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第十打:牛乳

                            裸の王様と服着た奴隷ばっかりのイカレた学校。

「いい加減にしろーっ!!」


俺とヒロトの襟首を掴む金髪の女生徒

すんげー美人だな。


「そこに直れ!童貞どもがっ!」


口の悪い女だな。オイ…

つーか、誰だよ。コイツ。

めっちゃ上から目線だ。

なんで正座させられないとイカンのだ!


「ふ、副会長…あの…」


冷や汗をタラタラと垂らし、どもりながら話すヒロト


この人、副会長なの!?


「言い訳すんな!」


俺の横で正座していたヒロトがもの凄い勢いで吹っ飛ばされる

なにをされたんだ?なにも見えなかったぞ



「オイ!童貞2号!お前もハシャぎ過ぎたな。いかなる理由があろうと生徒会への反発は許されるものじゃないぞ」


俺を睨みながら威圧的に口調で言う


「今日が転入初日だからと言って甘くみる気はない。お前みたいな反乱分子は生徒達へ悪影響を与えかねない。そして…」


「ヤバーい!鼻血が止まんねーよ!健吾!牛乳買ってきて!」


「話しを聞けー!」


んだよ。うるさい女王様だね。

鼻血が止まんねーんだって!


「なんすかぁー?あ。先輩も牛乳欲しかったんすか?いやー、気ぃきかなくてスイマセン。」


イテテ!ローキックすんなよ!


「バカか!?ちゃんと話を聞け!この童貞!」


「効いてます!効いてます!痛いっ!」


「そっちの効くじゃないんだよ!」


もー!分かってるよ。

律儀なツッコミ女王様だなぁ


「反乱分子って言うけど俺は生徒会に刃向かった覚えはないんだけど。つーか、なんで俺に突っかかってくる訳?

俺は宮沢弟がムカついたから殴った。ヒロトは弟がやられたから俺とケンカした。生徒会関係ないじゃん!それを反乱分子だとか悪影響とか。見せしめにしたいんでしょ?テキトーに理由付けて、生徒会に刃向かうとどうなるか他の生徒達に思い知らせたいんでしょ?」


俺の言葉に黙る副会長


「黙るってことは図星っすか?じゃあ、もっと当ててやろうか?

ビビってるんだろ?なんの目的があんのか知らないけど、生徒会は絶対的な立場にいなきゃならない。ナメられちゃいけない。だから、生徒だけじゃなく教師も標的にする。刃向かう奴には罰を与える。結局は抑圧するだけの恐怖政治でしょ。」


まだ言うよ。けっこうムカついてるからね。


「裸の王様と服着た奴隷ばっかりのイカレた学校。ナチスみたいな生徒会。それに従うのが一番楽だと思ってるバカ教師達とアホな生徒。どんだけ哀れなんだよ。バーカ」


俺の言葉に沈黙する教室


俺は言いたい事言ってスッキリしたけどね〜



「真島さん!牛乳買って来ました!つーか、この空気なんすか?」


教室に戻ってきた健吾から牛乳を受け取る

コイツ、ホントに空気読めねーな。



「サンキューな。釣りはやるよ。ほらヒロト、牛乳飲めよ。つーか、オメー今日ぶっ飛び過ぎじゃね?」


倒れてるヒロトに牛乳を渡す


「うっせー。それより、お前…言いたい放題だな。生徒会には勝てねーぞ…」


「知らーん!どいつもこいつも生徒会生徒会ってウルセーな!今日転入して来た奴がそんなん知る訳ねーじゃん!黙って牛乳飲んどけ!牛乳スゲーんだぞ!カルシウムとか色々入ってスゲーんだぞ!」


牛乳を開けグビグビと飲む


んむ〜。鼻血が止まった!

牛乳ベリーナイス!



「で、どうすんの?副会長さん

俺は生徒会には従わないよ。かと言って、刃向かう訳じゃないけど。俺が気にいらないなら、いつでもかかってきんしゃい!」


「その言葉、忘れるなよ。童貞2号。明菜。ヒロトを連れて副会長室に来なさい。」


「はい」


副会長は明菜先輩に一言言うと教室から出て行く


「オイ!俺は童貞じゃねーぞ!!勘違いされたら困るだろうが!俺は元童貞だかんな!」


ったく。美人のクセに口の悪い女だったな!

また面倒事が増えた!

メンドクセー!


「ヒロト君、立てますか?」


「ん。ありがと。大丈夫だよ。真島、お前どうする気だよ?」


明菜ちゃんの肩を借りながら立ち上がるヒロト


「さぁね?来たらやるよ。でも、お前とはやりたくねー!オメーのせいでアチコチ痛いっつーの!」


「それは俺も同じだっつーの!!でも、気ぃつけろよ。生徒会には俺より強いのがゴロゴロいるぞ。」


「知らんて。ヤバくなったらお前の力借りてやるよ。」


「貸さねーよ。バーカ」


フッと笑い、教室から出て行くヒロトと明菜ちゃん

ヒロトより強い奴がいるのか…

死んだかもな。俺…



ま、いいや。なんとかなるでしょ!


「んぬ〜。転入初日から俺は何やってんだか」


牛乳を飲み干し、牛乳パックをゴミ箱に捨てる


「本当に何をやってるんですかね?詳しく説明してもらいたいですね。ね。兄さん」


俺の背後から聞こえる可愛らしい声

可愛らしいが恐ろしいのだ!


「さ、沙耶さん。目が笑ってねーっすよ。これは…あの…またビリーが…」


「ビリー?ビリーミリガンですか?兄さんは多重人格障害だったんですか?そんな嘘通じると思ったんですか?」



「思ってません!スイマセン!兄さん、ハシャぎ過ぎましたっ!!ホントスイマセン!!」


土下座です。

敬意を払って土下座ですよ。

周りの視線?んなもん知るかっ!


「はぁ…。理由は後で聞きます。もう。制服も体もボロボロじゃないですか。大丈夫ですか?痛い所とかないですか?」


「ん。大丈夫!牛乳飲んだら―」


「治りません!牛乳は万能薬じゃないんですよ!」


あうっ。怒られちゃった〜。

牛乳飲んだらケガ治るって昔近所のオッサンに教えてもらったんだけどなぁ


「沙耶。転校生とどういう関係!?兄さんって、アンタ一人っ子でしょ?」


沙耶の後ろにいた女の子が沙耶に問いかける


「え!?え〜と……従兄弟!従兄弟的なアレだよ!ね!?兄さん」


話合わせろ!この野郎!と言わんばかりのアイコンタクト

つーか、従兄弟的なアレってなんだよ?

なんかテンパると支離滅裂な事言い出すよね。たまに。


「えぇ。従兄弟的なアレです。姓を真島 名を涼と申します。沙耶の友達の方ですか?以後お見知りおきを」


「え?あ。はい。私、堺 夏樹です。よろしくお願いします。」


ぺこりと頭を下げる夏樹ちゃん

従兄弟的なアレで通じたんかぃ!?

可愛いから許すけど!



「じゃあ兄さん、私達教室に戻りますんで。あんまり目立った行動は控えてくださいね」


「りょーかいです」


沙耶と夏樹ちゃんに手を振り、自分の席へ戻る



「あふー。ドッと疲れたでや。」


「真島さんスゲーっす!生徒会の奴らタジタジだったじゃないっすか!サイコーっす!!」


俺の前の席で騒ぐ健吾

うるせー!コイツ!

疲れたって言ってるべや!


「健吾うるさい!」


怒る茜ちゃん

君もうるさい


「お前も見ただろ!宮沢先輩をアレだけボロボロにして、あの副会長を追い返したんだぞ!しかも、姫の従兄弟だぞ!一年で一番可愛くて一番魔力を持っている姫の従兄弟だぞ!」


へー。沙耶ってスゲーんだ。

あのババアの孫だから魔力があるっつーのも頷ける。

確かにメッチャ可愛い部類に入るしね。


「沙耶の従兄弟とは知らず、さっきは失礼な事をしてスイマセンでした。私、金澤 茜って言います。」


健吾を無視し、俺に頭を下げる茜ちゃん

礼儀正しい娘さんじゃないか。


「苦しゅうない。タメ語で構わんよ。俺の事は好きに呼んでくれ。真島でも涼でもマーシーでもアバラボブでも。相川さんもね!俺も呼び捨てで呼ぶからさ」


茜と隣りの席の七海に言う


2人とも笑顔で返事をしてくれた



「でも、どーするんすか?生徒会とやり合うって事になったら、真島さんだけじゃヤバいっすよ!俺も力貸しますよ!」


「共犯者だと思われたらどうすんだよ。ま、生徒会がお前らに手ぇ出したらぶっ潰すけどな。」



俺のせいで巻き込まれたなんて事になったら夢見が悪いし、せっかく出来たクラスメートだからね。楽しく仲良くやりたいっつーの。

なんてちょっとクサかったか?



「真島さぁーん!俺達の事、友達だと!親友だと言ってくれてるんですね!?なんてデカい男なんだぁ!」


そこまで言ってねぇだろ!

本気うっとうしい!コイツ

健吾だけは生徒会にやられてもシカトしよう…

仕事中に指を切った。自分の血がまだ赤い事を知った。そんな月曜日。                        これがブラッディーマンデーかっ!!

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