私の鞄はアイテムじゃない
ゴーゴロ先生ごめんなさい
力及ばないとか舐めてました。
片言のやり取りになってしまうが、それでも何とかコミュニケーションがとれた。
素敵すぎますゴーゴロ先生。
まずは巻き込んだことを謝った。
助け合わないとここでは生きていけないから、当然だと、気にすることはないと言って貰えた、
それになにやらレアドロップとか言うのを拾ったらしい、
むしろ感謝するとまで言って貰えた。
皆優しい。
次に優しい四人の自己紹介をして貰った。
小さいお姉さんはウェルシュさん
回復及び補助魔法
大きいお姉さんはコギーさん
タンク
ボタンの人はベンさん
アタッカー
隊長はグローブさん
攻撃魔法兼アタッカー
苗字というのは王族の一部の人しか持ってないらしく
私も取り敢えずトーコとだけ名乗っておいた。
私の事も当然聞かれた、
私自身よく解ってないので、説明に難儀した。
ゴーゴロ先生も、翻訳に難儀したのだろう
終始四人は難しい顔をしていた。
大きいお姉さんの[皆色々あるんだ詮索は止めよう]みたいな言葉で私については終わりになった。
別に何が隠しているわけでもないのだけれど、、、、、
(長くいるつもりはないけど、言葉だけは覚えなあかんな。)
そう言えば、職種なのか社名なのか趣味なのかは分からないが、四人とも名前の後に付け加えた一文が、ゴーゴロ先生の誤訳で意味不明なことになっている、
なんだったんだろう?
次の話題はこの場所について。
ペットーワ大陸のドクガ国にあるダンジョンの地下6階にあたるらしい。
空があるのに地下とかちょっと意味が分からない。
その程度の誤訳で怒ったりしないから、気にしないでねゴーゴロ先生。
人里までどうやっていけるか聞いてみた、
真っ直ぐ順調に行っても2週間はかかるらしい。4人はこのダンジョンの地下7階を目指している所らしく、後1ヶ月は進むと訳されたが、四人のこの装備で1ヶ月とか流石にあり得ない、長くても1週間の間違いだろう。
私はというと、このままほっておいたら確実に遭難するということで、会議の結果一緒に連れて行ってもらうことになった。
一度のアタックをするために多大な準備と費用が掛かっているため、簡単には引き返せないそうだ、
しきりに申し訳ないと言われたがその辺りは山と変わらない、当然の話だ。
大きいお姉さんに満面の笑みで、死んでも恨まないでねとウインクされが、連れていって貰えるだけで希望が見える。
途中で見捨てられても恨みませんとも。
ひとまず最低限聞くこと聞けたので4人にそれぞれ写真を撮らせてもらう。
元々名前を覚えるのが苦手なためアドレス帳に登録する作戦だ。
写真と言うのに馴染みがないらしく、やたらとざわついていたけどそこはスルーする。
隊長が取り出した透明の板に手を当てると、パーティー登録?が出来るらしい。
初めどうすれば良いのか戸惑っていたら、[ミタコトナイノカ?]と驚かれた、
写真とかでは見たことあるので、「見たことあるけど触った事はない」といったら、
複雑そうな顔をされた。
写真で驚いていたわりには、有機ELのタッチパネルとかなかなか進んでるじゃないか。
経験値がどうとか、レベルがどうとか、先生お得意の誤訳が付け加えられたが、
なんというかゴーゴロ翻訳の開発者さん、中2脳のような、ゲーム脳のような、趣味的なファンタジー翻訳混ぜ過ぎやと思うのですが、意訳すぎて何言うてるのかさっぱりです。
なんやかんやと、3時間程話し込んでいた、今日はここでキャンプを張ることにするらしい。
貴重な時間を取らせてほんと、申し訳ない。
キャンプの準備を始める面々を見てようやく思い出す、
私のザック、、、、どこやった?
記憶をたどる、広場に出た時は背負っていた、逃げ出したときは?
ブツブツうろうろしていたら、隊長がおもむろに腰の袋から見覚えのある鞄を取り出した、
「私のザック!!!」
ゴーゴロ先生の協力のもと、私の物であることを必死で伝える、犬の尻尾に引っ掛かっていたそうだ、いつの間に、、、?
いつも爽やかなイメージの隊長だが、この時は少し表情が暗かった。
「せたもそっる、、、、、、」
ボソリと隊長が呟いた単語を後で先生に尋ねると
[レアドロップ]と訳された。