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命の価値

暫くボーゼンとする。

だって仕方ないやん、

GPS拾っている事に、私の知っている世界との繋がりを信じているけど、流石に違和感が拭えない、、、、。


「トーコみょっもちちな?」

隊長がやって来た。


ピロン♪

[トーコチョットイイカ?]


先生、マイクで拾った音は勝手に訳してくれるようになった。


[「次はこの階層のボスだ、万が一も我々が負けることはない、安心してウェルシュの側に居ればいい、但しボスからは眼を離すな」]

とのことだ、

口調こそ、先生を通しているため素っ気ないが、隊長の顔を見れば呆然とする私を気遣ってくれているのだと分かる。

隊長優しい。


優しさに甘えて、足を引っ張るどころか、気苦労まで負わせるわけにはいかない、不確定な要素を妄想で練り固めて落ち込んでいる場合じゃない、せめて皆と町に付くまではこれ以上考えるのは止めようと決意する。

大丈夫、現実逃避は得意だ、、、、、、、、、。



その日は日が暮れるまで自由行動になった。


大小お姉さんズに猟に行かないかと誘われてついていった。



噴水から少し歩くと緑が目立ち始めた、小さな林などもある。


大姉さんの狩は小石を使う、5個ほど握り締め、獲物に向かって投げつける、

20メートル迄なら、大体一撃だ。

熊のような大型の動物が出た時は抱きついて、絞め殺していた。

(ベアーにベアハッグ、、、)

共有出来ない笑いを噛み締めた、、、、。




小姉さんの狩は獲物に手をかざす、10秒程手をかざすとその先の動物は、ピクピクと痙攣したかと思うとパタリと息を引き取る、、、、、


見た目血の出ない小姉さん狩は、スプラッタが無い分ホラーが満載だった、、、。



私は小さな弓を貸して貰った。

弓なんて触ることも初めてだ、

50本程矢を射って、ナマケモノのような獲物を仕留めた。


、、、、、機会があったら練習しよう、、、、、、矢を拾い集めるのが大変だ、、、、。



熊1 鹿2 ウサギ3 ナマケモノ1

多少は緑があるといっても基本岩場だそれを考慮すればなかなか良い収穫だと思う。

というか、冷静に考えてどうやって噴水迄運ぼうか、三人顔を見合わせて苦笑いする。

その時、何かに気が付いた小姉さんが崖の方を見てため息をつく、幸せ逃げるよ?


どうしたのか尋ねると、崖の上を指差す、

20メートル程の崖、軽めのオーバーハングを越えた先にある花が、とっても貴重な薬草らしい。


この3日、全く冴えたところの無かった私、

結構プライドズタズタだ。

こんな見せ場は次いつあるかわからない!

見たところたいした難所も無さそうだ。ルートも直ぐにイメージできた。


30分程待っててと、伝えて崖に近ずく

ポーチから、小袋に入れたチョークを取り出し、指につける、念のためカムギアもすぐとれる位置に。


するすると登り出す、下では終始小姉さんがなにかを叫んでる、


おっといけない、テンション上がりすぎていたようだ、オーバーハングが思っていたよりちょっとキツかった。

でもまぁ、あくまでちょっとだ。

凹凸する岩肌に足先と膝で身体を安定させる、両手を離して下げてブラブラと小休止。

一端静かになった小姉さんの悲鳴がまた聞こえた、


再度足場を確認して、軽くジャンプ、

頂上部に手をかけ、踵をかけ、身体を起こす。

オンサイト!!

やっぱり山は良いな。

久しぶりに少し自信が帰って来た。

ふと、下を見ると小姉さんが座り込んでいる。

なんだか、背後に黒い炎が見える気がする、、、、、、


ポーチに詰め込むだけ詰め込んで、降りる準備。

おっとその前に、ここからの景色を写真に収める。

高くても低くても登った頂からの写真は、私のささやかな日記代わりだ。


登りはじめてから丁度10分経過、

予定時刻まで後20分、なんとか間に合うだろうと、ハングに再びぶら下がったとき、全身がスーと軽くなる。

これは、昨日の浮いたときの感覚。

(ヤバイ)

慣れない浮遊感は、身体のバランスを奪う、次の体勢に移れない、

嫌な感覚と共に指が岩から離れる。

(落ちた、、、、)



フワフワと落ちる、


パラシュートよりもゆっくりと。





5分程で地面に降りれた。





「人を浮かせられるなら、簡単に取りに行けたんじや?」と聞くと、

これは、パラシュートみたいなもので落下速度を下げることしか出来ないらしい。

[「人は空を飛べません」] だって、

そりゃそうだ。

(これがあったら楽で良いな、結構楽しかったし、、、)

何て事を考えていたら、鬼の形相のお姉さんに散々怒られた、二度とこんな事しないでと。


一応、私はプロだからと

こういった技術をもって多くの人に出資してもらって生活してきたんだと、土下座しながら説明して何とか許して貰った、、、、、、。

ただし、小姉さんが居ないところでは絶対しないよう約束させられた、、、、。



噴水に戻り、ポーチから5株程の薬草を取り出して皆に見せた。4人共に目を輝かせて喜んでくれた、始めて役に立てたようで嬉しい。

なかでも隊長の反応が凄かった、爽やか系マッスルお兄さんのイメージだったのだか、どうやら物欲系も混じってるらしい、


[「トーコは凄い、素晴しい」]と、崇めんばかりの勢いで抱擁された。


(鎧脱いでもう一回お願いします、、、、、)


今は持ち合わせがないので町も戻ったら売ってくれないかと隊長が言うので、

「売るもなにも、ウェルッシュさんが見つけたし、私は取りに行っただけやし、迷惑もかけてるのでこれは皆さんで使ってください。何よりも救ってもらった命に比べればこれくらい。」と、伝えると

隊長一同、驚愕の表情。

そこまで言ってくれるのならトーコも含めた五人で分け合おうと、一人一株分け合った。



夜テントの中で薬草の写真を撮る、

先生の画像検索で調べてもらうつもりだ。

実は山頂で写真を撮ったときWIFIのアンテナマークの位置に違う記号がある事に気が付いた。

通常扇形に広がるマークだったのだが、今は4重の丸印が付いている。

否定はしていても、私自身ファンタジーに犯されてきている実感はある、、、

それでも、最悪の想定をした場合、先生でいろいろ検索できるとなると心強い。


「先生この花何かわかる?」


ピロン♪


[エジメイ草  エジメイ科 エジメイ属に分類される固有種です]


回答きた、、、、、、。

うれしいような、悲しいような、複雑な気分だ、、、、、、


「えっと、どんな効能の薬草なの?」


ピロン♪


[治療及び修復:一定の魔学処理の後、抽出された液体に幹部を浸すことにより、10時間から24時間で裂傷及び欠損部位を修復することが出来ます]


聞きたくない、ファンタジー語、、、、


気を取り直す。


「えっと、相場とかわかる?」


ピロン♪


ポソクレジットが起動する、


所持金 0ps

所持資産金 24248500ps

所持経験値 16000exp



え、、、、、、


いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、、、、、、



資産が2400万増えてた、、、、、




「私の命、お釣りきそうだわ、、、、、、。」






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