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異世界チートレイザー  作者: ナロー
【第三幕】 【修道会】

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その三十九 注意をひきつける金髪の少女


 長テーブルの上に置かれていた器具の表面に、ジャセイは手で触れていた。


「これは魔力によって火を起こす魔法具ですね。誰が、何に使ったのかまでは分かりませんが、この表面がまだ温かい。ということは、これを使った者は、ついさっきまでここにいたということになる」


 修道長たちが納得の声を上げるのと同じように、物陰で様子を窺っていた金髪の少女の顔が険しくなる。


 あの魔法具は、薬草の薬効成分を抽出する過程の中で使用したものだった。


 ジャセイが首を巡らして、室内を見回す。


「私たちが入ってきた以外に、この実験室とやらの出入り口はあるのですか」

「あ、いや……」


 あまりよく知らないのだろう、修道士の男は答えに窮する。それを見て取って、代わりに修道長が口を挟んだ。


「以前、修道会の慈善活動の一環として訪れたことがありますが、私の記憶が確かならば、出入り口の扉はあれ一つのはずです」

「そうですか……」


 言って、ジャセイはゆっくりと足を踏み出す。


「だとすれば、サトリたちはまだ、この部屋の中に隠れているかもしれませんね」


 長テーブルの下や、いろいろなものが詰め込まれている棚の隙間などに、視線を這わせて、なにものであろうと絶対に見逃さないというように。


 その足取りが、徐々に金髪の少女たちに近付いていく……。


「まずいわね……」


 金髪の少女はちらりと、黒髪の少女を見た。薬を塗って、飲んだとはいえ、黒髪の少女の足はまだ回復していない。肩を貸さなければ一人で歩くのは難しいし、走ることなど無理だ。


 それになによりも、たった一つしかない出入り口は、ジャセイたち三人の向こう側にある。


 このままでは、いずれ自分たちは見つかってしまうだろう。自分と少年はまだ助かるかもしれないが、ジャセイのことだ、黒髪の少女は……。


 金髪の少女は深く息を吸って、吐く。黒髪の少女と少年に向いて、


「あたしがあいつらの注意をひきつけるから、その間に二人は逃げて」


 覚悟を決めた瞳で、そう言った。




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