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第四打:暴君ハバネロ

            腹が立ったら殴るんです!

『クソガキィ!いつまで寝とるんじゃぁあ!!』


「んふぉっ!」


寝ていた俺の脳内に響くババアの声

まだ朝の5時じゃねぇかよ…



『とっとと起きて飯作んな!』


くそぅ!言い返したいけどテレパシーなんて洒落たモン使えねー!


いそいそと着替え、本宅に向かう



「ババー!まだ5時じゃねーか!あふっ!!」


ババア大好き茶室に殴り込み

怒鳴りながら襖を開けた瞬間、魔弾が俺の胸部にヒット

中庭にぶっ飛ぶ俺

ハンパなくイテェ…



「ババアって言うな!クソガキ!!」


ズンズンと俺に近づいてくる婆さん

背後には出刃包丁をもった鬼婆の幻が見える


このババア、ジェダイの騎士でスタンド使いか!?



「あと30分以内に飯作らないと殺すよ?ババアの朝は早いんだ」


俺の胸ぐらを掴んで脅す婆さん

めっちゃこえーよ!ホントに殺されかねない!!


つーか、自分がババアって自覚はあるんだ…



「超マッハで作らさせていただきます」


その場からダッシュでキッチンへ向かい、急いで朝飯の準備をする




出来上がった朝飯を婆さんの茶室へ持って行く

俺は沙耶が起きてから一緒に食べるとしよう


つーか、毎日こんな朝早く起きなきゃいけないのかなぁ…



「婆さん、沙耶っていつも何時に起きてんの?」


「知らん。ワシはあの娘が起きる前には学校に行って理事の仕事をしてるからね。沙耶は朝が弱いからね、あんた起こしてやんな」


タフな婆さんだな。理事の仕事って大変なのか?

んで、孫娘は低血圧ってかぃ?変な家族だな



「わかったよ。ご飯粒、床にこぼすなよ?」


老人口元ゆるしってことわざがあるくらいだからな…

ごめん。今作った。


「老人扱いすんな!」


「イテェ!」


箸を投げるな!ババア!

とんだ暴君だな。暴君ハバネロ!



茶室を出てリビングに戻り朝のコーヒーを一杯

良い豆使ってんじゃねーか。

って、よくわかんねーけど…




コーヒーを飲みながらマッタリとした朝の時間を堪能する


「涼。ワシはそろそろ行くからな。今日は学校初日じゃ、まずは学園の内情をよく理解しろ。くれぐれも無茶はするなよ?」


「あいあい。わかりましたよ。いってらっしゃい。」


婆さんを玄関先まで見送り、食器を洗う


時計を見ると7時

そろそろ沙耶を起こしてやるかな



二階へ上がり、沙耶の部屋のドアをノックする


はい。無反応。


ドアノブに手をかけ、ドアを開ける

いい匂いがするッ!

甘いオイニーがするッ!


ベッドに近づいてみる。

うん。めっちゃ寝てる。

めっちゃ可愛い顔して寝てる。


ちょっと眺めてたいけど、話進まないので起こしますよ。



「沙耶、起きろ!」


布団を揺すり沙耶を起こす


「ん…ふぁ……」


半目で起き上がる沙耶


「おはよー……ござます…」


そーとー寝ぼけてるね。この娘。


「おはよう。って起きてる?」


頭をポリポリと掻く沙耶の顔を覗き込む


「…―――!!兄さん!?ななな、なんで私の部屋にいるんですか!?」


「いや、起こしにきたんすけど…」


完全に覚醒したのか、俺の顔を見てテンパる沙耶


そんな驚かれるたぁ思いませんでしたよ



「ま、いいや。朝飯出来てるから準備できたら来てね。」


「あ…はい。わかりました」


「後ろ髪寝癖ついてるから、ちゃんと直しなよ?」


俺は笑いながら部屋を出る

沙耶は顔を赤くしてたけどね。




朝食をテーブルに運び終わった頃に制服に着替えた二階から下りてきた


白と青のセーラー服を身にまとった沙耶は2割増しくらい可愛く見えた。


「?どうしたんですか?」


首を傾げ不思議そうな顔をする沙耶

すいません。見とれてました



「あ、あぁ…わりぃ。さ、飯にしよう」


テーブルに着き、食事を始める俺達


朝飯食ったの久しぶりだべ。なんたって今までニートだったからね!毎日昼まで寝てたっつーの!


しかし、一気に生活が変わったなぁ。

家族も出来たし、学校も行ける。オマケに金ももらえるなんて、ババアに感謝だな。




「ごちそうさまでした。洗い物は私がやりますので兄さんは少しゆっくりしていてください。まだ登校するには早いですし」


「ん。ありがと。」


朝食を食べ終わり、沙耶の言葉に甘え、まったりする。


学校かぁ…

どんなめんどくさい事が待ってるのかね?

つーか僕ちゃん、イジメられないか心配です。

ま、ちょっかいかけてくる奴がいるなら殴るけど。腹が立ったら殴るんです!



「兄さん。そろそろ学校に行きましょう。」


「おー。つーか俺、制服もらってねぇけど大丈夫なの?」


「ふふ。大丈夫ですよ。さぁ行きましょう。」


沙耶の笑いが気になったが大丈夫ならいいや。




ちなみに高円寺邸と光世学園は激近です。

家を出て歩いて3分で学校に着くんだが、家の敷地が広い。

なんたって離れが有るようなお宅ですよ。そりゃ広いわ。


家を出て、光世学園の校門をくぐる


昨日も来たんだがデッケェ建物

今日からお世話になります。


学園に向け頭を下げる俺


そんな俺を見る生徒さん達


なに見てんじゃー!見せ物じゃねーぞ!このやろう!



「に、兄さん!皆さんが怯えてますから早く校舎に入ってください!」


睨みで威嚇する俺の服を引っ張る沙耶

すまんね。変態を見るような視線をビシビシ感じたんで。つい…


沙耶に引かれ、校舎内に入る


「ここが職員室ですので自分のクラスを聞いてきてください。私は自分の教室に行きますので…」


「おう。あんがとな!」


沙耶に手を振り職員室に入る



「すんませーん。今日からこの学園でお世話になりながらも、皆さんのお世話をする事になった真島 涼です。よろしくお願いしまーす!」


ドアを開け、挨拶をする俺を見てガヤつく教師達



「君が真島君か。理事長から聞いてますよ。私はこの学園の園長をさせていただいている、石川 将門です。君は魔法が使えないかわりに素晴らしい体術が使えるらしいね?この学園も色々あってね。君の力を借りる事になるかも知れないが、その時はよろしく頼むよ。」


学園長を名乗る背の低いくたびれたじーさんは、手を差し出し俺と握手をする


「そうそう。まずは君の担任の先生を紹介をしよう。一条先生、こちらへ」


「はい。君のクラスの担任の一条 彩音です。よろしくね。真島君」


軽く頭を下げる一条先生

セミロングの茶髪で優しそうな瞳、背は女性にしては高くスレンダーな体型だ

可愛いより美人って感じの大人の女性ですね



「はい。魔法の知識が全くない人間なんで色々とご迷惑かけると思いますがご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします」


「見た目に寄らず礼儀正しいのね。まぁすぐに学園にも勉強にも馴れるでしょうから、楽しくやりましょうね!」


優しく微笑む一条先生


美人で優しい人が担任でよかった。



「そろそろ授業も始まりますので、その格好はマズいですね。真島君、ちょっと失礼」


学園長はそう言うと俺の肩に手を乗せ何やらブツブツと呪文のような物を唱えはじめる


そして手を離し指をパチンと鳴らすと俺の体が光に包まれる



光が引けていくと俺の服が制服になっていた

女子と同じように白と青を基調としたブレザータイプの制服



「似合ってるわよ!真島君。それじゃ、制服も支給されたしクラスを案内するわね」


一条先生の後をついて行き廊下を歩く。

ネクタイ苦しいな。少し緩めよう



「ここが君のクラスよ。さぁ入って」


一条先生に言われガヤガヤと騒がしい教室に入る。なんか緊張すんな〜。

編入生が来るという噂が広まってたのか、クラスのほとんどが興味津々な目をしていた




「は〜い皆さん。今日から、この1年B組に新しく仲間出来ます!真島 涼君です!じゃ、簡単な自己紹介をお願いします」


「は、はい。今日からこの学園に来ました真島 涼です。これから1年B組の一員として……

って!1年!?俺、一年生なの!?俺、17歳だよ!?先生!なんか間違ってるんじゃないっすか!?」



「え?理事長からこのクラスでってお話でしたけど?」


クラス全体の沈黙



マジかよ……

わかんねー!意味わかんねー!lml(゜Д゜)lml

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