黒の男
「愚かな奴め、そんなことをしてもどうしようもならんのに‥‥」
彼を見くびるような低い声が闇に溶け込んでいった。
黒いコートを着た男は、彼を冷たい目で見ていた。
そんな視線に気づくことなく彼は過ぎ去っていった。
「そろそろ俺の出番だな。」
ビルの屋上、先ほどの黒いコートの男が呟いた。それに答えるように、2匹のカラスが鳴いていた。
誰もが平和だと思っている世界に、突然起こる謎だらけの闇。
そんな世界、想像しただけで反吐がでる。
だから、俺のような存在があるのだろうな。
あいつが行動を開始するのは、そろそろか‥‥
まったく、面倒な仕事が増えたじゃないか。
俺だって普段暇なわけではないのに。
家に帰れば出来のいい息子と、愛情深い妻がいる。そこらへんの平凡な家庭よりかは、まぁご立派な家にも住んでいるし、庭とプール付き。今のままで、充分幸せなのだがな。
どうしても俺にしかこの仕事はできないようで、上からも言われてしまってしな。
ま、半ば強制だよなー。でも、この仕事のおかげで今の家庭があるわけだしな。この力には感謝しなければな。
では、始めよう。
世界を、闇に染めぬために。
短めですね。
すいません。
次話の投稿は明日かな