第一人〜金剛龍之神〜
金剛家の家宝であり名刀である黒色龍之悶を持つ男、金剛龍之神の話。
「龍之神の兄貴!大変だ!江戸の町のお役人がこっちに向かってきやすぜ」
「江戸かぁ。江戸の町の団子はうまいんだよなぁ」「そんな暢気なことゆわないでくだせぇ。早く逃げましょうぜ」
「何言ってんだ小紋。この金剛龍之神が逃げたら金剛家の恥だ。俺はいずれ天下をとる男だ」
「天下なんていつでもとれるじゃないですか。今は命が大事ですって」
「俺はなぁ、命よりこの刀、黒色龍之門が大事だ」
龍之神は腰から黒色龍之門を手にとり眺めた。
「金剛龍之神!貴様にはここで死んでもらう」
「お役人が人を殺していいんですかね?」
「貴様は特例だ」
お役人の集団が龍之神と小紋を囲んだ。
「ざっと二十人だな。小紋逃げれるな?」
「あっしは逃げれますが、兄貴は?」
「俺か?黒色龍之門に血をすわせる。たっぷりな」
「わかりやした。無事にことがすんだらいつもの場所でお待ちしてます」
小紋はそうゆうと煙玉を地面に投げつけ煙玉から煙が巻きあがった。
「げほっ。何だこの煙は!」
「ったく。あいつはいつも派手だな。無事に終わるわけないのにな」
龍之神は音をたてずに刀を抜き煙に紛れて次々にお役人を斬っていった。
首を斬り落としたり時には心臓も突く。
龍之神の特徴は人を斬るとき必ず左目だけで人をみる。右目は瞑っている。
「後五人か。手応えねぇなあ。昔戦った新撰組も手応えなかったがな。そういや新撰組って今強くなったらしいじゃないか。今度いってみるかな」
「何ぜだ!人を斬っても罪悪感とゆうのはないのか!貴様には!」
「俺の家系は先祖代々人斬りなんだ。人斬りってのはおかしいな。まぁいいか。とにかく貴様も斬るつもりだったが、やめた。疲れた」
龍之神はそうゆうと刀ををしまい小紋との待ち合わせ場所に向かった。
「我々五人だけ殺さずいってしまった。被害は大きい。私にも責任がある。腹を斬るしかあるまい」
「そんな・・・。親方だけ腹をき切らすわけにはいきません。我々も・・・」
「そうか、死ぬ運命だったんだ。すまん」
お役人の親方は小刀を抜き、腹に刺した。
「さぁ、やってくれ」
親方の後ろにいたお役人の男が刀を抜き親方の首をはねた。後の四人も腹をきり死んだ。
「おやじ、やってるか?」
「龍之神さんか?やってるよ。奥で小紋がまってますよ」
「あぁ。ありがとう。後酒を頼む。2本な」
「へい」
龍之神は刀をさやごと抜き、小紋のいる座敷に座った。
「兄貴。無事で何よりです」
「どうしたんだ?お前らしくないぞ」
「嫌な噂を耳にしましてね」
「噂?」
「はい。何でも金剛龍極一とゆう男が江戸に向かっていると」
「龍極一だと?兄貴が江戸に向かっているだと?何しにくるんだ」
「龍之神の兄貴を殺すためにくると聞きました」「俺を殺しにくるだと?兄貴が?笑わせる。兄貴と俺ではそう大差はない」
「私は今日から里に帰らせてもらいます」
「勝手にしろ」
「それじゃ」
小紋は酒場をでた。
「おやじ。もう酒いらねぇ。金はここにおいとく」
龍之神も酒場をでた。
「人斬りは常に一人か」
龍之神は橋の下小屋に戻った。「龍極一様。龍之神が見つかりました。江戸の手前にある橋の下にいたそうです」
「橋の下か。あいつも成長したもんだ。しかし、あの刀を持ち出したのが間違いだった。よし行こう。その橋の下に」
龍極一が指示すると龍極一の部下の内、5人が先に橋の下の小屋に向かった。残りの5人は龍極一と共に向かった。
「龍之神よ!でてこい!龍極一特攻隊田吾郎と申す!」
「あぁ!うるさい!殺されたいか?それともさらし首か?」
「その言葉そのまま返す!我が流星突きの前では貴様の流派など無に近いわ!」
「俺の流派に文句つけるきか?」
龍之神は田吾郎を殺気を込めて睨みつけた。田吾郎はたじろいだ。
「龍極一様。我々はいかなくてもいいのでわ?」
「特攻隊だけで龍之神は倒せるとでもゆうのか?ハハハ。笑わせる。龍之神は私が15歳、龍之神が13の時に家をでた。その時に名刀であり我が家宝、黒色龍之門を持ち出したんだ。あいつは人斬りの才能があった。私にはなかった。私は龍之神に剣道で一度も勝ったことがないのだ。今なら勝てるやもしれん」
「そんな過去があったのですか」
「あぁ。所でまだつかぬのか?」
「もうすぐですよ。見えてきましたよ・・・・・あれは?」
橋の上に首が5つ並んで置かれていた。体は首の後ろに置かれていた。
「怒ったな。龍之神やばいな。勝てる確率が減った」
「どうしてですか?」
「あいつは怒りを強さにすぐ転換することができるんだ。普段の二倍の力になるんだ」
「久しぶりだな。兄貴。七年ぶりか?」
「そうだ。七年ぶりだ。その刀を返せ」
「嫌だと言ったら?俺を斬るか?」
「言葉を慎め!龍極一様の弟だからと言って」
「馬鹿野郎!お前!」
龍之神は刀を抜き構えた。龍極一の親衛隊も構え前にでた。
「一斉にかかれー」
5人同時に龍之神に斬りかかった。龍之神は右目をとじた。
「終わったか」
五人が刀を振り下ろしたが龍之神は刀の動きを知っていたかのようによけて五人の腕を斬り落とした。
「ウギャァァァ!」
五人は苦痛の叫びをあげた。
「苦しめ!もっと!もっと苦しめ!死にたいか?死なせてやるよ」
そうゆうと龍之神は一人一人心臓を刀で貫いた。
「龍之神!いい加減にしろ!」
「兄貴も死にたいのか?殺してやるよ」
また龍之神はかまえた。
「あまり気は乗らないがやるかな」
龍極一も刀を抜きかまえた。
「いざ!勝負!」
龍極一はかまえたまま龍之神に向かって走り出した。龍之神と龍極一は交差した。
「兄貴よ。やはり兄貴は刀より天下をとる方がいいみたいだな」「お前も優しさがあるじゃないか。また会おう。生きていたらな」
「あぁ」
龍極一は刀をしまい去って行った。
「何が優しさだ。腕をきり落としたのに!俺はバカだ!」
龍之神は龍極一の右腕を斬り落としていた。
そのせいで龍極一はなにもできなかったのだ。
「旅にでもでるか」
「兄貴!旅にでるんですかい?あっしも付いていきますよ」
「小紋か?よし!二人旅だな」
龍之神と小紋は旅にでた。江戸に帰ってくるのはいつのことやら・・・
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