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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

理 (異世界)

作者: セロリア

異世界、ここは魔王、勇者が競う世界であり、それとは別に、各国が魔力と融合した渡り理科学というモノを使い、爆弾の性能を競い、一時の平和を小国を除き、享受している世界。


今や日本、アメリカ、中国、フランス、ドイツ、ロシアの各国からこの世界にランダム国へ飛ばされた科学、物理学、生物学、医学、武術の天才達が居る世界。


しかし、その中で1つだけ小さな島がある。


面積は日本の四国程度。


この島はどの大陸からも離れているにも関わらず、豊かな暮らし、黄金に輝く仏閣が5つあり、五芒星の配置となり、5つの州に別れている。


五芒星の中心には、特区と呼ばれる広大な洞窟があり、洞窟の手前には黄金に輝く巨大な鳥居がある。


幅200m、高さ10mの穴の玄関に対して鳥居の大きさは幅333m、高さ333mである。


注連縄は、豪華絢爛であり、毎年決まった日時に変えられる。


各州では、ダイヤモンド、金、ラジウム、鉄、銅、アルミニウム、銀、石炭、石油、その他宝石類、ベヘリッド、オリハルコンもたまに採掘されている。


その作業は量産型ロボットらにより採掘されている。


特区ではいかなる経済活動は禁止されている。


各州8人ずつのお偉方、または代理の者が特区に入る事が許される。


許されるとはいえ、見張りは居ない。


信仰心だけが、揺るぎない掟となっている。


洞窟内には処女であり、巫女であり、まだ月経が来ていない女性のみ入る事が許されているが、入れる日は決まっている。


この島の名前はメランダ島。


メランダという名前の不死鳥が住む島であり、10年に一度、洞窟から出てきては、悪政の国々を滅ぼして周る。


10年に一度であり、その日のみ悪政を止めても、メランダには過去視がある為に無駄な行為となる。


人の過去を見るのではなく、空間の過去を見る為に誤魔化しは一切通用しない。


メランダ島の書類上の所有者は、転生者でない。


清らかな魂を持つ女性だけが、産まれながらに背中に炎の鳥の紋様がある、その者が所有者となるのだが、清らかな心を失えば紋様は消え、また赤ちゃんに移る。


その紋様が消える際、その者は焼死する。


この島の女性は全て気品高く、美しい人間ばかりであり、メランダ島出身という肩書きだけで、上流貴族のお嫁に行ける程である。


メランダ島の男性はというと、皆修行僧であり、逞しく、強く、それでいて優しい者達ばかりであり、メランダ島出身というだけで、上流貴族の婿入りとなる。


メランダ島から出ていくのは自由である。


しかし、一度メランダ島から正式手続きをし、出国した者は二度と帰る事は叶わない。


旅行も駄目である。


物資の輸出は全てロボットによる操縦で出来る為問題ない。


そんなメランダ島だが、侵略を受けないかというと、受ける。


この世界の理を無視する余所者達、即ち、渡り人らである。


最強スキルを授かり、無双する渡り人がよくよく勘違いをし、メランダ島で築かんと、勇み足でやって来る。


海里境界に浮かべてある看板に戸惑うが、侵入するのだ。


その瞬間アラームが鳴り響き、許可ない日時の場合、男達はロボットに乗り込み、飛行発進する。


ドラゴン、船、潜水艦のどれかで来た渡り人にまずはスピーカーで警告。


それでも進む渡り人。


渡り人らしき人物だと確認した後、それを島に報告。


島の住民の巫女少女が洞窟に入り、急いで洞窟内の管理室にある、特別スピーカーで不死鳥様を呼ぶ。


不死鳥は普段は裸の中性の人間の姿で寝ているが、スピーカーで起こされ、不機嫌ながらも地上へテレポート。


地上へ現れた不死鳥を見た人々はすかさず土下座。


不死鳥は静かに見据え、人差し指から〈ポウ〉とレーザーを発射。


渡り人のバリアの干渉を受けずに渡り人の頭が蒸発。


不死鳥は次いで、小さな火の玉を手首の動きだけで投げ、マッハ3のスピードでドラゴンか船に当たり蒸発。


潜水艦の場合はプラズマの火球を潜水艦の直前方に造り、突っ込ませ、消す。


そしてまた洞窟にテレポートし、寝る。


そんな平和な日常が過ぎ、不死鳥見廻りの年月日が来た。


豪華な着物を炎で表現し、ゆっくり島を飛び立っていく。


その姿を土下座で見送る人々。


約3日かけて世界を回る。








メランダ島300海里地点。


カーリン空母艦長「離れたぞ、さあ、仕事の時間だ、状況開始、状況開始!」


潜水艦600隻。


空母40隻。


戦闘機800機。


一時期平和協定を結んだ世界が結集した軍力、メランダ殲滅作戦、自由の夜明けは状況が開始された。


カーリン空母艦長「目標、洞窟破壊か、洞窟内にある、それらしいモノの破壊だ!こっちにゃ、世界最強の渡り人の人達もついている!負けねえ!いけいけえ!ゴーゴーゴーゴー!」


ピーーーーーーーーーーーーーーーーン



視界が。



突然真っ暗になったような、そんな感じがした。


生物の本能が何かを叫ぶ、レーダーから、顔を上げ、甲板が見える前強化ガラスを見る。


甲板には、右手に男女の頭の髪の毛部分を持った不死鳥の姿があった。


6つの頭部が見える。


カーリン空母艦長「あ・・」


心臓の音で耳が破れそうだ。


死体の頭部は最強の渡り人らのモノだった。


カーリン空母艦長「あ・・ああ!!全艦こうげ《ジュ》


カーリン空母、その周りに存在した空母艦、潜水艦は一瞬にして蒸発し、波が低くなり、戻り、ぶつかり、高くなり、津波が発生。


その津波の上部分をレーザーで消し、不死鳥はまた飛んで行った。


各国を周り、首脳ら、取り巻きらを蒸発させ続け、各国の渡り人らは土下座をし、震えながら通り過ぎるのを待った。


巨大なタンカーに命令され作っただけの研究者、資料、機器類を乗せ続け、メランダ島へ連れてきた。


メランダ島はこうして科学の発展の速度を増すのだった。






特区に入った不死鳥は暫く洞窟の上で日向ぼっこをし、日が落ちて来たら、洞窟に入っていく。


小さい巫女が後からててててと付いていく。


不死鳥「何かよう?」


少女の頭に直接聞こえる。


少女「・・」


何も言わずにもじもじ。


不死鳥「一緒に寝る?」


少女はパアッと顔を赤らめ、勢い良く頷いた。


不死鳥「そう、おいで」


不死鳥と手を繋ぎ、階段を降りていった。


不死鳥の手は、ゆらゆらしているのに、熱くない。


普通の広場みたいな少し開けた場所が、上の方にあったが、通路がない為、少女が飽きたら帰れないからと、階段の踊り場で寝転がる。


不死鳥「さ、おいで」


少女は不死鳥の胸に丸くなり、お日様の匂いに包まれた。


不死鳥「私はもう起きないから、お腹が空いたらお帰り」


少女「はい」


不死鳥「・・」


少女「・・」



少女は3時間寝た後、お腹が空き、ペコリとお辞儀をしてから、ててててと階段を登って行った。


不死鳥はその様子を薄目で見た後、飛び、本来の自分の寝床へ着地し、また直ぐ眠った。
















こうして今年は特に慌ただしいイベント年となった。


メランダ島以外の大陸達の様子。


一見何も変わらない穏やかな町並み。


川も。


船も。


家々も。


そのままで、穏やかそのものだ。


だが、町の人達はいつもこの日は、不死鳥祭で踊り、騒ぐのだが。


皆、酷く落ち込んでいた。


街は静まり返り、静寂そのものである。



が。


街町を見下ろす「王族の土地」


そこに沢山あった城、屋敷が全て蒸発している。


基礎部分がちらほらあるだけだ。


《オオオオオオオオオオオオ》


その基礎部分の柱に王族、渡り人らの首が刺さっている。


子供も、大人も、執事も、渡り人男女の首もある。





街のおやじ1「何だってこんな愚かな事を・・」


おやじ2「渡り人だよ、最強みたいなスゲー奴が来たんだとさあ」


おやじ3「本当に救いようがねえ」


おやじ4「ああ、全くだ、本当に馬鹿だよ」


おやじ5「直ぐ殺られたらしいぜ?戦闘機から見た奴がおらの友人の友人でよ?見たってんだよ」


おやじ3「あにをよ?」


おやじ5「そりゃおめ、不死鳥様よ!何か人が燃えてるような、そんなお姿だったらしいぜ?」


おやじ1「伝承通りだな、んで?」


おやじ5「最初に前飛んでた戦闘機が全部やられて、そいつ頭良いから直ぐに脱出した訳よ!んなら案の定直ぐに乗ってた戦闘機がやられて、黄色い人が飛んでたのを見たってんのよ、んで、消えたと思ったら、爆発が聞こえてよ、見たら、沈んでいく空母の甲板で、渡り人の男一人が居たらしいんだよ、渡り人の腕の中に体に穴が空いてる女の死体があったらしいんだよ、んでよ、睨み合いに一瞬なったと思ったらよ、次の瞬間には、渡り人の腹にでっかい穴が空いててよ、渡り人の男の口が何か緑に光ったんだけど、何の変化もなくてよ、そのまま、膝を甲板に付いてよ、睨むような姿勢になったんだとよ、んならよ、次の瞬間によ、不死鳥さまのレーザーがよ、渡り人の胴体を真っ二つにしちまってよ、べちゃって、腹が甲板に着地してよ、もう・・あっという間だったらしいぜ?」


おやじ3「まあ、当然だな、不死鳥様の火は、回復魔法じゃ治らないって聞いた事あるしな」


おやじ4「ああ、おらもそれあるわ、らしいなあ」


おやじ5「でもよ、無実の罪で捕まってた王女居たじゃねえか、シャズム王家の次女だよ」


おやじ2「多分無実だろうって言われてたポリーナ姫か?」


おやじ5「そのポリーナ姫、生きてるらしいぜ?」


おやじら『!?まじで!?何で!?』


おやじ5「何でも不死鳥様がよ、蒸発させちまう前に救い出したんだと」


おやじら『・・』


おやじ1「まあ、本当に無実だったっつー事だな」


おやじ2「長女の悪巧みだったと」


おやじ3「やっぱなあ、そうだと思ったよ」


おやじ4「ポリーナ姫どこよ?」


おやじ5「まともな渡り人に匿われてるって噂だぜ?」


おやじ2「んなら良かったな!」


おやじ3「ああ、ほっとしたぜ」


おやじ5「つまり不死鳥様を殺そうとした王家の悪い奴らは全員死んで、良い王家の生き残りがまた一から造るって訳だ、解決じゃねえか?」


おやじら『意義なし』


おやじ5「明日やるか?祭」


おやじ1「流石にねえよ」


おやじ2「一応俺達民草にゃ優しい政治だったんだ、まあ、色々チョビチョビ態度悪い時もあったけどよ、でもよ」


おやじ3「そうだな、滅ぼされる程じゃなかったな」


おやじ4「渡り人が強かったばっかしになあ・・勘違いしちまったか」


おやじ5「・・んなら、祭は無しな、また10年後か、おらはもう死んでるかもな!?わはははは」


おやじ4「あに言ってやがんのかねえ、この飲んだくれは、お前は後30年は生きるよ馬鹿たれ!がはははは」


おやじら『がははははははは、わはははははははは』
















夕方。


メランダ島。


洞窟外、鳥居内で踊っている巫女達の輪に、起きてきた少女が混ざった。


《ポポン、ポポン、シャアン、シャアン、ホー~ーン》

太鼓、鈴、琵琶、笛の音がリズムよく鳴り、巫女達が周りながら踊る。


男はそこには居ない。


不死鳥から救出された軍人らの女性らがうっとりとモニター見学している。


美しい少女達が舞続ける赤い世界。


夕暮れ、赤と白色の巫女達が赤い炎を囲み、金色の鳥居の中で輪で踊り、周る、幻想的な世界。


《シャアン、シャアン、ポポン、ポポポン、ホー~~オオーン、シャアン、シャアン》


《シャアン》










誰しもが憧れ、畏怖する島。


この世界の理。








《END》


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