第七章:雨の終わり
慶も傘をささず雨に濡れ葉月をじっと見ていた。
「もう・・戻れねぇんだよな・・・。」
いくら泣いても いくら嘆いても もう戻れない。過去の過ちを悔いても 何の意味ももたらさない
そんな事わかってるはずなのに・・・・
どうしてこんなに・・・・
涙が溢れて止まらないんだろう・・・・。
家に入ると、玄関には妹が立っていた。
とても真剣な顔をして、今にも俺につっかかってきそうだった。
「どうした?そんな恐い顔して・・・。」
俺がそう声をかけると、妹の顔はみるみる内に 泣き顔に変わった。
「・・そんなあっけなく終わっちゃうの?
あんなに・・・大切だったじゃん・・・。
お兄ちゃんの宝物みたいなものだったはずでしょ!?! そんな・・・こんな・・・あっけないの・・・?」
妹の顔から涙がこぼれていって、俺は胸を貸してやる事しかできなかった
なんでお前が泣くんだよ
大丈夫だよ・・・
また笑って会えるようになる・・・。
ありがとう・・・
俺の代わりに泣いてくれて・・・ー
それから季節は
あっという間に過ぎた。
試験や就職・・・
ほんと時なんてあっという間だな・・・。
俺達の卒業式は2月で まだ寒い中行われた・・・
三人共無事卒業で俺達は学校を出た。
もちろんあの雨の日から俺達は顔を合わせる事もなかった。
けど、今門を通った所で三人共立ち止まっていた
門を出た後の通学路は 三つの道にわかれている
普段は一つの道の方で
三人で帰る。
でも今日、三人共別々の道から帰る事になる。
結局葉月に゛好きだ゛と伝えられなかったな・・・・・・今日は俺達の終わりに ふさわしい 雨。
少しあの時の痛みが
舞い戻ってくる。
雨が雪へと今もし変わったら想いのすべて言葉になりそう・・・・・
哀しく笑った
あいつも君も俺も・・
それはなんて切ない強さ
傘が咲く三叉路で
「またね」
と別れた・・・
大丈夫・・・
もう涙は出てこない・・・。やっと・・・
歩き出せる・・・・。ー
fin
最後まで読んで下さってありがとうございます。携帯からの初投稿でまだまだ未熟な点がいっぱいあったと思います☆
私はテ〜マと言うものを決めてお話しを書いていきます。
今回のテ〜マは
「些細なきっかけから起こる悲しい過ち」
でした。
それでは次回作の
「始まりと終わり」も
読んでもらえたら嬉しいです☆
凛でした★




