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最弱英雄の転生戦記  作者: 小夏雅彦
すべての終わりと世界の始まり
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プロローグ:すべてが終わる一か月

 ウルフェンシュタイン攻防戦から一月。

 世界は『真天十字会』との戦い一色に染まっていた。

 とは言っても、それほど多く述べることはないのだが。

 戦況は完全に連合国有利に傾き、『真天十字会』の勢いはもはや風前の灯となったからだ。なぜ、このような状況になったのか。少し思い出して見ることにしよう。


 あの戦いが終わってからすぐ、楠さんは会議に招集された。今後の『真天十字会』との戦いの行方を占う、とても重要なものになるだろう、とみんなは考えていた。

 ところが楠さんが伝えてくれた情報は、非常に断片的なものだった。


「しかし、あんたは『真天十字会』でもかなり高位のポストについていたんだろう?

 投降してきた一般兵の証言からも裏付けは取れている。

 それで知らねえじゃ通らねえだろ」


 大村さんがドスを利かせた声で脅すように言うが、楠さんは涼しい顔だ。


「あんたはただ強いだって理由で、何も知らないガキを参謀にするのか?」

「そりゃあ、役に立たねえんならしねえだろうが……」

「そういうことだ。私は御飾りの幹部なんだ。組織の運営はガイウスが全部取り仕切っていたし、作戦参謀みたいなことは『発明家』がやってた。それに、こんな場所じゃ連絡も取りようがないから各隊長の独自裁量に任される部分も多かったんだよ」


 聞けば聞くほど適当な組織だ、『真天十字会』。

 これで世界を本気で取ろうと思っていたのだろうか?

 疑問符が浮かんでくる。何か別に目的があるのだろうか?


「あなたが組織運営に関わっていなかった、というところは信用するしかありませんね。では、知っている限りでいい。彼らについて教えていただけますか?」


 クロードさんはいかにも優しげな声で楠さんに問いかける。

 まるでいい刑事と悪い刑事だ。

 古い刑事ドラマでしか見たことがなかったが、案外ハマっているような気がする。


「……んだよ、シドウ。手前、二やついてんじゃねえぞ」

「いや、すいません何でもありません。で、どういうのがいたんですか?」

「あいつらの能力の詳細まで把握してるわけじゃない。そこんところは分かっとけよ」


 そう前置きして、楠さんは『真天十字会』の《エクスグラスパー》について語った。


「まず言うまでもないがボスであるガイウスだ。

 こいつの能力は重力操作……つまり、物体にかかる重みを操作する。

 近距離にいればいるほど効果が高まるが、結構広範囲まで届くみたいだ。

 一般兵じゃ近付いて行っただけでアウトだろうな」


 その身で能力を受けた俺が、一番その危険性は理解している。『真天十字会』との決戦が迫るが、あの能力をどうやって攻略したものだろうか? とはいえ、俺とガイウスとは本格的に交戦したわけではない。何か突破口があるかもしれない。


「次に『発明王』とか呼ばれている男、アルバート=エジソンてのがいる。直接戦闘能力は持っていないらしいが、銃器の製造工場と一緒にこっちに来たから重宝されている」

「どうやってあれだけの火器を持ち込んだのか、ずっと考えていましたが……まさか、こっちに製造工場があるなんてね。ある程度予想はしていましたが」


 クロードさんは呆れたようにため息を吐いた。こっちで武器を作っているのならば、少なくとも火力に関しては心配しなくてよかっただろう。面倒なことをしてくれる。


「んで、金咲光龍って爺さんがいる。

 陰気なジジイでな、私はあまり話したことがない」

「そいつに関しては、ええで。ウチらの方がよく知ってるからな」


 会議に参加していたハヤテさんは楠さんの言葉を遮った。ハヤテさんの姓は『金咲』だ。もしかして、その光龍という爺さんと何か関係があるのだろうか?


「みんながお察しの通り、金咲光龍はウチの爺さんや。死んだと思われていたんやけど、つい先日生存が確認された。『真天十字会』の手先としてな」


 ハヤテさんは吐き捨てるようにして言った。確執があるのだろうか。


「その光龍って人は、どんな人だったんですか?」

「銭ゲバ、ケチのクソッタレやね」

「身内からその評価貰えるって相当だと思うんすけど」

「そういう奴や、っちゅうこと。自分の技術を金に変えることだけを考えているような男で、やり口も汚い。汚れ仕事をかなり受け持っとったらしいけど、金にならんと愚痴っとった、っていうのは聞いてる。んで、任務中に突如行方不明となった」


 暗殺や何やらをして稼いでいた、ということか。表だって報奨を与えるわけにもいかない、という事情もあったのだろうが、やはり真田景義という男は人心掌握が下手くそだったのではないだろうか。出なければここまで造反者とか出さないだろう。


「あいつが『蛭子神』と呼ぶ能力は、肉体を変質させる力や。質量事態は変えられへんようやけど、腕を伸ばしたり、内蔵をドロドロに溶かして一個にまとめたり、人間とは思えへんようなことをする。切っても突いても死なん体の持ち主なんや」

「一度グラフェンで交戦しましたが、面倒な相手ですね。どう殺せばいいものか」


 尾上さんも、クロードさんでさえもあの男を取り逃しているのだ。

 能力だけにかまけているわけではない、相当な手練なのだろう。


「そして三石と私。十二人の《エクスグラスパー》のほとんどがもう死んでいる」

「お前がいなくなったってことは、実質的に残り四人ってわけか」


 大村さんは言ったが、しかし楠さんは首を横に振った。

 そう言えば彼は見ていない。


「まだ一人いる。ガイウスに危険視され、封印されてきた《エクスグラスパー》がな」

「十三人目、というワケですか。それはシドウくんが交戦したという?」

「そうだ。園崎美咲、あいつはそう名乗っていた」


 どうして美咲が、『真天十字会』のような連中と一緒に戦っているのだろう?

 訳が分からない。信さんと同じように、彼女は正義を愛する人間だったのに。

 楠さんの方も訳が分からず、困惑しているような様子だった。


「あいつが解き放たれ、敵に回ったってことがいまも信じられないんだ。彼女は本格的に行動を開始する前の『真天十字会』メンバーを倒し、ガイウスにもその牙を届かせた。だからガイウスが彼女を解放したことにも、彼女が『真天十字会』に協力しているという事実も、私にとっては解せないことなんだ」

「シドウくん、実際に交戦してみて、どうです? 彼女は何か言っていましたか?」


 そう言われてもさっぱり分からない。十六年間の記憶手繰って見てもさっぱりだ。


「『世界は歪んでいる、だから破壊する』。戦った時、あいつはそう言ってました」

「歪んだ世界、か。確かに、この世界の持つ歪みというのもあるかもしれませんね」

「けど、そのために人を傷つけていいはずがない。

 『救われることを当たり前だと思っている人間が許せない』って、そうも言っていました。けど、救いを求めている人っていうのは、自分の力じゃどうしようもないものからの救済を願っているんだ」


 理不尽に踏みつぶされる痛みはあいつも知っていると思った。

 同じことを思っていればいい、そう思っていた。

 けど、俺とあいつは袂を別ってしまった。


 こうなっては、戦うしかないのだろうか?

 俺と、あいつが。想像することさえ出来なかった。


「それとあいつが持っているもう一つの戦力、《ナイトメアの軍勢》について教えろ」

「詳しいところは知らねえよ。

 けど、あいつはこれはナイトメアじゃないと言っていた」

「どういうことだ。あいつらどう見てもあの化け物だろ?」


 確かに、あれが《ナイトメアの軍勢》でなければいったい何なのだろうか?

 未来世界の技術が作った生物兵器か何かなのだろうか?


 とは言っても、俺たちは《ナイトメアの軍勢》が本当は何であるのか、ということをまったく知らないのだが。


「だから言ってるだろ、詳しいことは知らないって。人間の生命エネルギーだか何だかを吸収してでっかくなって、あの化け物を生み出す装置だってことしか知らねえよ」

「そう言えばスラムであの結晶が手の中にめり込んでいのを見たんだ。んで、結晶を取り込んだ人がナイトメアに変わった。何か、知りませんか?」

「……より多くの生命エネルギーを取り込むためにより近い場所に潜りたがる性質があるってことを聞いた。恐らく、私たちがあそこで見たのはそういうことなんだろうな」


 生命エネルギーにより近い場所、つまり人間の中。吐き気がしてくる。


「一人一人があの化け物になる可能性もある、ってことだよな……」

「私は御免だな、あんな死に方は。死ぬんなら、人間として死にたい」


 俺はどうやって死ぬのだろう。

 そんな俺の考えをよそに、会議は続いて行った。


 ウルフェンシュタインでの戦いから数日。

 復興活動を手伝う俺は、立ち上る砂埃を見た。

 もしや、『真天十字会』の襲撃か。

 そう思ったが、どうやら違っていたようだ。


 様々な方向からやって来た彼らは、めいめい違った旗を持ち、馬を引いて行進していた。『真天十字会』の連中ならば、このような真似はしないだろう。


「あの旗、前の戦争で見たことがあるぜ。ありゃ、『帝国』貴族の旗だ。

 あっちは『南洋通商連合』の旗。おっと、クレインクインの旗もあるぞ。

 どうなってるんだ?」


 見張りの騎士さんは不思議そうな顔をしていた。

 『帝国』の名のある貴族や、『共和国』内である程度大きな勢力を持っていた独立都市の旗を持った人々がいきなり現れたのだ。何の前触れもなく。警戒するな、という方が無理というものだろう。


 彼らはお行儀よく門の前に整列し、そして喉が張り裂けんばかりの声で叫んだ。


「我々は『真天十字会』と戦うために馳せ参じた! 入城を許可していただきたい!」


 騎士さんたちは困惑した。そして、彼らの言っていることが嘘だとも思えなかった。


 彼らは武装していたし、そうでない一般市民も多く保護しているように見えたからだ。彼らはグラフェンで俺たちが経験したのと同じように、『真天十字会』によって焼け出されたのではないだろうか?

 そして、僅かな希望を持ってここに来たのだろう。


 伝令の騎士が城に向かって放たれ、そして少ししてから彼ら全員に入城の許可が出された。その護衛には俺も加わることになった。護衛と言うより、万が一の際に鎮圧を行えと言われているのだろう。一般装備の騎士にならば、俺の力もそれなりに役に立つ。


 幸いにも騎士、民衆の双方に不審な点はなかった。さすがに都市部で避難民すべてを匿うにはウルフェンシュタインの土地は足りない。城門前の大広場に彼らの多くは押し込められることになった。悲しいことだが、これ以上いい方法がここにはなかった。


 かつて威容を誇ったウルフェンシュタイン城、通称『真田城』はヴェスパルの放った炎によって焼け落ちた。幸い、内部で働いていた人々の多くは脱出することが出来たのだが、行政の中心を失ったため都市運営に多くの不具合が生じている。


「ウルフェンシュタイン城が落ちるとは。凄まじい戦いだったのですね」

「そちらの方はいかがだったのでしょう?

 不可思議な武器を使う敵が多くいましたが」

「我々の方にも、奴らは多く現れた。だが、精強なる騎士団の敵ではなかったよ。

 それほど数も多くなかったし、先に情報を貰うことが出来ていたからね」


 ある程度対策を立てれば、彼らは銃を持った敵に十分対抗することが出来ていた。それは、『真天十字会』の兵士が戦闘に関しては素人であったことも大きい。銃を持っているという心理的安心感が大きいのか、とにかく油断しやすいのだそうだ。そのため、通常の戦いであれば有り得ないような行為を平気でしてしまい、それが敗北に繋がっている。


 後々になって分かったのだが、それは騎士を擁さない村落部であっても同じだったようだ。彼らは危険な田舎で長く生活を続けて来た猛者だ、敵がたるみきっていると分かるや否や、計画を立て、彼らから武器を奪い取り、村を取り戻したりしたのだという。


 素人の軍隊を使って世界を征服しようとしたこと、それが『真天十字会』の失敗だ。


「えーっとそろそろ到着するはずなんですけど……あ、あそこです」


 俺たちの前に一件の建造物が現れた。

 幸い、そこは戦火に触れることなく形を保っていた。かつては真田景義の個人的な茶室として使われていた、純和風な建物だ。枯山水の中庭に、鹿威しの音が響いた。どこまで公私混同すれば気が済むのだ、あの男は。


 そして、その最奥に彼はいた。まるで、この世の皇であるかのように。


「お、お待ちしていました。遠いところをご足労いただき、ありがとうございます」


 彼の態度はいままでどおり、おどおどしたものだった。

 だが、彼の肩書は大きく変わっていた。『帝国』、『共和国』連合盟主。

 皇帝ヴィルカイト七世の忘れ形見にして、聖遺物を持つ神の化身。

 それがいま、花村彼方にのしかかっている『名前』だ。


「先帝には大きな恩がある。キミにそれを返せるのならば、私はこの命を賭けよう」

「先帝にはしてやられたな」「まあ、確かにその通りだがな」

「キミが『真天十字会』を倒す力を持っているというのならば、我々も協力しよう」


 こんな感じで、彼方に『謁見』を申し込んでくる人の数は少なくない。俺も、こうして彼らを通すのは初めてではない。どんどん世界は変わってきている。


「ご苦労だったね、シドウくん。彼らの護衛をいきなり頼んでしまって申し訳ない」

「それくらいなら、別に問題ないんすけど……えーっと、これで俺はいいっすかね?」

「ああ。後のことは我々で話し合う。キミはもう下がってくれて結構だ」


 そう言われて、俺は締め出されてしまった。まあ、あのまま部屋に留まっているつもりもなかったが。少しだけ枯山水と庭木を楽しんでから、俺は茶室を出て行った。世界は俺の歩みなど関係なく変わって行っているのだと実感する。


 変わったと言えば、彼方くんだ。実務の多くはフェイバーさんが担っているとはいえ、彼は積極的に会議に出席し、『真天十字会』との戦いを進めるために提言を行っているのだという。ほんの数週間前からは考えられないほどの変わりっぷりである。


 変わりっぷりと言えば、演説を行っている時の彼は正しく『人が変わったような』印象を覚える。ああいうアジテーションの才能も、皇に必要なのだろうか。


「よう、シドウ。また大変だったみたいじゃねーか、お前」

「お疲れ様です、楠さんこそ。こっちはおっちゃんたちを送っていくだけだから、特に何の問題もありませんでしたよ。そっちこそ、何か変なことでもあったんですか?」

「何てことはねーよ。デカい瓦礫がいくつかあっただけ。問題なく燃やしたからさ」


 楠さんはあれからみんなに『真天十字会』のメンバーであったことを打ち明けた。

 とはいえ、子供組以外はそんなことはお見通しだったわけだが。

 むしろ、彼女を泳がせ、協力者を追跡することによってウルフェンシュタイン攻防戦における被害を抑えたというのだから驚きだ。こうなってしまっては、楠さんは完全に道化だったことになる。


 正式に俺たちに協力を申し出てくれた楠さんは、貴重な投降者としてそれなりにいい待遇を受けている。『真天十字会』の隠し拠点についての情報や、現存する《エクスグラスパー》についての情報提供など、彼女がしてくれたことは多い。


「お疲れ様でしたわ、シドウさん。汗、かいておりませんか?」

「ありがと、リンド。んじゃあ、ちょっと水貰おうかな」


 まあ、一番いいのは子供たちが楠さんに懐いており、楠さんも子供たちの面倒を見るのを嫌がっていない、という点だ。敵組織からの脱走者に、人質になりやすい子供を預けることに難色を現した人も大勢いたが、しかし最終的には信用してくれた。


 現在、楠さんは軍へのアドバイザーめいたことを務める傍ら復興支援に参加している。彼女が街を傷つけたことへの、罪滅ぼしだと彼女は語っていた。彼女の能力は復興に、というか瓦礫の撤去に役に立っている。


 『相反する宝石(サファイアルビー)』、そう彼女が呼ぶ力の正体は熱量操作だ。出力という点ではごく単純なヴェスパルのそれには敵わない、だが彼女の力の強みは高低を自在に操ることが出来る、というところにある。凍える極寒も燃え盛る灼熱も、彼女の思うがままに作り出すことが出来るのだ。


 しかも、彼女が触れたものからも伝播させられるというのだから恐ろしい。そのため、彼女は拳銃を使い自分の能力を遠くへと運ぶことを好んでいた。大型の瓦礫も彼女の熱量操作を応用した熱衝撃破壊には無力なので、破砕作業には引っ張りだこだ。


「あと何週間かしたら、本格的な反転攻勢が始まるんだってな」

「ええ、そうなりますね。さすがに元仲間と戦うのは、気が引けますか?」

「バカ言え、そんなことあるわけねえだろ。元々忠誠心なんてものはなかったんだよ」


 楠さんは呆れるようにして言った。そうでなければ、ここにいないことは俺たちも承知していた。だが、その顔を曇らせ、ボソリとある人物の名前を口にした。


「ただ……美咲と戦うことになるってのは、考えてもみなかったがな」


 美咲。その名前を聞いて俺も複雑な気持ちになってくる。

 ただの幼馴染だった。少し暴力的で、何でも力に訴える傾向はあったが、それでも素直でいい奴だったはずだ。少なくとも、『真天十字会』の暴力に加担するような奴ではなかったはずだ。


「もしあいつと戦場でまた会うことになったら、お前はどうするつもりだ?」

「分かりません。そんな隙があるのか、そんなことが出来るのかは分からない。けど」


 俺は手を伸ばすしぐさをしてみた。


「あいつともう一回話してみたいんです。どういうことを思って、あいつがあんなことをしたのか。どうして『真天十字会』と一緒にいるのか。全部聞きます、納得出来るまで」

「もしあんたが納得できる答えがなかった時は、どうするつもりだ? もし美咲が力を楽しんで、あいつらと同じように、自分の欲望のためだけに戦おうとしていたら……」


 もしそう言う答えだったとしたら、俺はそれで納得する。あいつが心の底から考えて抜いて、そしてそれを選んだのだとしたら、俺はそれで納得する。だから。


「その時は俺があいつを倒します。幼馴染として、それが俺のやるべきことだ」


 突き出した手をぐっ、と握り締めた。

 元の世界で一緒にいた俺こそが、責任を取らなければならない。

 この手を血に染めてでも、あいつを止めなければならない。


 決意を固める俺の左手を、リンドが取った。彼女の方に顔を向けると、花が咲いたような明るい笑みを見せてくれた。彼女は俺と美咲が決着をつけることを望んでいる。そのために、事実を知りながらも黙っていてくれているのだ。


 俺は彼女の思いに応えてやりたい。

 どんな結末だって、受け入れて先に進みたい。


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