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茄子と恐竜とマンモスのダンス

作者: 相野仁
掲載日:2014/10/04

「ダンスは革命だ!」


 恐竜くんは叫びました。

 それを聞いたマンモスさんが答えました。


「いいや、違うね。ダンスとは情熱だ!」

 

 茄子さんはため息をついて言いました。


「どちらも正しくてどちらも間違っておる。ダンスとは生き様じゃ」


「はい、師匠!」


 恐竜さんとマンモスさんは背筋を伸ばして答えます。

 彼らが身動きすると大地が揺れました。

 どちらとも山もかくやという巨体なのですから仕方ありません。

 茄子さんは立ちあがると指を天を目がけてさし示しました。


「いくぞ、レッツダンス!」


 茄子さんが踊り始めると、恐竜さんとマンモスさんがそれに合わせ踊りはじめます。

 大地が激しく揺れて地面がひび割れ、周囲の木々が倒れていきます。

 それでも彼らは少しも意に介しません。

 全くもって迷惑な連中でした。


「恐竜さん、違う! もっとステップは軽やかに!」


 茄子さんがお弟子さんである恐竜さんを叱りつけます。


「はい、師匠!」


 恐竜さんは体重が数トンもあるのですから、軽やかなステップをしろと言う方が無茶です。

 しかし、恐竜さんは師匠の指導に従おうと必死でした。

 その結果、激しく大地が揺れて鳥や小動物達が逃げまどいます。


「マンモスさんはもっと腰を使って!」


 茄子さんは次にもう一人の弟子であるマンモスさんを叱ります。


「はい、師匠!」


 マンモスさんの体の構造的にこれ以上腰を使うのは不可能です。

 それでもマンモスさんは、師匠である茄子さんの指導に従おうと一生懸命でした。

 その結果、地面が陥没して緑が壊滅していきます。

 果てしなく迷惑な師弟トリオでした。

 一通りダンスの練習が終わると、師匠の茄子さんが言いました。


「そろそろ休憩しようか。上達する為には、休む事も大切だからな」


 それを聞いた恐竜さんとマンモスさんは、それぞれ休み始めます。

 恐竜さんがどっこいせと腰を下ろすと、地響きが轟いて地下から水が吹き出しました。


「踊った後の水っておいしいなあ」


 恐竜さんは嬉しそうにそう言って、ごくごくと水を飲みます。


「恐竜さんはダメだね。水はもっとスマートに飲むものなんだよ」


 マンモスさんはそう言いましたが、やっている事はどちらも同じです。

 その為、師匠の茄子さんにたしなめられました。


「そういう言い方は止めなさい、マンモスさん。我々は生きている以上、水が必要なのだから」


「ごめんなさい、先生。恐竜さんもごめんなさい」


 マンモスさんが素直に反省して謝罪したので、恐竜さんと茄子さんは許してあげる事にしました。

 茄子さんは地の割れ目の上へと移動し、全身で水を浴びます。


「ふー、極楽極楽じゃ」


 それから満足そうな声を漏らしました。


「先生、年寄りくさいですよ」


 恐竜さんがそうからかうと茄子さんは笑って答えます。


「だって私はもう年だもーん」


「そんな先生。先生にはまだまだ元気でいてもらわないと困りますよ」


 マンモスさんが困惑してそう言うと、茄子さんはからからと笑いました。


「安心せよ。ダンスを踊る限り、私はそうやすやすとは死なぬ。何故ならばダンスとは生き様だからじゃ!」


「さすが先生!」


「そこに憧れます! 尊敬できます!」


 恐竜さんとマンモスさんは、やんやと拍手喝采を浴びせます。

 「お前ら迷惑だからさっさとくたばってくれ」という、周囲の生き物達の願いなんてどこ吹く風です。

 今日も無言の悲鳴を踏みにじりながら、彼らのダンスの練習は続いていくのです。


「さあ、今日もレッツダンス!」


 その後隕石が落ちてきて、恐竜さんもマンモスさんも絶滅してしまいましたが、茄子先生だけはしっかり生き延びました。

 何故ならば茄子先生だからです。


「うーん、恐竜さんもマンモスさんも修行不足だったね」


 先生は残念そうにつぶやき、一人寂しく本日もダンスを踊るのでした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 初めまして、つまり我々人類は茄子師匠から進化した訳ですね、知らなかったです(棒読み) 人類史を塗り替える笑撃の事実発覚だwww こういう一発ネタは好きなんで、またお願いします^_^
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