その四十七 サキのためにも、みんなのためにも
「おや。炎が消えましたね。イブさんも倒れたみたいですし、先を急ぎましょうか」
紫色の球体を消して、手を下ろしたジャセイが部屋の出入り口へと振り返る。
その様子に、修道長と修道士の男は、心のなかで安堵した。とりあえずは、金髪の少女は殺されずに済んだのだから。
部屋の外へと出ようとするジャセイに、金髪の少女が、か細い声で言う。
「……待ち……なさい……」
無視して、ジャセイは外へ出ていこうとする。
金髪の少女は、止まろうとしないジャセイではなく、修道長と修道士の男に対して言った。
「修道長たち……このままでは、あなたたちもジャセイに殺されてしまいますよ……」
「「え……」」
修道長と修道士の男が戸惑いの声を出す。
金髪の少女の言葉に、ジャセイもまた、その場で立ち止まった。背中を向けたまま、問う。
「……ほう……なぜ私が彼ら二人を殺さなければいけないのですか……?」
ジャセイのもとまで、ずるずると床を這いながら、金髪の少女は言葉を続ける。
「そんなの……あんたがサトリのサキを殺すのに……修道長たちがジャマになるからに決まってるでしょ……」
その言葉に、修道長と修道士の男の目が見開かれる。修道長が困惑と驚愕の入り混じった声で言った。
「そ、それは本当ですか、ジャセイさま⁉」
「…………」
無言のままのジャセイの足元へと、金髪の少女がたどり着く。
「だから……サキのためにも、みんなのためにも……あんたをサキのところに行かせるわけにはいかないのよ……!」
弱々しい力で、金髪の少女がジャセイの足首をつかんだ。




