表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

乳首消失歴108年より

残酷な描写アリってか、下品な描写しかないっていうか……。

王がいた。

「光よ去れ」

すると、乳首が消えた。

 つまり、〝謎の光〟の消失である。

第一日目である。

 これぞまさしく神の所業。人々は王に感謝した。

これであの煩わしい光ともおさらばだ。もう我々を邪魔する者は何もない。

男も女もなく、皆が服を脱ぎ捨てパンツ一枚で野を駆ける。我らに恥ずべき恥部はないと。

 笑う男、泣く女、揺れるおっぱい。

 世界は平和になったのだ。

 

 時は流れ百数年余――。

 人々は幸福を享受しているかに思えた。

 しかし。

 ああ、なんてことだろう。

 人々は渇望していた。潤すことのできない心の渇き。人々は必死で原因を捜した。

 そして、理解したのだ。

 そう、乳首がないのである。

 我々はなんて愚かな間違いを犯してしまったのだろう。

 乳首が確かに存在していたあの頃、謎の光によって乳首を視認することは出来なかった。だが、見えずともあったのだ。〈見えない〉というベールに優しく包まれながら、確かに乳首はあったのだ!

 見えないなら無いのと同じ? いいや違う。断じて違う。〈ある〉ということに意味があり、それをわざと見せないことで心の源泉を湧き立てる。

 人はかつて見えない神に祈りを捧げ、信じていた。神はいると。

 信じる心は魂を揺さぶる原動力だ。

 見えない乳首をあると信じていたあの頃。謎の光に阻まれ悶々としていた古き良き時代。そこには確かに心を熱く、魂を揺さぶる力強い人々の迸る精があった。

 ここは見えないことをいいことに、無いという可能性を限局してしまった悲しき世界。

 人々は涙した。先祖の愚かしき行動に。自分たちが何もできない歯がゆさに。王はチラリズム推進派だったにもかかわらず人民のために乳首を無にしたその慈悲深さに心を打ちながらも。

 

 だが、この絶望した世界に一筋の光明が見えた。

 約百年前、王が住んでいた城。その跡地で見つかっ羊皮紙の束だ。

 そこには『失われた乳首の取り戻し方』と書かれた見出しと、内容が書かれていた。



 失われた乳首の取り戻し方


 これを誰かが呼んでいるということは、私はもうこの世にはいないだろう。

 私は代々伝わる秘術を使い、乳首を消した。もうこの世に乳首は存在しない。

 あるのは底知れぬ悲しみと潤うことのない渇きだけだ。

 そのことに気付いている者が一体どれだけいることやら。

 いずれ皆気が付くだろう。

 乳首の尊さに。見えないことへの奥ゆかしさに。

 だから、私はあらかじめ用意しておいた。元の世界を取り戻す方法を。

 乳首を復活させる方法を。

 

 現在、世界には七つの巨大な塔が勃っている。一つの塔につき一つ、頂上の祭壇に『タマキンボール』と呼ばれる黄金の玉が置いてある。それを七つ集めよ。そして願うのだ。乳首のある世界を。

 私は願っている。乳首のある豊かな世界を。

 乳首に幸あれ。



 この内容は即座に世界に広められた。

 人々はこの事実に驚愕し、熱狂した。


 世はまさに、大乳首時代‼



エッチな体験談とかそういうのあったら教えてください。

童貞はカバディでもしてろ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ