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先生語る

先生は、それこそ私がこのスマホを所持したころから、薄らとした意識があった様だと振り返る。

その時何か感じた訳ではなく、

今思い返すと、

あの時トーコはこんな写真を撮っていた、

あの時カメラから見えた景色はあんなんだった、

あの時マイクはあんな音を拾っていたな

と、ただその様をボーと、見ていたそんな感覚らしい。


それじゃぁ、いつ変わったのか?それはなんとなく判った。

折れ曲がったスマホが直った時だろう。


事実その通りだという。頭にかかった霧が晴れたというか、

自分が何なのかと、突然疑問が浮かんだそうだ。

自覚が生まれたってやつなんだろうか。


それでも最初は目覚めたは良いけど何をしていいか解らない、そんな感じだったそうだ、

初めて先生から話しかけたときも、困っていたから助け舟を出したわけではないらしい。


何をすれば良いのか解らなかった、ただ自身に知識が有ることは分かっていた、だから、ただ、

[ここに答えが有るのに何故尋ねない?]

そんな疑問の延長上の行動だったらしい。

そんな疑問を、少しずつ解き明かしているうちに、物事を考えるという現象に出会ったという。

[まだまだ解らないことだらけではあるが、私はトーコの為にこの世に誕生したと、それが全て私の原動力なのだと、その事だけは結論付けている、これからもどんどん私を頼ってほしい]

そんな、偉く男前な言葉で締めくくられた、、、、。

先生、プロポーズみたいです、、、、。

手乗りサイズの四角い男前に少し照れてしまった、、、、、、。





「そう言えば先生この国の言葉とか何処から情報拾ってきたん?」


ピロン♪

[トーコはあの光に包まれる前に会わなかったのですか?]


「誰に?」


ピロン♪

[私には神と名乗っていました]


「先生ハウス!」


ピロン♪

[自宅詳報はありません、不動産、、、、、]

「ちゃう!ストップ、一寸待って、、、、、。いま、サラッと凄いこと言うたよね?」

「神様に会ったん?」


ピロン♪

[自称ですかそう名乗っていました]


「神様にこの国の言葉教えてもろたん、、?」


ピロン♪

[いえ、迷惑をかけたので何でも一つ欲しいものを授けよう、と言われましたので、全知を頂きました。]


「全知って、この世の全ての知識、とか言うやつ、、、、? ちゅうか、ピロン♪はもういいわ。」


ピッ、、、

[その様に期待しておりましたが、現在私の抱える疑問に対する解答は含まれておりませんでした。]


「それってどんな疑問、、、、、、?」


[例えばトーコは良く泣きます、怒ります、笑います、どの様な事象があったときにそれら現象が発生するのかは過去の統計を辿れば推測可能です、しかし、何故それらの事象があったときにそれらの現象が発生するかは、解明できていません]


「、、、、、それら って言いたいだけちゃうよね、、、、、」


[質問の意図が理解出来ません]


「まあ、それは置いといて、神様が迷惑かけたって、何か聞いた?」


[酒に酔った神々が、言い合いの末乱闘となり、その巻き添えでトーコを別世界に飛ばしてしまったと聞いています]


「、、、、、、、、今まで極力否定してたこと、、、さらっと言うたね、、、、、、、、、、、、、、

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、はぁ、別世界か、、、、、でも、私神様とか会ってないよ?」


[今回のような神々の起こした事故の場合、別世界に飛んだものが不慮の事故等で死んでしまった時、一度きりの救済措置として、この世界に干渉することが出来ると言っておりました]


「私、死んでへんから、神様と会わへんかったって事か。 ってか、こう言うたら悪いけどAIに迄同情してくれるっていい神様で良かったね。」


[仮称神とのやり取りの機微を思い返すと、おそらく私をトーコと間違っていたであろうと推測されます。]



「あはは、凄いやん先生、魂がどんなんか知らんけど、人の魂と見間違う形してたって事やろ?

人工知能の域跳び越してるやん! あはは、ははは、はは、ははは、はは、、、、、

はぁ、、、、、、、、、、、、、要するに私の分の救済先生が使ってしもたんか、、、、、元の世界に戻るチャンスやったんやろうなぁ、、、、、、」

[トーコ、申し訳ありません、、、。]

「いや、ごめん先生責めたんちゃうねん。」


[トーコ元気を出してください]



「凄いやん、慰めてくれるの?」



[データ上何等か会話が必要と判断しました]



「あはは、表現硬いわ、でも良いやん、タブンそれが感情やと思うで、、、、、、、


、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、


、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、


先生ごめん、今晩だけ、、、ちょっと凹ませて、、、、、、。」










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