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冗談みたいなほんとの話

「そう言えばトーコ様は何故あのような所に?」


私の事はある程度ボタンさんから聞いていたようなので今まで話題に出なかったのだが、、、、、、


(そこはやっぱり気になるし聞いて来るよねぇ、、、)


正直、皆を見捨てて逃げて来たと言われてもしょうがない状況なので言葉に詰まる、、、、、、

しかし、何か言わなければ進まないし、嘘をついてもバレたら後がややこしそうだ、

何より後ろめたい事はしていない、


でも、


罵声は甘んじて受け入れよう、、、




洗いざらいとは言っても私も詳しい話は出来ない、逃亡の経緯を伝える。


「嫌ですわトーコ様その様な冗談を、、、、、、、、」

笑顔を取り繕っているが瞳は潤んでいる、

卑怯者となじられることを覚悟し目をつぶり顔を振る、、、、、、


「情報を、、、、」

キャバリアさんの小さな呟きに誰かが部屋から駆け出していく


「一先ずトーコ様がご無事で何よりですわ」

思いがけない言葉に目を開く


「あら、どうされました?」


「いや、卑怯者とかって怒られる思ってたんですが、、、、それにキャバリアさんが追われてたのも多分私と間違ってやろうし、、、、」


この100年の間彼らは破壊活動等は一切行っていない、出来る限り武力以外での圧力で国を取り戻すべくロビー活動を続けてきた、そんな彼らを巻き込んだ事実も重くのしかかる。


「ご安心くださいトーコ様、私を追っていた彼らは平和維持活動部、間違いなく私達を探していた者達ですわ」


この国の軍組織には6種類の装備が支給されている、重鎧、軽鎧、ローブといった感じの物が、

対国内向けの組織と、対国外向けの組織に分かれている、

隊長たち探索班には例外的に決まった装備は無いがそれ以外の軍属者は皆6種のうちのどれかを着ていた。

私もその知識を持って隊長の家に来た兵とキャバリアさんを追っていた兵を同じ対国内向け組織と判断したのだけども、それだけでなく更に細かな所属を胸元の線の色で区別されているらしかった、


キャバリアさんを追っていた兵はには緑の線が引かれていて”平和維持活動班”というテロ対策組織みたいなもので間違いないということだ、

一方、隊長の家に来た兵は組織の役割上同じということは有り得ず、恐らくは赤色の”国民保護班”と言う警察組織みたいなものだろうと言うことだった。


「私達から先に攻撃をした事は有りませんが、彼らは50年以上前から見に覚えの無い破壊活動を私達の仕業に仕立て上げ指名手配しておりますわ。何人もの同胞や無関係の方が捕らえられまともな審議も行われず処刑されております、正直今は武力解決を望む同胞達を精一杯抑えている状況ですがドクガ国との緊張状態はずっと続いております、捕らえられた同胞を救出する為に何度も戦闘したこともありますし、今更巻き込まれたと言える様な状況ではありませんわ。」


見回すと脇に控えるチャールズさんとスパニエルさんも”うんうん”と頷いてくれている、

考えてみれば、姫様と呼ばれる人があれだけ鮮やかに敵を倒す術を持っているのだからそれなりに日常的な出来事なのかもしれない、、、、、。

少しだけホッとした。


「それでトーコ様。コギー様とシャンク共和国で合流する約束だそうですが、シャンク共和国内でも武力行使の機運が高まっており両国とも非常にピリピリしています、国境を越える事は無理だと思われますわ、同じ理由で兄も恐らくここに顔を出すでしょうしどうでしょう暫くここに留まられては?」


確かにレーダーも真っ赤に染まってた、あそこを突破するのは大姉達でも辛いだろう、そうするとボタンさんの伝手で一度ここに来る可能性は十分考えられる、、、、


「一応、装備が整えば山を越えて行こうかと思ってるんですけど、他のルートは有ったりしません?」


「山越えは不可能ですわ、数こそ多くありませんがあの山々には竜や大熊が生息しています、遭遇すれば単体でもベンやコギー様位でないと倒せませんし、竜は基本群れで行動しています。

一般的に竜1匹討伐するのに1000人で一軍とし、5割の被害で倒した将は英雄と言われますわ。」


「うはぁ、それはまたファンタジーな名前が、、、、、、、、、、」

キャバリアさんに会ってなかったら確実に山に入ってた、逃げずに助けて本当に良かった、

情けは人の為ならずってのは本当だった、、、、


それにしても大姉もボタンさんも1000人で倒す魔物を一人でって、、、、神様のバランス設定のセンスを疑う、、、、


でもまぁ、それを考えるとあの程度の包囲で二人が負けるとは考えにくい、1000人いた様には見えなかった。

考えないようにはしていたが信じる根拠を貰えた様でうれしい。




暫く考えるが名案は浮かばない、安全第一の先生はキャバリアさんの提案に大賛成だ。

まぁ数日もすれば大姉とも合流出切るだろうと、暫くここでお世話になる事を決める、

その後は出された果実酒等を飲みながら日付が変わる頃まで雑談を続けた。


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