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NEVER MIND  作者: 華月 凛
7/8

第六章:痛み

俺は次の日学校に行く支度していた。でもいつもより早く・・・下に降りるともう朝食はできていた。


相変わらず早いな

母さんは。


「おっ、涼か。

久しぶりに顔見せたな」

そい言ったのは出張などで家が留守がちの

父さんだった。


ほんとに久しぶりだな・・


「父さん髪薄くなってきたんじゃねぇの?」


「はは、久しぶりの第一声がそれか?

熱出したって言ってたから心配してたが・・

大丈夫みたいだな。」


そう言って父さんは

笑っていた。

でもすぐに新聞を畳んで家を出ていった。


「涼、今日は早いのね〜

だからこんな大雨なのかしら?

あぁ〜嫌だわ。」


「あのな、別に俺のせいでもねぇだろ〜が。

じゃ行ってくるわ」


「朝ご飯食べないの?!」


「ちょっと食欲ねぇんだ」

「・・・そう。

行ってらっしゃい。」


いつもうるさく文句を

言う母が今日は何も言わなかった。

やっぱり昨日の話し

聞かれてんたんかな?



学校の休む時間、昼休み、俺は他の男友達といた。

もちろん慶とも廊下で

すれ違ったけど俺は見て見ぬフリをしていた。


でも、いつまでもこんな風にしてたらだめだな

俺だっていつまでも

こんな・・・・

吐き気がする。


放課後

俺は携帯に電話を掛けた

「今日、俺ん家来れる?」


「・・・おう。」


「葉月は俺が呼ぶから。」

慶の声はかすかに震えていた・・・


「わかった。

涼・・・・ほんとにごめん。」


俺は何も言わずに電話を切った。

涼の゛ごめん゛なんて何年ぶりに聞いただろう・・・

俺は次に葉月に電話を

掛けた。

二回のコ〜ルですぐに

繋がった。


「涼?」


「俺以外にないだろ〜が」

「うん。そうだよね」


相変わらずの天然だな

それとも、もう俺から電話なんてないと思ってたのか?


「今日さ俺ん家に来て

欲しいんだ。

来れる?」


「うん、行く。」


「そっか。

じゃあ待ってるからな」

「涼・・ 」


葉月が何か言いかける前に俺は電話を切った。

どうせわかってる。

゛ごめん゛の一言があった事ぐらい・・・


そんな事聞きたくなぃ

頼むから思わせないでくれよ・・・・

お前らと親友じゃなきゃ良かったなんて思いたくない・・・・

いっそ・・・・・

出逢わなきゃよかった なんて思いたくない。


そんな残酷で悲しい事 感じたくないんだ・・・部屋の中には俺と慶と葉月がいた。

三人が円になるように

床に座って黙り込んだまま、もう10分も経つ。


「涼・・・俺達これからも

親友だよな?」


先に口をわったのは慶

だった。

これからも友達か・・・


「涼さ、去年のクリスマスの時バイトだったろ?

その時俺の家で葉月と

ケ〜キ食べたりしてさ・・でも・・・その後・・・。」


慶は言いにくそうだったけど、つまりSEXしたって事だろ?

まぁ、男女二人なんだよな・・・・一応。

葉月の初めては慶か・・・慶の初めても葉月・・・


って何考えてんだ俺は。

冬休みはバイトに明け暮れていたから気づくのが遅かったのか・・・・。


「涼・・・俺達ずっと親友

だよな・・・?」


「・・・・・・・・・。」


外は雨。

俺の心の雨もいつか止むかな?

心が痛い・・・・

いてぇよ・・・。


俺はまだ子供でこんな ささいな事や裏切りを 許せるほど大人にはなれなかったんだ・・

明日には雨もきっと上がるだろう・・・

そして僕はもっと強い はずだよ・・・

いつの日かまた笑って 会えるだろう・・・・

それが大人になること

NEVER MIND


俺の家を出て、二人は家に帰っていった。

二人の間にどんな話が されていたのか俺は知る事もなかった。


「葉月、家まで送るよ。」


「・・・ありがとう。

慶・・・・少し話してもいい?」


「あぁ。・・いいよ。」



「私ね、涼の事も慶の事も好きなの・・。

どっちかなんて選べないクリスマスの日はきっとどうかしてたんだと思う私・・・慶とは付き合えない。」


葉月の目に涙が溜まっていく・・・


「うん。葉月がそういう風に思ってるのはなんとなくわかってた・・・・」


葉月は歩く足どりを

止めた。

慶もフッとそれに気づいて、葉月の前の方で足どりを止めた。


「私達、ほんとバカだよね何してるんだろ・・・・」


葉月はドサッとその場から崩れ落ちた。

さしていた赤い傘も落ち座り込んだ葉月の体に 容赦なく雨が降りかかる

「葉月!?」


慶は心配してしゃがみこんで葉月に傘を差し出すでも葉月はそれを払いのけた。


「葉月・・・・?」


「涼もこんな気持ち

だったのかな・・・?こんな風に雨に濡れて、どれだけ痛かったのかな?

どれだけ苦しかったんだろう・・・・。」


葉月の大粒の涙も雨と一緒に頬を何度も流れた。

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