第2話 同盟校
「笑ってないで早く言えよ、何が要件か」
「そうだね、単刀直入に言うと、同盟を組みに来たんだ!本当は狂先高校と組もうと思ってたんだけど、手加減してたとしても六供が負けて1年が勝っちゃったから、こっちに付こうと思ったんだ〜!」
「は?」
「だから〜君達に付けば勝てると思ったの!!」
「霧ヶ峰...お前正気か?同盟組んでくれるのはいいが、こんな最弱の高校を味方につけたらお前らがどうなるかは分かるだろ?」
「竜駒ったら硬いな〜、いいんだよ!俺は付きたい奴に付きたいんだ、だ〜か〜ら〜同盟組もうぜ!」
「なぁ、信用していいのかよ?」
「う〜ん、わからん!だが、信用してみてもいいかもな、あいつは運で勝山高校の頭にまで登ったやつだ!たまには運を信じるのもいいかなって思わねぇか?」
「リーダーが言うなら僕は賛成ですけど、楳君は?」
「信じたくねぇけど、まぁいいんじゃねぇの?竜駒先輩が言うんだ」
「おぉ!皆意見まとまったね!てことは成立かな?」
「あぁ、そういうことでよろしく頼むぜ!霧ヶ峰」
竜駒は手を差し出す
「うん、よろしくね!」
出された手を握り返す
「これで強力な仲間ができたのか...裏切られなきゃいいんだが、よし舅帰るぞ」
「うん、そうだね」
二人が帰るのを見送ると竜駒が口を開く
「で、本当の目的は同盟を組みに来たんじゃないだろ?」
「感がいいね!俺は俺に勝ったやつだけに従う...だから、タイマン張ろ?」
霧ヶ峰はゆっくりと笑う
「やっぱ帰るふりしといて正解だったな、おい、黄色野郎!こっちは弱えんだ!ハンデくらいは寄越せよ!」
「はは!いいよ!3対1でやろう!」
「別にあの時手加減してただけで張り合えるんだが、ありがたく好意を頂いとくぜ!」
「そうしとけや!竜駒!」
2人は霧ヶ峰の顔に向けて蹴りを入れた
「遅いよ竜駒、呆れた」
だが、霧ヶ峰は二人の後ろに回り込み蹴りを入れ込んだ
「くっそ、こいつスピード型かよ..」
「僕のこと見えてないんですね」
静かにそう呟くのは舅であった
「もう見破られてたか、やるね君、だけど遅い……良くないよ?中途半端なのは嫌われちゃうからさ!」
「だからなんだってんだよ!」
「きゃは!その意気!!もうちょっとで当たりそうだったね!昔を思い出すね!竜駒!」
「そうだな、そうやって口開いてられんのもここまでだ!」
「後ろ……がら空きだぜ?」
「本当にこれでも僕らより上なんですか?」
霧ヶ峰は後ろから来る2人に気付かず乱打を食らった
「弱点バレてたか〜………はぁ、負けだ負けだ、僕らの高校はこれから君達の下に付くよ、敵が乗り込んできたら言ってよ、すぐ助けに行くよ、はいこれ僕のID、連絡ちょーだいね春后」
「は?案外あっさりすぎねぇか?まだ何かあるんじゃねぇだろうな………?」
「もう無いよ、僕の弱点見抜かれたんだし、こっちに勝ち目ないと思ったからね」
「はっ!弱腰だな、そんなんで負けを確信すんなよ」
「僕の弱点はバレたら一発で負けちゃうんだよ、対策のしようがない、仕方ないことなんだ」
「なぁ、竜駒こいつの弱点って?」
「気づいってなかったのか?まぁいい、教えてやる、こいつの弱点は1人に集中しちまうことだ、バレねぇように警戒はしているが熱くなっていく度に周りが見えなくなっていくみてぇなんだ」
「だから、後ろの俺等に気が付かなかったってわけか、おもしれぇな」
甲高い声で笑う
「笑うとこじゃないですよ!楳君!」
「ま、そういうことで、僕は帰るよ!皆〜撤収撤収〜!」
「え、ちょっ!リーダー?!本当にいいんすか?あんなやつら仲間にして!」
「聞こえてんぞ」
「ヒッ!ま、まぁ、あんなやつらとくんだら負けるんじゃ……」
「あいつらは強いよ?状況把握が馬鹿上手い子、それに合わせて動ける子、そして、あのカリスマ性で人を惹きつける奴、あの高校はいずれてっぺん取るよ!」
「僕は信じきれませんけど、リーダーがそう言うならそうなんでしょうね!一生お供します!」
竜駒はどこか寂しそうに霧ヶ峰を見届ける
「よし、帰るぞ春后」
「そうだな」
「そうですね」