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インタビュー記録 ③

瀬戸: (身を乗り出して)……おい、調査員。あんた、自分の人生がいきなり「一話完結」の読み切り漫画みたいに消費される気分がわかるか?


調査員: 想像に難くありませんが……。


瀬戸: 想像なんてできねえよ! 俺が必死に泥水すすって、死に物狂いで剣を振ってるとき、あいつ……「作者」の野郎は何て書いたと思う? 『苦難の末、覚醒するレイアス』だ。一文だよ。たった一文で俺の地獄を片付けやがった。


調査員: 構成上の、やむを得ない省略では……。


瀬戸: 知るかよ! 俺の痛みは文字数制限の中にあるんじゃねえんだ。それに、あいつの書く「俺の心情」がまた鳥肌立つくらい気持ち悪いんだよ。


『愛する仲間を守るため、静かな怒りが燃え上がる』とかさ。……勝手に俺の脳内にポエム書くんじゃねえよ。俺がその時考えてたのは、「あー、帰ってファミチキ食いてえ」だけなんだよ!


調査員: ……本音ですね。


瀬戸: それを読者様は『尊い……』だの『胸アツ展開!』だの、好き勝手コメントしてやがる。140文字の感想で、俺の人生を採点してんじゃねえよ。いいねの数が多けりゃ俺が幸せだとでも思ってんのか?


調査員: 読者の支持は、世界の存続エネルギー(人気)に直結しますから。


瀬戸: その「人気」ってやつが一番の呪いなんだ。人気が出れば出るほど、物語は引き伸ばされる。魔王を倒しても、次は「裏の魔王」だの「神との戦い」だの。……ふざけんな。俺は一刻も早く、何の伏線も回収しなくていい、ただの「日常」に帰りたかったんだよ。


調査員: だから、物語のクライマックスで「失踪」した。


瀬戸: ああ。あいつ(作者)が『ここで感動の告別式!』ってプロット書いてる横で、俺は強制帰還のスイッチを押した。あいつ、今頃真っ青だろうな。積み上げた設定も、回収してない伏線も、全部ゴミにしてやったんだから。


調査員: ……今のあなたは、非常に満足そうに見えます。


瀬戸: 当たり前だろ。ネットで自分の元いた世界の評判をチラッと見たらさ、『打ち切りかよ』『作者逃げたな』とか叩かれてて、もう最高にメシが旨い。……悪いな。俺の人生は、お前らのためにあるんじゃねえ。


調査員: ……


瀬戸: ……あ、この記録もどっかにアップするのか? もしそうなら「☆1評価」でもつけとけ。俺の人生に評価をつける権利は、俺にしかないんだから。


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