ボタンさんの声
暫く岩場が続く、隊長の声が掛かり一時停止する、時計は11時50分、小休止かな?
四人が空を見上げ何やら相談している、小姉さんにチョイチョイと手招きされる。
[ソロソロ昼食、
この位置なら半分程でボス部屋前にたどり着ける、
進路上の敵のみ撃破、
最大速で駆け抜けるが常にトーコのペースを確認するように、
トーコはコギーから離れないように、しかしけして前には出るな]と訳された
昼食だから、はしるの?
目的地が近いのに?
敵?
撃破?
先生翻訳の精度落ちてませんか?
意味不明なんですが、、、、、、
ピンときた!
(つまりはあれか、県境が関所みたいになってるんやね、んでお役所仕事。昼休みで通れなくなるってことやな!ご飯抜いて進もういうてんのに昼休み待ちぼうけはかなんな、オッケー任せて気合い入れて走るよ♪)
隊長に視線を送る、親指を立ててウインク♪
「足には自身がある、任せて」先生に伝えて貰った。
その時、
ピィーーーーーーーーーーー
と、耳鳴りが鳴る、それも超大音量
キャッ と思わず耳を防いで座り込んでしまう、
皆は少し顔をしかめているが平気そうだ。
「ちぬおトーコ、ひっなしむちめとちめえ」
大姉さんが、そう言いながら私の手を取って、引き起こすと同時に走り出した。
「ちよっ!」
慌てて追いかける、かなりのペースだが着いていけない速度ではない。
暫く走っていると トンッと、腰の辺りをタッチされる、
横を見ると小姉さんが、親指を立てて微笑んでいる、 「なかなかやるじゃない。」って感じだ。
移動速度に満足して貰ったのだろうか?
それよりも、その身長でこのペース維持できる小姉さんが、半端無いです、、、、、。
「ぬすぼ!!!!」
ボタンさんが叫ぶ、
ボタンさんの声、初めて聞いた。
同時に五匹程の野犬が岩陰から飛び出してきた、
昨日の犬ほど大きくない、普段見慣れたサイズの中型犬だ、
ただ、額に円錐状のおできがある、、、、、
ボタンさんは刀を構える、
一振りで二匹斬り、返す刃でもう一匹切り飛ばした、
残る二匹は大姉さん、拡げた扇子の面で一匹を受け止めるそのまま扇子を絡める様に捻り身体の後に半周回して流し返した、飛ばされた犬は最後の一匹にぶつかり、二匹はただの肉になった、、、、
狂犬病だったのだろうか?
犬好きとしては少し可哀想、、、、、
変わり果てた元犬に気を取られていると、
「キシャァァァ」と、何かが啼く、デカイカラスだ、既に目の前だ、
「やばっ!!」
走る速度はそのままに目一杯身体を屈める、
、
、
、
、
、
、
おや?
イメージ通りなら頭の上をカラスが通り抜ける筈なのだか、その気配はない。
チラッと上を見る
再び「キシャァァァ」と、カラスが啼く
目の前にいたんじゃ無かった、遠近感がずれる程でかいんだ、、、、、
今度こそ降下してくる、
ズンズンズンズンありえない大きさになっていく、
ぬばっとした汗が吹き出してくる、
脇汗半端ない、
(うぅ~わ)
カラスの足が私を掴もうと迫ってくる、
その足だけで既に私よりデカイ、、、、、
また今日も生命詰んだ、、、、
(二日連続生きることを諦めざる得ない状況って、、、、青春してるわ、、、、、)
その時
目の前に大きな陰が割って入る。
颯爽と現れた芸術的な脊柱起立筋、
(隊長!!)
巨大な金槌をカラスの足めがけて振り抜く、
パンッ と音を立てて消滅する足、
そのまま何かを呟きながら、掌をカラスに向ける、そして掌から怪光線、、、、、、?
目も眩む光と共にカラスの大部分が音もなく無くなった、、、、、、