始まり
あなたは守り続けているものはありますか?
それは家族でしょうか?、友人でしょうか?
それとも大切な約束?
守ることは良いことです。
それを守ることで何かを失わずに済むのなら………
どうも俺の名前は神刀 龍馬だ。今日から高校生だ。第一魔法高等学校に入学する。
「フッ!ハッ!ヤァァ!」
今は、日課の素振りをしている。
毎朝道場で5時から6時まで、出来るだけ振っている。俺の家系は千年以上続く侍の名家らしい。そのため、神刀流という刀の流派の道場をやっているんだ。でも《魔粒子》が見つかってから、道場を建て替えたらしく、今では刀だけでなく、剣や弓、薙刀等の武器が揃っている。もちろん魔法を練習する場所もある。
「龍舞!6時だよ、ご飯だって」
俺を呼びに来たのは俺の幼馴染ってやつだ。刈矢 真弓という。
家が隣で親同士が仲がいいので、俺と一緒に毎朝基礎練習をしている。
俺は刀を使っているのだが、真弓は弓を使っている。小さい頃俺の真似をして刀を使ったことがあるらしいが、どうやら合わなかったらしい。身長は164cmで高いほうだ。ちなみに俺は175cmある。スリーサイズの詳細は知らないが、言っちゃえば大きい、何がとは言わないが。
「おう、今行く」
その前に汗拭かないとな。汗臭いまま飯なんて食えるかよ。
「おっやっと来たか龍舞」
リビングについたら話しかけられた。
「遅くなった。ちょっと集中しすぎた」
「熱心なのは良いことだ」
この人は俺の祖父の神刀 龍之介だ。
俺の名前は祖父から取ったって父親から聞いていてる。ちなみに俺の親は仕事で両方いない。父母ともに強いからな、忙しんだろう。それなりに有名らしいし。
「ほら、ちゃんとお食べ」
「ありがとうございます。美夢さん」
「ありがと!ばぁちゃん」
「フフッ元気ね二人とも」
毎朝ご飯を作ってくれるのは祖母の神刀 美夢だ。優しさの化身だと思っている。だけど、日課を忘れたり約束を破るとすごく叱られる。あのとき誓った。
絶対にばぁちゃんを怒らせないと。
「「「「ごちそうさまでした」」」」
「真弓。外で待っててくれ」
「早くきてよね。毎回遅いんだから」
「分かってるって」
「分かってないから言ってるのに…」
「ばぁちゃん、じぃちゃん行ってきます!」
「おう、頑張れよ」
「頑張ってね」
じぃちゃんとばぁちゃんと別れ、待っててくれている真弓のところに行く。
「今日は早いじゃん」
「流石に初日に遅刻するのはな」
「それを毎日続けてください」
「頑張ります……」
他愛のない話をしながら俺たちは、学校へと歩き始めた。