さあ、ゲームを始めよう
「えーと、まずは起動して...」
よっと。お、ヘッドマウンド型か。一番高いやつだとリクライニング付き高機能チェアー型とかあるらしい。まあ、高いんだが。
頭に装着してベッドに横になる。起動すると、音声と共に文字が現れた。
『生体登録を開始します。しばらくお待ちください』
ちゃんと起動されたようだ。昔のVRよりも格段に使いやすくなっているらしい。楽しみだ。
『完了しました。《humanoid spread》を開始しますか?Yes/No』
もちろんYes。
選択したとたん、景色が暗転した。再び明るくなると、ゲームのなかで目の前に魂?みたいなのがいた。
「こんにちは。プレイしていただきありがとうございます。ここでは初期設定を行います」
「っ!これ喋るのか。あなたの名前は?」
「私は管理AI2番、タームともうします。設定を開始しますか?」
AIね。2番ってことは他にもいるのか?まあいいか。
「はい。まずは何をすれば?」
「ここでは名前、容姿のみ設定を行います。なお、容姿はゲーム内で一段階進化をしてから適用されます。ゲームの仕様上、ステータスや初期スキルは一段階目の進化時に各自で設定していただきます」
あー。このゲーム、進化しないと何も始まらないからなあ。公式によると最初の進化は難しくないらしい。
「進化前の容姿ってどうなってるんだ?」
「このようになっています」
おおっ。ホログラムが現れた。ふむ、進化前は顔のない人形みたいになってるのか。あれ?この時点のステータスはどうなんだ?
「初期のステータスは全員統一となっております。このステータスは、最初の進化時にリセットされます」
心を読まれた!?違うか。察して答えてくれるなんて優秀なAIだな。
「名前の設定にはいります。名前を入力してください」
リールでいいか。昔から使ってるし。
「容姿の設定をします」
「これってリアルの顔をいじったりできるのか?」
「可能です。行動の問題上、リアルとかけ離れた身長にすることはできません。性別は自動的にリアルが反映されます」
じゃあ少し自分の顔をいじる程度にしよう。髪の色を茶色にして、肌を白めに、目の色は青でいこう。よし、完了。
「ありがとうございました。これで設定は完了です。これからゲームが始まりますが、ランダムスポーンとなります。
最後に、運営から。あなたがたは自由に行動することが出ます。様々な組み合わせをし、ぜひ、楽しんでください」
「もちろん。じゃ、始めてくれ」
瞬間、また世界が暗転しーーー
「あ、あれ?動けない」
...ん?ナニコノゴツゴツしたの。
え?まさか
「バグったああああ!!」