力の意味
キャンプで遅めの昼食を食べて、宿に戻る頃にはすっかり日も落ちかけていた。いつもの癖で時計を確認しようとしたが、叶わなかった。愛用の時計は右腕と一緒に吹き飛ばされてしまったことを思い出した。覚悟を決めても、やはり失った腕を認識するのは辛い。
「……どうしたんですか、シドウさん。
やっぱり、出てきたのはマズかったんじゃ……」
「え? いや、どうってことはないよ。
久しぶりに外に出れてよかったよ、ホントに」
ささくれた心を隠しながら、無理に俺は笑顔を作って見せた。
その不自然さは二人も感じているようで、顔を見合わせて二人も不安そうな表情を作ってしまった。
(参ったなあ、二人をこれ以上心配させたくはないんだが……)
弱気に負けてはいられない。二人が安心して暮らすことが出来るような世界を作りたい。失った腕でも、掴める何かがあるはずだ。御神さんはそれを信じてくれた。
そのためには、まずこの失った右腕に慣れなければならない。真っ直ぐ立って歩くことくらいは出来るのだが、方向転換をしようとすると未だにぐらつく。急激に変わった重心に体感が着いて来ていない。まずはここから始めなければ。そう思った。
「……ん? あんたら、シドウに、それからエリンとリンド! 何でここに!」
巡回騎士の一人が、こちらに近付いて来た。思わず身構えてしまうが、そこには見知った顔があった。花村静音、カウラント島で二人を泊めてくれた女性騎士だ。
「静音さん、お久しぶりです。グラフェンにいたんですね、そういえば」
「もしかして、『帝国』からの難民に混ざってこっちに来たのか。あんたらは」
俺はこれまでの出来事を説明した。右腕を失うきっかけとなった戦いも含めて。
「……そうか、大変なことがあったんだね。何が出来るわけでもないけど……」
「いや、そうやって悲しんでくれるだけで十分ですよ。静音さん」
正直、初めのことを考えればこうして人のために悲しんでくれるだけで大きな前進だ。
「そう言ってくれると助かるよ。あんたの仲間たちも、ここにきているのかい?」
「クロードさんや尾上さんがこっちに来ていますよ。会っていませんか?」
「巡回警邏に回されてるんだ、分かるだろう?
こっちは下っ端、上と会う機会がない」
こういう時でも階級が厳密に守られている、ということを感じさせる一言だった。
それにしても、下々の人が上の人間に御目通りも敵わないとは。少し厳密に過ぎる気がする。とはいえ、そういうところを守らなければ組織は成り立たないだろうな、と思う。
「そう言えば、彼方くんとは話したんですか? 先にこっちに来てたって聞いてます」
「ほんの二言、三言ってところかな。急なことだったからね」
静音さんはいままでとは打って変わって、寂しげな表情をして言った。
「……彼方くんの出生のこと、静音さんは知っていたんですか?」
「アルクルスで大々的に演説してくれたんだってね、あの子は。うん、知ってるよ」
父を異にする姉弟。
母が選んだ、父以外の相手。
彼女はそれをどう思っているのか。
「静音さんと彼方くんのお父様は別、なのですよね。その、彼方くんは……」
「浮気で生まれた子供、ってわけじゃないよ。あたしと彼方は姉弟じゃないからね」
穏やかな口調でリンドの言葉は否定されたが、ある意味それ以上に衝撃的だった。
「あたしは母方の叔父、つまり彼方のお母さんのお兄さんの子供なんだ。
小さい時引き取られたから、実質的には姉弟みたいなもんなんだけどね。
彼方も多分、覚えてない」
「引き取られた、って。いったい何があったんですか、静音さん」
「こんな時代だからね。何でもあるよ。
小競り合いに巻き込まれて、村ごとボン、さ。
あたしが生き残ったのは些細な偶然か、あるいは呪いか……そういうもんなのさ」
静音さんの目はここを見ていながら、実際にはどこを見ていないように思えた。はるか遠くの光景、かつて失ってしまった本当の故郷に思いを馳せているようだった。
「それでも、いい気はしなかったけどね。
私のことをほったらかしにして男に熱を上げている義母さんが、なんだかすごく薄っぺらい存在に見えてしまってね。私を引き取ってくれたことには感謝している、けどあの人に尊敬の意志を抱くことは出来なかった」
「……かなりぼろくそな評価っすね、お義母さん。でも、彼方くんは別なんですか?」
「そりゃそうよ。生まれてくる子供に罪はない、って言ったらおかしいかな。
確かに不貞の末に生まれた子供ではあるけど、あたしには関係ない。たった一人の弟なんだ」
そう言って、静音さんは笑った。遥か遠くに行ってしまった弟に思いを馳せながら。
「……そうっすね。それに、きっとまた会えますよ。彼方くんとも」
「当たり前でしょ? あいつが会いたくない、って言ったって会いに行ってやるわよ。空の果て、地の底まで追いかけていってやるんだから」
彼女の決意は、どこか不吉に聞こえた。
もう二度と、彼方くんと会うことが出来ないような。そして彼女自身が、そのことを確信しているような気さえしてしまうのだ。
「……どうしたんだ、シドウ? 何か、変なことでもあったのか?」
「えっ! いや、何でもないんですけどね……それよりおかしなことでもありました?」
そんな内心を見透かされたのだろう、静音さんは俺のことを怪訝な目で見て来た。
「いや、特に何も。グラフェンはもともと鉄壁の要塞なんだ、アリの子一匹入り込む隙間だってないさ。ただ、この頃妙な事件が起きていたからね。警戒してたのさ」
「妙な事件? いったい、何があったって言うんですか?」
「最近、グラフェンでおかしな武器を使った事件が多発していたのさ」
彼女が言うには、掌サイズのL字の鉄塊を使った事件が最近多発していたという。犯行現場では甲高い火薬音のようなものが鳴り響き、物が壊れ、死傷者も出たという。
「それって、もしかしてこういうものを使った事件だったんでしょうか?」
そう言って、俺は鞄からスケッチブックを取り出した。やはり片手では持ち出し辛く、エリンとリンドの手を借りてようやくそれを取り出すことに成功した。かつてマーレン山周辺の村で起こった事件の際、俺が書いた拳銃のスケッチを取り出して見せた。
「……どうしてこのことを知っているんだ? グラフェンでも少数しか知らないはずだ。それに、こいつを回収したのも最初の一件だけだったはずなんだが……」
静音さんは訝し気な視線を向けてきたが、それは俺が差し出したものがズバリそうだと言っているようなものだった。俺は事件の情報を補足し、伝えた。
「向こうの大陸から流入してきた、ってことかしらね。迷惑な話だわ」
「こっちでも銃犯罪が起こっていて、それを止めることも出来ない、って……」
暗澹たる気持ちになる。世界を混沌だとか狂気だとかがゆっくりと覆い尽くしているようにも見えてくる。本当に誰かを、何かを守り通すことなど、出来るのだろうか。
「ま、ここんところは大人しくなってるからね。犯罪を犯すまでもない、ってことかもしれないけど。いまはこうして警邏をして、泥棒なんかがいないか見てるってだけだし」
「こういう状況でも、火事場泥棒っているんですか。なんか妙な気分っすね」
「こういう時じゃないと仕事にならないんだろ。させないのが私たちの仕事だからな」
背後で他の騎士たちが手を振っていた。仕事中なのだろう、呼び止めてしまったが。
「静音さんも、ここに残るんですか? あなたもここから離れた方が……」
「残念ながら、これが私の仕事なんでな。それじゃ、またな。シドウ」
どこか寂しげな表情で、静音さんは言った。そして踵を返し、仕事に戻って行った。
彼女も弟を気遣い、いまからでもここから離れたいのだろう。だが、それは出来ない。自分に課せられた使命、自分がやるべき仕事、それらが彼女にのしかかってくる。
大人になるってのは辛いことだな、と俺は思う。自分のすべきこと、自分がやるべきだと思うこと。それを覆い尽くすようにして、集団の中でやらなければならないことが出てくる。そしてそれは、時に個人的な目的とは相反することになる。我を通せば、それだけ多くの人が迷惑することになる。特に、人の命を預かる場合は。
(『真天十字会』なんてのは、我を通す連中の典型だな。あいつらの勝手のために、色々な人が迷惑してる。そして、それを屁とも思っちゃいねえんだから)
負けないでほしい。そう思う。自分を殺して他人のために尽くせる人が負けてしまうのならば、そんな人間はこの世界からいなくなると思う。それは善意の敗北だ。
「どうしたんですの、シドウさん? 思いつめた顔をしてらっしゃいますけど……」
「いや、どうってことはないよ。ホントに。
ただ、負けないでほしいって思っただけ。静音さんも、クロードさんも、尾上さんも。みんな、負けないでほしいって。そう思う」
「そうですね。『真天十字会』なんかに、みんな負けないでほしいですよね」
俺の言わんとするところはちょっと違ったが、概ね間違ってはいないだろう。『真天十字会』に彼らが負けるようなことがあれば、世界は遠からずそうなるのだから。
就寝の準備を整え、床に就いた。片手では着替えを行うことすら難しかったが、こんなことで他人の力を借りてはいられない。千里の道も一歩から、まず隗より始めよ。いまの俺に出来ることを、精一杯やっていくだけだ。例えそれがボタンを嵌めることでも。
「はぁ……数日の間にいろいろありすぎたな。ちょっと混乱して来た……」
ほんの一週間前まで、腕のない生活を送ることになるとは考えてもいなかった。いや、もっと言えば異世界に来るなんて考えたこともなかった。死に瀕した時に不思議な力が発動して、異世界に転移、なんて想像できる人間はよっぽどの暇人だろう。
転移してきた異世界も、俺の想像よりはずっと辛いものだったが。
「残った左手で何を掴めるのかな……教えて欲しいもんだが……」
掌をかざしそれを見る。
何かが透かして見えるかな、そんな歌詞があったなと思った。
俺の掌を透かして、木目の天井が見えた。
「――!?」
掌を透かして物が見えたのはほんの一瞬だった。目の錯覚か?
それにしては嫌にはっきり見えた気がする。
本当に手がなくなってしまったかのような……
「言っただろう、ここから先は通行料をいただくってな。驚いてんじゃないよ」
いつの間にか、俺は立ち上がっていた。
いや、立っているのか?
どうにも平衡感覚がおかしくなる。上下左右、どこが天でどこが地なのか、壁があるのかそれとも空なのかも分からない。俺の周りをいつの間にか満天の星が満たしていた。輝く世界、俺はいつかここに来たことがある。
そう、この世界に転移してきた、その日のことだった。
振り返っているのか、全身を回転させているのか分からない。とにかく、体を反転させた。そこには大柄なデスクにかじりつくようにしている一人の女がいた。
「ここで話が出来る時間もそれほど長くはない。だから簡潔に進めさせてもらうぞ」
ここはどこだ、お前は誰だ。そう言ったが、女の方は聞く耳を持たないようだった。俺の言葉を無視して会話を進めようとするので、俺もついに根負けして話に集中した。
「まずはおめでとう。お前は見事その力で、定められ運命を歪めてみせた。あいつの顔が歪むのを想像すると楽しいな。だが、気を付けろ。あいつはもっと歪めて来るぞ」
「あいつ? それに、運命を歪める? 何言ってんだ、あんた。俺は……」
「分からなくていい、むしろ分からない方がいい。その方が混乱させられっからな。お前はお前の望むままに動け。お前の望みが運命を歪めることになる。私はそれを心の底から応援し――そしてできる限りの支援をしようって言ってるのさ」
女の唇が般若めいて歪んだ。恐ろし気な口ぶりと表情に、思わず後ずさった。
「だが気を付けな。あんたの生命力は絶大だが無限じゃない。使い時を間違えりゃ、すぐにしぼんじまう風船みたいなもんだ。頭を使って戦いな」
「頭を使えって。俺は、この力について何も分かってないんだ。考えるも何もないだろ」
女は心底驚いたような表情をしたが、すぐにそれを戻した。
「何だ、分かってなかったのか。それであれだけ使えるってのは、天性かね」
「知ってるんなら教えてくれよ!
俺の力はいったいなんなんだ!
俺の全身を覆う、あの力はいったい何なんだ!
紫色の炎は!
どうして俺にフォトンレイバーが使える!」
「一気にまくしたてるなよ。混乱しちまうだろ。まあ、いいか……」
女はクツクツと笑いながら、面白そうに言った。
「私に会って帰りたいだの何だの泣き言を言ってくるのかと思ったら、力について教えろとか。逆に想像してなかったぞ、このパターンは。お前順応し過ぎだろうが」
「あー……そう言えば、そういうこともあったかもしれないな……」
現状を解決することに腐心していたので、ここから帰ることをまったく考えていなかった。元の世界のことは、俺の中に一欠片も残っていなかったのだ。不思議なことだったが、しかし不快なことではなかった。むしろ勇気が湧いて来る。
「あの世界のことほっぽり出して、帰るわけにはいかねえ。元はと言えば、俺たちが持ち込んだ厄介事なんだ。それを解決するのは、同じ世界の人間の務めだろうが」
「はっ、まあいい。そろそろ分かってねえと不都合が出てくるだろうからな」
女は楽しそうな顔で話を続けた。
「まず紫色の炎ってのは何か。あれはお前の命が持つ力、生命エネルギーだ」
「生命エネルギー、ってことは……俺、命を千切って戦ってたってことか!?」
「最後まで言わせろよ。生命エネルギーは生命から生み出された力であって、命そのものじゃない。火力発電所じゃ火を使って電気を生み出しているが、お前の使っている電気は火じゃないだろ? そういうことだ、命という燃料で生み出された電気みてーなもん」
正直さっぱり訳が分からないが、ここで話の腰を追っていたら先に進まないだろう。俺は疑問をぎゅっと押し込めて、話を続けるように促した。
「前やってた紫色の炎を投げつけるの、あれは最も基本的にして、根源的な使い方だ。生命エネルギーを直接叩きつける。熱でも電気でもない、純粋なエネルギー体を使った攻撃だ。故にあれはどんなものにも通用するが、エネルギー量に差があると効果がなくなるから気を付けろ。っていうか、お前の攻撃の大半はそんなもんなんだけどな?」
俺のエネルギー攻撃、あれが生命エネルギー? というかこの女、例えが火力発電所だの燃料だのと現代的過ぎやしないだろうか。なぜ《エル=ファドレ》の人間、だか神様だか知らないが、そんなことを知っているのだろうか? この程度のことが分からなければ神様なんてやっていられない、とでもいうのだろうか?
「さて、お前さんの能力だが、要するに願望を実現させる力だ」
「願望を実現させる……それっていったい、どういう……」
「この世界を平和にしたい、とか願うんじゃないぞ。お前の持っているエネルギー量全部使ったってそんなことは出来ないし、そもそも指向性が違うからな」
願おうとして慌てて止めた。願望を実現させる力、と言われても実感が湧かない。俺の願望が実現した経験などそれほど多くないはずなのだが。
「強くありたい、強くなりたい。その思いに感応して、お前の生命エネルギーが形を変えているのさ。もっとも、その出力がそれほど高くないんでかなり貧相なことになっているがな。他の《エクスグラスパー》と比較して……だいたい五分の一ってところかな?」
「はぁ……? それって、俺はかなり不利な状況で戦ってた、ってことなの?」
「まあ、だいたい私のせいなんだ。本当に申し訳ない」
殊勝なことを言っているような格好をしているが、どこまで本気で申し訳なく思っているのか分からない。むしろ、眉がピクピク動いているような気がするのは気のせいか?
「んで、何であんたがフォトンレイバーを使えるのか、というとだ。もちろん、魔力伝達形式が違うから本当はフォトンレイバーの変身機構を使うことは出来ないんだ」
「え、フォトンレイバーも魔力を使って動いてるんですか? あっちの世界のですよ?」
「あっちの世界でも魔力に近いようなものは存在してるの。話の腰を折らない」
怒られてしまった。やはり、大人しく話を聞いていた方がいいということか。
「言っただろう、あんたの強くなりたいって思いが形になった、って。恐らくフォトンレイバーを元々使っていたシルバスタとやらの姿を想像していたんだろうな。自身の肉体を無理矢理魔力海路に適合させ、疑似的な変身を行っていたのさ。放出系の能力と組み合わせれば、もっといろいろ面白いことが出来るかもしれないがな。そこは発想力次第だ」
確かに、背中のブースターや展開された追加装甲は――もちろん、元より貧弱だが――シルバスタが使っていてそれに酷似していたような気がする。
変身元が同じだからそうなるのだろう、と思っていたが、俺の方が変身元に似せようとしていたとは思わなかった。フォトンシューターもレイバーを元にしたと言っていた、同じようなものだろう。
「さて、あんたの力に関しての基本的な説明はここまで……次は応用編、なんだが……」
空間がバチバチと音を立てて光った。放電? 停電? 何かがあったのは間違いないが、何があったのか俺には分からない。世界が揺らめく。気持ちが悪い景色。
「っ■く、い■■探■さ■る■と思■■たがま■ま■早■じ■■え■」
白衣の女が何かを言っているのは分かる。だが、何を言っているのかは分からなかった。いきなり目の前に透明な遮音壁が現れたようだった。
続けて、世界を闇が包む。
否、闇が包み込んでいるのではない。俺の目の前に何かが現れたのだ。
それは、巨人。漆黒の巨躯を持ったそれは、辺りを覆い尽くす星灯りをも塗り潰しているようだった。かつて見たニア・ナイトメア以上の力を感じる。
漆黒の巨人が拳を振り上げた。それとほとんど同時に、俺の体が落ちていった。迫り来る巨人の拳、落ちていく俺の体。ほぼ等速で動く二つの物体の距離は永遠に縮まらない。
「気張ってやれよ、紫藤善一。燃料の燃やし方には気を付けるんだな」
唐突に、目が覚めた。
いったい今がいつか、何がどうなっているのか、一瞬分からなかった。辺りを見回すと、俺はいつもの部屋にいた。深い眠りについてはいたが、それほど長くは寝ていないのだろう。宵の帳は落ちていたが、空はまだ白みがかっている。
「はぁ……何だか、よく分からねえ夢を見た気がするな……」
夢の中のことは一応、はっきり覚えていた。
細部までは覚えていないが、あの女が言ったことくらいは覚えている。
生命エネルギーを操る力、俺のあるべき姿を顕現させる力、俺の願いに呼応し、現実を変える力。いままで傷の治りが早かったのは、この力のせいだろう。ならば、右腕を失ったままの現状さえも俺が願ったことなのだろうか?
あの痛みに耐え切れなかった俺自身が恨めしい。痛みから逃れたい、と願わなければ、トカゲのしっぽのように腕は生えてきたのだろうか?
とにかく、夕飯を食わなければ。そんなことを考えて、俺は部屋を出た。
(燃料の燃やし方に気を付けろ、か。どういう意味なんだろうな、あれは……)
最後の言葉の意味だけは分からなかった。考えようとしても、思考がまとまらなかった。空腹のせいだと思いたかったが、俺の頭が悪いせいかもしれなかった。




