第二章:三人の日常
「涼?どうしたの?」
葉月はぼんやりとしていた俺の顔を覗きこんできた。
いつも思うけど・・・
こいつってほんと無防備だよな〜。
「・・葉月、キスしてほしいのか?」
まるで子供をからかうように言うと葉月の顔はみるみる内に赤くなる。
「なっ・・ばっ、ばっかじゃないの!?そ、そんな訳ないじゃんっ!!」
どもってやんの〜
ほんとからかいがいのある奴だよな〜。
「涼。あんまりからかうなょ♪」
そう言いながら顔が笑ってるぞ、慶。
まぁ当たり前か。
「慶。ちゃんとチェックしろょ。」
「わかってるよ♪」
そろそろ来るな。葉月の蹴りが・・
キター!!
「涼なんて大っ嫌い!!」
見かけによらず強い蹴りの葉月をなんとか鞄で
防御。
葉月は怒って大分前を歩いている。
「涼♪今日ピンクのギンガムチェックだった♪」
「まじっ!?新作じゃん!
くそ〜俺も見たかった」
まぁ男ならわかると思うけど・・いわゆるパンチラってやつ?
葉月は体育のない日、スカートの下になにもはかないから見れちゃうって訳で。
慶が蹴りをくらって俺が見れる日もあるんだけど・・
葉月にばれたら絶対殺されるだろうな・・・
まぁほどほどにって事で
俺達はいつもこんな風にはしゃいで騒いでいた。それが当たり前の日常で今まで少しも変わった事なんてなかった。
でも・・・・・
俺達が変わり始めたのは一年後の同じ始業式の朝から・・




