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異世界チートレイザー  作者: ナロー
【第三幕】 【修道会】

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その十九 忠告

『それはそうと、興味がわいた。貴様たちの名は?』


 魔狼の問いに、少年と仮面の剣士が答える。


「俺はケイっていいます」

「私はソナーだ」

『……ケイとソナーか……』


 魔狼がつぶやく。


 続いて、仮面の剣士も少年に尋ねる。


「そういえば少年、ずっと気になっていたのだが、その服装……もしかして、きみは異世界転移者なのか?」


 異世界転移という言葉を聞き慣れていない少年は、困ったように頭をかきながら、


「え、えーっと、よく分かりませんけど、この森のすぐ近くの街にいる知り合いからは『異世界の民』とかって言われてます」

「…………やはり、そうだったのか……」


 仮面の剣士が少しだけさびしそうな目になる。しかしすぐに真顔に戻ると、真剣な口調で少年に聞いた。


「絶対に助けたい人がいると言っていたな。それはもしかして、いまきみが言った街にいる知り合いなのか?」

「あ、はい、そうです」

「ならば、修道会には行かずにその薬草を採りに来たのは正解だった。助けてもらった礼に忠告しておくが、あの街の修道会とは関わるな。特に、ジャセイというチート能力者にはな」

「ジャセイ……?」

「やつはあらゆるチート能力者の中でも、間違いなくトップレベルだろう。私が知る限りでは、最強、無敵、そして不死身に近い力を持っている」


 ごくり、と少年がつばを飲み込む。仮面の剣士は続ける。


「なによりも、やつは目的のためなら手段を選ばない。やつが修道会に現れてからというもの、修道会も堕落してしまった」


 そして、「いいか」と、最後に仮面の剣士が言った。


「死にたくなければ、大切な人を殺されたくなければ、絶対にジャセイと、やつがいる修道会には関わるな」


 有無を言わせぬその言葉は、少年の心に刻み込まれた。


 感染症に罹り危機に瀕している黒髪の少女――サキと、その彼女のそばに寄り添って病の進行を遅らせている金髪の少女――イブの、二人の姿を脳裏に描きながら……。




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