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御伽荘施(おとぎそうし)

作者: 大西洋子


今日は待ちに待った日。保育園の年長さんに囲まれて、爺や婆やはニコニコ笑顔。それもそのはず、今日は自慢の業を愉しんでもらう日だからです。


まずは浦島さん。年長さんに開けてはいけないと叫ばれながら玉手箱を開けます。たちまち、浦島さんはあふれ出る煙に包まれてしまいます。


その煙をかき消さんとばかりに踊り出すのは瘤取りの爺様で、その隣で躍る真似っこ爺様の踊りは、やっぱりどこか変。年長さんが腹を抱え笑う声が、玉手箱から溢れる煙を消していきます。


竹取翁が可愛いかぐやと目を細め、細く切った竹でかごを編み、姥捨の婆が縄を作り、太郎やごらんと、それを木の板の上で焼いて見せます。


こうして出来上がった灰の縄を編み上がったばかりのかごに入れ、花咲爺が枯れ木に花を咲かせましょうと園内の木々に向かって撒き散らします。


たちまち桃の花が咲き乱れ、ハサミでちょん切るぞと舌切り婆が桃の木に迫ります。


すると、旨そうな桃が次々と実り、甘い匂いを漂わせるではありませんか。年長さんは歓声をあげながら、その実を次々ともいでいきます。


さぁて今日のおやつは桃です。爺や婆やがそれを食べると、ちょっぴり若返ります。



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