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鴉羽の招待状

作者: 彼ノ華
掲載日:2026/02/22

確認しましたが、誤字脱字や濁点の抜けているところがあるかもしれませんが温かい目で見守っていただけると幸いです。

2059年秋田県秋田市死灯町

この町に、奇妙な噂が広まっていた…

「夜な夜な黒い手紙が届く」と。

手紙を受けた者達は、誰一人として帰らなかった…

手紙は漆黒のように黒く…

1枚の鴉羽がついている。

人々はその手紙をこう呼ぶようになる

「鴉羽の招待状」と。


「お!あんなところに鴉の群れが!」


鴉をみてご機嫌な女性がいる

彼女の名前は嵯峨美千遥(さがみ ちはる)、今年で大学4年生、研究者になるため、奮闘している、今は鴉の論文を書くために、日々観察をしている。


「ほ〜ほ〜、ふむふむ…」


観察の時に声をだしてしまうのは

彼女のクセだ


「よし!今日はこんなところでいいかな、今日の夜ごはんなににしようかな♪」


帰路につき電柱が多い所を歩いていた時に妙な鴉をみた。


「?あれ鴉だよね?なんか変な感じが…」


見た目は普通の鴉なのに、どうにも解消できない違和感があった…そして、

なぜか千遥は、懐かしさも感じていた


「まぁいっか!帰ろ〜」


鴉から視線を離した途端、千遥は一瞬、なにかを失ったような感覚に襲われた…千遥は違和感に納得できないままその場を後にした…


「ただいま〜!は〜疲れた〜、今日も観察記録まとめないとな〜、よし!まとめれたらご飯たべよ!がんばるぞ!」


夜ご飯を目標に千遥は颯爽と記録をまとめ終わった。夜ご飯のメニューも決まったらしい


「よし今日のメニューはカレーだ!頑張ってつくるぞー!」


「ガコン!…パキーン、ドガーン!」


普通料理でこんな音はしない

千遥の不器用さが出てしまったようだが、なんとか完成までもっていくことができた。


「!?おいしい!うまくいってよかった〜」


見た目の割に味はよくできていたことに千遥はとても喜んだ。食べ進めている時外から音がした…


「ガコ、」


外にあるポストから鈍い音が響く


「ん?なんだ?」


ポストを確認したら一通の手紙が入っていた。


「嵯峨美千遥、あなたを次元ノ狭間に招待します。承諾した場合はこの呪文を唱えてください。」


手紙の裏にはこう記載されていた


「狭間ノ焔よ鴉羽の名において怨念を鎮めたまえ…」


千遥は不可解な文に困惑したが「鴉」

という言葉につられ呪文を唱えてしまった。


「んーこれでいいのかな?でも、これ…どうゆうことなんだろう?」


千遥はこういう時、頭がよく冴える


「なんで私のとこに手紙が届いたんだろう?、それにあのガコって音…

うちのポストは入れる時わざわざ開けなくていいからあんな鈍い音が鳴るわけもない…」


なんとも言えない思いのまま信じられない事が起こる。手紙の文字が変わっていったのだ。


「承諾していただきありがとう

 今夜、貴方を迎えにいきます

 夢のなかで会いましょう。」


「夢の中??なーにいってんだこいつ」


特に気にせず千遥は夜を迎えた


「ふわぁ〜、ねむ…」


昼の観察で疲れていたのか千遥の意識はすぐに途切れた。


「はぁはぁ…」


千遥は夢を見ていた、


ずっと…ずっと、見知らぬ森を歩いていた、全てを覆うが如く漆黒の闇をはらむ森は、千遥の心を締め付けた…


「ここ…どこ…?暗い…暗い暗い」


千遥は恐怖で足が止まってしまった…

そして少しずつ違和感に気づきはじめる。

夢なのに意識がはっきりしていること

光の強さを夢なのに理解できていること

そしてなにより今のように自分の頭で考えている感覚があること


「夢にしては違和感が多すぎる…どういうこと…?」


「ポタッ…」


千遥の肩に冷たい何かが滴り落ちる


「え…?!なに?…」


振り返るとそこには鴉の羽を纏った大女が立っていた…


「………あ…」


千遥は言葉に詰まってしまった

鴉羽纏った大女は高い声で話し始める


「千遥、貴方を迎えにきました。千遥には、とある廃病院の鎮静作業を行ってもらいます。今から病院に案内する

ついてきて」


納得もなにもないまま千遥は中に浮かされ連れて行かれた。


「え?!え?!浮いてる??!

 そういえば…あなたは誰なんです

 か?…」


恐る恐る聞くと鴉羽の大女は優しく語り始める。


「私は名は………、サナレガミ…この狭間で、現世の守りをしているものです。現世の人にも協力を求め、この狭間の鎮静作業を行っています。あなたもその一人というわけです」


「なにやる…の?」


「それは行ってから説明します」


「わ…かり、ました……、」


千遥はしぶしぶそれを承諾した…

暗い森をぬけ霧の奥に巨大な建物が見える。


「着いたよ、これが廃病院…

 ロストライフ…」


千遥は息を呑んだ、廃病院が急に綺麗にみえたり…ボロボロにみえたり……

見え方が途端に変わるからだ…


「え…?え……、え?なんで?綺麗に、見えたり…ボロくなったりどうして変わるの?………?」


鴉羽の女、サナレガミが答える


「千遥、ここは貴方の夢であると同時に世界の狭間です。つまり、現世と

あの世の間というわけです。なので自分の意識によって見え方が変わるのです。」


「へぇ…そうなんだ…」


理解よりも驚きが勝った千遥だった。

ついに廃病院、ロストライフに入り、小さな部屋に入った、千遥はサナレガミから病院に関しての細かいルールの説明を受ける。


「千遥にやってもらうことは、ふた…3つ

1つ、地下の遺体に血ノ羽を刺すこと」


そう言ってサナレガミは鴉羽に自身の血をつけ千遥に渡した。


「2つ、3階の霊灯に火をつけること霊灯に火を付けるための蒼焔の松明は同じ部屋にあるからね。」


「3つ、無事に帰ってくること」


最後に違和感を覚えたが、特に気に留めることはしなかった…


「そして注意事項、この3つは絶対にまもってね

1つ、なにがあっても振り返らないこと

2つ、私は千遥がこの部屋をでたら絶対に言葉を発しない…だから私の声がきこえても絶対に反応するな。

そして3つ、もし視線の先に朱い人影がみえたらすぐにこの呪文を唱えて現世にもどれ。」


もらった紙にはこう書かれていた

焔冥霊鴉羽、と

(えんめいれいからすば)


「それでは検討を祈ります」


千遥が瞬きをした瞬間、サナレガミは消えていた…


「は〜、……怖いけど、いくか…」


恐怖を抱えながらも千遥は先を急ぐことにした…。


「そういえば、上の階にいくなら階段がどこかにあるはず…エレベーターはたぶんあっても、動いてないでしょ。」


一階を散策中千遥は妙な感覚を覚える


「あれ…道がおわらない?曲がり角や病室はあるんだけど歩いても歩いてもどこまでも道が続いてる……ん?あ!そうだ!」


千遥は目を瞑った。見開いた時目の前には階段が現れていた…


「よし!」


千遥はサナレガミに言われたことを思い出し自身で階段を創造したのだ。

2階にあがり捜索をしようとしたその時目の前に信じられないものが現れた


「異形」


この言葉が一番合うだろう…肌は爛れ片腕からは言葉で形容できないようなものが常に溢れ、頭部も半分しかなく、断面には人の顔と思わしきものが集合体となっていた…


「わかる、あれには見つかってはいけない」


一階同様創造で階段を呼び覚まそうとしたがなかなかうまくいかない。

注意を払って進み、あと少し行けば3階にあがれる階段を見つけた、

千遥があしを踏み出したその時


「ぐちゃ………グチャ…」


背後から鈍い音が響き、千遥の脳裏にサナレガミの言葉がよぎる


「絶対に振り返るな」


千遥は全力で階段まで走り抜き3階に到達し危機を脱した…したではまだグチャ…ぐちゃ………と鈍い音が唸りをあげている…。

3階に到達した千遥は早速、霊灯を探した。


「ん〜どこにあるのかな…?あ!あれか?!」


千遥はそれらしきものを見つけ近くに置かれていた蒼焔の松明で火を灯した。


「よしやることはあと一つ、地下の遺体にこのもらった血ノ羽を刺す…だっけ?ん?ちょっとまてなんで私、地下から行かなかった?一階だから絶対地下のほう近いじゃん………」


そんな思いもつかの間地下に行くためにはまた2階を通らなければならない

あの異形と遭遇する可能性があるのだ


「うぅ…2階に来てみたもののやっぱりいるか…、どうやってきり抜けよう…奥にもなんかいるな朱い…」


考えている最中、千遥の横を何かが神速で横切る。


「ん…?!」


瞬きの間に異形と朱いなにかの体は斜めに切り裂かれていた。


「………!なにが起きた?でもこれで先に進める…ん?」


この好機を逃さんとばかりに千遥は颯爽と一階に降りていく。

そして驚愕した一階が普通の病院になっていたからだそこは千遥にとって最悪のばしょだった…


「え…ここって…そんな…、嫌、嫌…

ダメだ考えちゃ…、」


運が回ってきたのか千遥が頭をなやませ、目を瞑り先の事を想像したことをよって地下への階段が目の前に現れた


「………………行こう…」


千遥はなにか決意のようなものをした


地下に続く階段は螺旋階段だった…まるで奈落に深く、冥に誘う悪魔のような恐ろしさがあった…

一体どれ程の時間がたっただろうか

千遥は無心で螺旋階段を降り続けた


「着いた、…まぁこんなところの地下だもんね…そりゃそうだ…」


地下には2階でみた異形が大量に蔓延っていた…そしておよそ50m先

指定されていた死体と思わしき一人の遺体があった。


「ここを進むのか…嫌だ…これはし、」


目の前にいきなりすがたを消していたサナレガミが現れた。


「順調のようだね。よかった、

 異形は私に任せて、一時的にあいつらを縛る時間は20秒ほど、がんば!」


「あ、ありがとう、よし、行く。」


千遥が走り出した瞬間サナレガミが大量鴉羽を放ち異形達を止めた。

走りながら周りを見渡したことを千遥は後悔した、言葉で表すことなどもしたくない、千遥は異形が生まれてしまった理由を、ここで理解したのだ…


「ザクッ……」


勢いに任せ血ノ羽を遺体に刺し、すぐさま千遥はもといた場所へと戻った。


「うぅぅ…ひぐっ、ひくっ」


「あれ、?どうしたの千遥、なんで泣いてるの?」


千遥はなにも答えず、螺旋階段を上がっていった。


最初にいた一階の小さな部屋にたどり着き、一息をつこうとしていた。


「お疲れ様これであと半年は現世は安全だご協力感謝いたします。」


サナレガミが話を続ける


「これで現世に、」


「ねぇ!!!」


千遥が怒鳴り、声を荒げる、そしてその頬には大粒の涙が流れていた。


「どうしたの千遥、そんなに怖かった?もっと強い人だと思って…、」


「とぼけないで!いつまで他人のふりしてるの?!もう、気づいてるよ、」


千遥は溢れ出る感情を、涙を、押し殺して一言だけ発した…。


お姉ちゃん


「…………、」


サナレガミは黙り込んだ……、


「もうわかってるよ……ここに連れてこられる時、懐かしさを感じたのも、

あの病院が現れたのも、地下にあった…遺体も、あなたの名前も!…」


千遥は涙を流しながら話し続ける


「あの病院は10年前お姉ちゃんが亡くなった病院だったし、あの病院には地下があった…、……それにあの遺体はお姉ちゃんの亡くなった直前の物だった…、そして、サナレガミ、これって並び替えると……サガミレナ、嵯峨美漣那になる……、お姉ちゃんの名前になるんだよ…」


「は〜…ふふ、バレちゃったなら仕方ないね。」


「ガサッ」


サナレガミはクチバシの仮面を外した。

その顔を見て千遥は飛んで抱きついた。


「ごめんね千遥、こんな事に巻き込んで、あなたならできると思ったの、ありがとう。」


そこには在りし日の姉の笑顔があった


「お姉ちゃん、ずっと…ずっと会いたかった、うぅぅうぅ……」


「お姉ちゃんもだよ、ずっと…会いたかった…」


漣那は千遥の顔をみて言った。


「じつは今日で私はこの世界の守り神を終えるんだ、私と同い年の人が後を継いでくれるの、それに千遥があの朱い人影を視認しそうになった時は焦ったよ

千遥があれを認識してたらもう二度と会えなくなるところだった。」


「そう、なの?、」


「本来、助けちゃいけないんだけどね、まぁ最後だし、それに千遥だからちょっとひいきしちゃった♪」


「ふふ……ぅう」


千遥は泣きながら笑っていた。


「あ!、もう少しで現世が夜明けだ。

もう戻る時間だよ。」


「やだ!行きたくない!まだ……お姉ちゃんと…」


涙をひっしに堪え、漣那へと訴えかける


「大丈夫、お姉ちゃんはずっと見守ってるよ。またね。」


漣那がそう言った瞬間千遥の視界が眩い光に包まれた。


「うぅ、、…は!」


そこは自分のベッドの上だった。


「あれは夢…だったのかな?、」


起き上がり部屋の机を見た瞬間千遥は安心した反面泣きそうにもなった。


「やっぱり、夢じゃなかったんだ…。」


机には黒い手紙がしっかりと置いてあり内容も変わっていた手紙には


「またね。千遥」


と書いてあった。

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