今日の天気は石時々悪魔
(ひび割れに股を裂かれるなんてそんな間抜けなことしませんよ。)
小姉さん何かと心配性だ。
小姉さんの居る方に、トトッと駆け出す。
ズガーーン
轟音と共に後ろからの風圧に軽く飛ばされる、
(ええええええぇぇぇえ)
さっき居たところに鍾乳石?が突き刺さっている、
ズガーーン
少し離れた所にもまた落ちた、
ズズズガガーーン
と、あちこちに落ちてるようだ、
「ひぎゃぁぁぁぁぁあああ」
と、乙女に相応しくない悲鳴をあげながら小姉さんに向かって走り出す、
途中、真横に落ちて、また飛ばされそうになる。
「無理無理無理無理無理無理無理っ」
何かを殴ってる訳じゃない、走ってるだけだ、
自前の蛇口から水漏れだけは、最後のプライドで回避した。
涙と鼻水にまみれながら小姉さんの所まで到着した。
ガシャンッ!
再び頭上で音がする。
「びぎゃ!」と、叫び頭を抱えて座り込む。
「トーコみわん、ふのひんまんひふによ」
ピロン♪
[トーコ、スコシユダンシスギ]
神々しい笑顔の小姉さん、、、、
天使の背中から悪魔の羽が生えた瞬間を見た気がしました、、、、、、。
ガシャンッ、ガシャンッ、ガシャンッ
頭上には鍾乳石が降り続いている、お姉さんバリアーで守られているようだが、気が気じゃない、、、
[「トーコちゃんは私たちが絶対護りきる、けど護られる方の協力も無かったら護れないんだよ?たとえ離れた所の事だとしても、戦闘が始まったら集中して」]
返す言葉もありません、、、、、、。
一方で石像様vs三人の戦闘は続いてた、
落下物に対して、ボタンさんはヒラヒラかわす、むしろ落ちてくる石を足場にしてる、、、、?
大姉さんは扇子をちょいと石にあて、僅かに角度を変えて避けている、意外と技巧派だ。
隊長は頭上でハンマーを回す、ヘリコプターだ、
ガシガシ砕けて岩が飛び散る、、、、、
砕けたといっても、人の頭位の大きな破片、弾かれた事により加速してあたり一面にばら撒かれる、、、、、隊長それ、とても迷惑です、、、、、。
そんな真後ろから飛んでくる破片までも扇子でちょいとかわしている、
大姉さん凄過ぎる、、、、。
一通り石の雨が降り終わると三人は再び仏像様に襲いかかる、
ボタンさんが、素早い動きで翻弄し的を絞らせない。
地味に刀で石像様切ってるように見える、、、、、石だよねあれ、、、、、?
その間に隊長が仏像様の足をハンマーで叩き砕いて行く、その光景はまるで、解体工事現場だ。
石像様の足が削られていく、流石にイラット来るらしく、石像様は足で隊長を振り払う、
何とか隊長を踏み潰そうと2歩3歩と、足を進める
そこで、大姉さんが開いた扇子を一気に閉じた
キャキーーン!!
鉄と鉄が激しく一気にぶつかり合う音だ、離れた私の耳までおかしくなりそうだ。
それは石像様も同じな様で、一瞬きょとん? とした後フルフルと首を振る、
そして音源のお姉さんを睨み付ける、
でもそうしている間に、ボタンさんが気になりだす、、、、、、。
もちろん石像様には目も耳も表情も何もないので、私がそう感じたというだけなのだが、
石像様はその繰り返しでだんだんと小さくなっていく。
「ふあぁ~~」と誰かがあくびした、私もつられてあくびが出る、ハッとわれに返って小姉さんチラリみる。
(小姉さん思いっきり油断してるやん、、、、、)
小姉さん苦笑い。
あれから、3時間ほど解体工事を遠巻きに見ている、椅子がほしい、、、、。
一時間に一回位、私たちの光が弱くなるので、その都度光を分け与えていた、
小姉さんの仕事はそれだけだ。
30分に一回くらい三人が交代して水を飲みに来る、その都度私は水筒を手渡す、
私の仕事はそれだけだ、、、、、。
石像様はついには頭だけになった、それでも5メーター以上はありそうだ、
隊長が大姉さんに肩車してもらい、、、、、ヨジヨジと石像様の頭に上りだす、、、、少しかわいい、、、、。
上りきった隊長は再び一心不乱に掘り出した。
時に豪快に、時に繊細に、、、、
工事現場から発掘現場に様変わりした現場を今は真横で見ている。
顔だけの石像様は手も足も出ない。
赤い何かがキラリと光ると隊長の手が止まる、ハンマーをおいて素手で砂を掻き分ける、
硬いところはハンマーの柄でコツコツと優しく叩く、そうしてようやく 赤い玉を掘り出した。




