第六打:打ち首獄門
ダセェとカッコ悪いは違うんだ!!
「さて、んじゃやりますか?ケガしたくない奴はとっとと出ていけよ」
約30人のクラスメートに囲まれながらも余裕しゃくしゃくな態度をとる俺
はっきり言って負ける気がしねぇんだけど!
つーか、女子は出て行って欲しいな〜。
お母ちゃんに『いかなる理由があっても女の子に暴力ふるっちゃダメ!ダメ絶対!!』って口が酸っぱくなるくらい言われてたからな〜。
ま、なるべく気をつけながらやりますか。
「オラァ!」
魔法で形成された剣で俺に切りかかってくる男子生徒
少し横に動き紙一重で避け、脇腹に一発
「一発ダウンかよ?こんなんじゃ、俺様の究極魔法を使うまでもねーな」
倒れた生徒を踏みつけながら言う
俺の一言にたじろぐ生徒さん方
ま。究極魔法なんかねぇんだけどハッタリで戦う相手が減るなら都合良いわ
「いてっ!」
少し臆してる生徒達を睨みつけていると背中に衝撃
大して痛くなかったけど、後ろから攻撃するとは卑怯なり!
後ろを振り向き俺に攻撃した奴の元へ一気に距離を詰める
「後ろから攻撃するなんてチンコの小さいマネするんじゃなーいっ!」
ビンタ一発。
キレイに入ったね。もの凄い音と共に本棚に突っ込んでったぜ
「お前ら一斉にやれ!そいつぶっ殺せ!!」
宮沢の声で全員が俺に魔法を撃つ
全員かよっ!さすがに喰らったらマズよな…
クラス全員の魔法は合わさり一つの球体になり、俺に向かってくる
デカさハンパないね!元気玉みたいになってるよ!避けきれないかな?こりゃ…
俺は足を大きく開き、腰を落とす
「ぬぉおおお!!」
両手を開き受け止める
これ、受け止めきれなかったらドラゴンボールの敵役みたいに飲み込まれて、僕は死にます
一応、主人公だし。それはねぇか。
イケると思って受け止めてみたワケだし。
手が痛熱いな!このやろう!
つーか、こんなん俺じゃなかったら死んでんじゃね?
コイツら加減ちゅーもんを知らんのか?
「んぐぐぐ!ウリャア!」
両腕に思いっきり力を入れ、球体を抱き潰す。
魔力を圧倒的な物理力で相殺する。これが圧倒的暴力と言われる所以
クラスメート全員唖然
驚くのも無理無いだろうけど、俺が魔法に飲み込まれてたらどうするつもりだったんだろ?
「まさかあんなデカいもん放ってくるなんて、お前ら頭おかしいんじゃね?殺す気で放ったんなら、殺されても文句言うなよ。」
殺気を込め、低く冷たく言い放つ
黙り怯えた様子のクラスメートの後ろに隠れてる宮沢の元へ、縮地法を使い一気に詰め寄る
俺の動きが見えなかったのか、クラスメート全員がギョッとしている
宮沢の胸ぐらを掴み、そのまま持ち上げる
「お前、ぶっ殺せって言ったよな?殺されても文句言うなよ?つーか、殺してやるよ」
「は、離せ!お前ら!見てないで助けろ!!」
足が宙に浮くぐらいまで持ち上げられてる宮沢は、ほかの奴に助けを求めるが誰も動かない
いや、動けないんだろう
後ろを振り向いて見たが全員が怯えた表情をし、中には歯をカチカチと震わせて泣いてる女の子も何人かいた
「く、苦しい… 俺が悪かった!頼む!許して…」
「無理だべ?お前、バカだもん。お前のせいで泣いてる奴もいるし、お前いなけりゃ、このクラスも少しマシになるんじゃね?」
顔を真っ赤にして苦しむ宮沢を片手だけに持ち替え、もう一方の手で握り拳を作る
「お、俺の兄貴は生徒会のメンバーなんだぞ!こんなことしてお前…どうなるかわかって…んのか…?」
「そんなん知らんて。お前、死ぬ寸前までお兄ちゃんの話だな。泣いて謝ったら許してやろうかと思ったけどやめた。バカは死ななきゃ治んないから、死んじゃえ」
握ってた拳を宮沢の顔面めがけ放つ
宮沢は白目を剥いて失禁してしまった
「ホントに殺すワケねーだろ。寸止めするに決まってんじゃん。小便まで漏らして気絶するなんて、どんだけヘタレだよ」
宮沢を掴んでいた手を離し、後ろを向きクラスメートを睨みつける
「全員、気をつけ!」
俺の号令に全員ビシッと気をつけする
「男子!こんなバカに従ってダセェと思わねーのか!?男に生まれたんなら、カッコ悪いくらいカッコつけろ!ダセェ事すんな!!ダセェとカッコ悪いは違うんだ!!
女子!男子が間違った事してるならビンタしてでも正してやれ!一緒に間違った事すんな!!
それとお前らが無視してた奴らと先生に謝ること!
わかったか!?」
俺の言葉にポカンとするクラスメート一同
「返事は!?」
『は、はいっ!!!!』
「よしっ!!解散っ!!駆け足!」
俺の言葉に蜘蛛の子を散らしたように廊下に出て行くクラスメート
俺も言葉が上手い人間じゃないから奴らが理解してんのか分からんが、ちょっとはあのクラスもマシになるだろ?多分…
白目剥いて気絶しているションベンタレ宮沢を放置して図書室から出る
「あら?待っててくれたの?」
吹っ飛ばしたドア付近に立っていた相川さん
俺の手を見つめ心配そうな表情をしてる
「真島さん…手が……」
「ん?あぁ。ちょっと火傷しちゃった。ま、ツバつけときゃ治んでしょ」
「でも……」
「大丈夫大丈夫。教室戻ろ?」
手をポケットに突っ込み、廊下を歩きだす
「真島さん…ありがとうございました。私達の為に…」
俺の横を歩く相川さんは、小さく呟く
「君達の為なんて、そんなカッコいい事じゃないよ。教室に生徒が4人って寂しいなぁと思っただけだし。どうせなら楽しい学生生活をしたいじゃん?」
「そう…ですね!真島さんのおかげでこれから楽しくなりそうです!」
にっこり笑う相川さん
やっぱり女の子は笑った顔の方がいいね
あ。そーいやドアぶっ壊したの婆さんにバレたら叱られるかなぁ?
あの婆さんの事だから
『打ち首獄門!!』とか言いそうだな……
考えたら冷や汗と脇汗が……
「どうしたんですか?」
「う…なんでもないDEATH…」
ストレスに土下座をさせ、後悔に後悔させるような男になりたい by 俺