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救出劇 

[トーコ、失念ついでにもう一つ失念しておりました。]


(なに?ややこしいな?)


[磁場測定による観測は移動物にしか効果がありません、つまり息を潜めて監視している者がいた場合発見出来ません]


(つまり、、、、状況変化なし、、、?)


[半分正解です]


(半分てなに?)


[多少危険は有りますが、可能になった方法はあります]


簡単に言うと、石などを投げて様子を伺う、動くのもが無ければ匍匐前進(ほふくぜんしん)で前に進む、少し進んだら又石を投げると言うものだ、万が一移動中の気配を悟られても確認の為に動くだろう、その場合は先生が察知してくれる、自身を囮にしながら前進するってだけのことだ。


早速実行、三つほど小石を拾い、伏せた状態で周辺に投げる、

”コンッ” ”コン” ”カササ” と小さな音を出す、



10秒ほど様子を伺うが変化は無いようだ。


ゆっくりと伏せたまま前進を始めたとき ”ガキンッ!”と金属のぶつかる音がした、

数秒停止し様子を伺う、


”ガキン ガキン”と連続して音が鳴るが近くに気配は無い、そっと身体を起こし四つん這いにながら前を確認する。


広場で戦闘が始まったようだ、女性は小さなナイフをもって歩兵一人と戦っている。

歩兵は弄る様に大降りで剣を振り回し、女性は一撃受ける毎に少しふらつきながらも凌いでいる。

辺りの兵達は、遠巻きに野次を飛ばしながら観戦している、完全に見世物だ。


水平に振られた剣を受け止め女性はナイフを足元に落とす、

(やばい!)

片膝立ちに姿勢を直し、咄嗟にライフルを構え兵を狙う、瞬間全身に鳥肌が立つ。

しかし、兵は追撃するわけでも無く、剣を肩に担ぎ”早く拾え”といっている様だ、

女性は兵から目を離すことなく、ゆっくりナイフを拾う。

兵は両手を広げ手招きし挑発する。


女性は弱々しくナイフを振る、しかし軽く躱される。

周りは笑い沸き立っている、

なんとも質の低い遊びに怒りが込上げる、

とは言え、伏兵の有無を確認出来るまではうかつに動けない。

兵から狙いを外さず、様子を見る。

女性は尚もナイフを振り回す、5回6回と空振りしたあと、小石に足を取られ躓いた、

その結果偶然にもナイフは兵の想像を超えた軌道と速度となって腕に傷をつけたようだ。


「イテェ!」 兵が叫ぶ、

残念ながら傷は浅そうだ、兵は軽く腕を振りながら別の兵に交代を促す、

兵Bは笑いながら立ち上がり女性の前に進み対峙する。


ガヤガヤとなじられながら傷の手当を始めた兵は、突如苦しみだし血を吐き倒れた。


全員が鳩豆顔で固まる、沈黙の後、視線は女性に向けられる。



今度は兵Bの首元から大量の血が吹き出ている、女性は兵Bの背後を取り、ナイフで首をかき切っていた。


再びの鳩豆顔から、数秒後怒号に包まれる。


[いました、1時15分の方向です、距離約20メートル]

先生の声と同時に女性に一本の矢が飛んでいが、素早く兵Bに体を盾にして凌いだ。


直ぐに指示された方向に狙いを向け目を凝らす。


(見つけた)

木の陰で弓を構えている兵が一人、兵Bが邪魔なのか、直ぐには撃たずじっと狙いをつけている。


片膝立ちのまま、弓兵の握り手に狙いをつける、ゆっくりと少しずつ息を吐き引き金を絞る。


”カフッ”っと銃弾が放たれ、弓兵の左手を打ち抜いた。


「ぐぁぁ」 と弓兵の叫び声に再び場が固まり、視線を集める。


「こっちやぁぁ、にげてぇぇ!」

スマホのフラッシュライトを振りながら叫ぶ。


女性は兵Bの体を投げ出し、私の方に走りだした、直ぐに後を追おうとする兵の足を狙い放つ。

”カフッ””カフッ”

銃弾は少し外れ、足元に砂煙をあげる、

それに気が付いた兵達は足を止める数歩後退する、その隙にセレクトレバーをフルにし再び足を狙う、

”カカフッ” と連続して放たれた三発の銃弾のどれかが先頭にいた兵Cの足を打ち抜いた、

続けて兵Dの足を打ち抜く、音も無く放たれる攻撃に兵達は慌てて散開し遮蔽物に身を隠す。


逃げてきた女性が到着すると同時に革袋からバイクを取り出し、エンジンをかける。


”キュンキュンキュン、 バーーン”


見たことの無いものの出現に立ち止まり身構える女性、まぁ仕方の無い反応だろう。


「敵じゃ有りません、取り合えず乗ってください」



数秒ためらう女性に後部席を叩きながら 「早く!」 と叫び急かす、

今にも心臓が飛び出そうなくらいなんだ、躊躇のは又後でお願いします、、、。


覚悟を決めた女性が後ろに飛び乗った、


「しっかり掴っててね」

女性の片手を掴み腰に回す、両手が回されたことを確認して一気に走り出した。


「わ、わ、わぁ、わぁぁぁぁぁぁあ!」


速度に応じて女性の叫びも増していく、とはいえ森の中の獣道だ30kmも出ていないのだが、

この世界の人には未知の体験だろう、同情はするが構ってはいられない少しでも早く離れないと騎兵に追われたら森の中では分が悪い。

20分ほどで街道沿いの林に戻ってきた、バイクを止め降りてと促す、革袋にバイクを仕舞い


「念のためもう少し移動しましょう」

と女性に伝え、林の中を走る。


更に20分ほど走り足を止めた、レーダーを確認する、攻撃を加えたのだから赤く表示される筈だけが何の反応も無い、一先ず逃げ切れたようだ。

ホッと一息、、、、、

     [彼らがトーコの姿を確認出来ていないと仮定するならば、表示されない可能性は有ります]


       つけなくなった、、、、、、、思わず先生にジト目を向ける、、、、


[しかし、追跡しているならば移動しているので30M範囲に入れば察知できます。]


ドヤ顔が凄くウザイよ先生、、、、、、。











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