ティッシュ配り(二百文字お題小説)
お借りしたお題は「ティッシュ配り」です。
就職に失敗した俺は、当てもなく街を彷徨い歩いていた。
ある駅の前で黒いローブを着ている無表情な美女を見かけた。
その美女はティッシュを配っていた。
だが、誰一人受け取ろうとしない。
あんな美人のティッシュを受け取らないなんて、女はともかく、男はどうかしている。
そう思った俺は美女の前に行き、ティッシュを受け取った。
「可哀想に。まだ若いのにね」
美女の言葉に俺は全てを理解した。
彼女は死神で俺は死んでいるのだと。
そういう事でした。