どうせ馬鹿です
やがて泣き疲れて眠った小姉をベットに運び、私達はその寝室の隣の居間で机を囲む。
結果として、国の中枢を丸ごと制圧してしまった。
ドクガ国はこれで滅亡した形になるのだが、生活する国民が居る以上ほって置く訳にはいかない。
「さて、現在街の有力者やシャンク共和国から国営に詳しい者を呼び寄せたりしておりますが先ずは誰が国を治めるか、大筋で決める必要があると思いますわ。」
新たにアプリで購入したコーヒーを飲みながらキャバさんが話し出す。
どこかでひっそりと泣いたんだろう、目が充血し腫れぼったい。
ボタンさんは王が言っていたように首だけで発見された、魔法で防腐処理が施されたそれは瑞々しく、安らかな顔をしていた。
泣く姿も見せず、ボタンさんの埋葬も部下に頼み、民のためと休まず働くキャバさんに
かける言葉が浮かばない。
ただただ、頭の下がる思いだ。
「それこそ町の人にきかんでもいいん?」
「戦勝者は我々ですわ、なので我々の見解を纏めた上で市民と話をすり合わせるのですわ」
なるほどそういうものなのかと、感心する。
まぁ、もっとも私には無関係の話だ。
「とは言え、選択肢があるとは思えませんが、ご本人の確認を取るだけだと考えてよろしいのですか?」
キャバさんと共に合流したチャルさんが言う。
「私もそう思いますが、見落としが合ってもいけませんわ。何か意見が御有りでしたら忌憚無くお聞かせ頂きたいですわ」
そう言いながらキャバさんが皆を見回す、特に意見は出ないようで皆首を振る。
「あなたも何か意見がありましたら遠慮なく聞かせて頂きたいですわ、その言葉であなたの今後の扱いが変わることは有りませんので心配無用ですわ。」
そう話を振られたのは、私の後ろで縛られたまま首筋に剣をあてがわれている魔法使いの人だ。
先生に引き続き色々と買い揃えて貰っているのでここまで連行されてきている。
「と、とんでも御座いません。私はただトーコ様に忠誠を誓うだけで御座います」
猿轡を外された魔法使いがそんな事を言う。
(なんか私の名前がでたけどどういうこと???)
不意打ちのように私の名前が出て頭が直ぐに回らない。
「それでは、旧ドクガ国勢力一帯はトーコ様に収めていただこうと思いますわ。よろしければ拍手をお願いしますわ」
キャバさんが立ち上がり宣言した。
同時に皆も立ち上がり私を注視し拍手する。
魔法使いの人ですら、縛られた腕の指先で懸命に拍手しようとしている。
「ちょ、ちょっとまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁっぁ!!」
立ち上がり、両手を前方に突き出して皆を制止する。
「まっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ
たく、意味がわからへんねんけど????」
静かになった皆がキョトン顔で視線を向ける。
その顔は私がするべき顔だ。
「わたし何もしてへんよね?捕まって足引っ張っただけやし、そもそも、、、揉め事の原因私やし、、、、、」
ことの始まりは隊長が私を守ったからだ、私が居なかったら隊長もボタンさんも命落とすことは無かった、その私が国を収めるとか全く意味が分からない。
若しくは罰ゲームの類なんやろうか、、、、。
「起こった揉め事の結果に対する責任をトーコ様が感じる必要はありませんが、原因があると仰るのなら尚の事トーコ様が収めるべきだと思いますわ」
やっぱり、罰ゲームの類の様だ。
原因作ったんだったら、最後まで面倒見ろと、、、、、、、
初っ端から痛いところを突かれた、罰を受けるのは構わない、でもこれは違う、人への迷惑が大きすぎる、、、、、。
「いや、でも、、、、ほら、国営なんて何したら良いかわからへんし、完全な素人やで?」
「心配御座いませんわ、実際の運営にはその道の物が行いますわ。トーコ様は全体の流れだけを見ていただいて、言葉にして頂ければ下の者が実行しますわ」
「いや、でも、、、、ほら、そもそも見る流れがなんなんかもわからへんし、、、」
「心配御座いませんわ、トーコ様が学ばれる間ぐらい下の者で最低限国は回りますわ。」
「いや、でも、、、、ほら、そもそもキャバさんが国を取り戻すために戦ってたんやから、キャバさんが収めたらいいやん!うん。」
「私達が求め戦っていたのはグンリテスン聖王国の聖域、ドクガ国全域を求めて戦っていたわけでは有りませんわ。それに関しては後ほどご相談させて頂こうと思っておりましわ」
「あかんて、ホンマに、、、、ほなアレやキャバさんが、この国の収めてくれへんかったら、聖域収めることも認めへん。うん、そや、この国のトップからの命令や!!」
「トーコ様、流石にそれは矛盾していますわ、、、」
キャバさん呆れ顔。
「そもそも何で私なんよ!」
追い詰められてる感が半端ない、声が少し涙声だ。
「そうですわね、1つはこの城を制圧したのはトーコ様のお力だからですわ」
「はい!ダウト!!!それおかしいよ、私捕まってただけよ!!!」
「ダウ、、、、、?ですが、5頭のバルザヤの力が無ければ、今日この城を落すのは不可能でしたわ」
「あのバルザヤは私とは関係ないです!」
本心としてはもっと関係を築いてモフモフしたかったが、、、、、
バルザヤたちは王の死後いつの間にか帰っていた。
「あのバルザヤを連れてきたのは、トーコ様ね配下である先生とピャーチですわ」
「配下とちゃうよ家族よ、、、、」
言った瞬間、だからどうしたと自分からツッコミが入り言葉に詰まる
「せや!先生がやったらいいねん!!あたしよりぜんぜん頭も良いし!」
苦し紛れに言ってみる
[トーコ、、、、、、、、、、馬鹿ですか、、、、、、、]
激しく先生に呆れられた、、、、、
(馬鹿言うたらあかん、アホにして、、、傷つくから、、、、、)




