第1話 晴れ舞台
「今日から入る俺のチームは………ここか、日本ランキング5279位最下位ギリギリの梅原高校は」
2080年、日本は物価高騰、少子化のため不必要な高校は経費削減のため捨てると発表、しかもそのやり方は80年代に高校に入学生徒たちで抗争させるというものだった、殆どの高校は受理しないような内容を受理し、今2080年5月1日から、日本全土で、高校の命運をかけた抗争が始まろうとしている
「そこに突っ立てる新入生!早く校舎の中入ったらどうだ〜?もうすぐ始業式始まるぞ〜!」
そう遠くから声をかけてきたのは梅原高校の先輩だった
「悪かったな、案外家から遠くって……」
「そうか、ならしょうがねぇな!1年お前名前は何ていうんだ?」
「俺の名前は、緑松楳っす」
「緑松か!いい名前だな!俺は花草川竜駒だ!さぁ楳早く体育館へ行ってこい!」
「(声でか…………)うす、分かりました、竜駒先輩も早く行ってくださいね」
楳はそそくさとその場を離れ体育館へ向かった
「先輩かぁ……初めて言われちまったなぁ!俺も早く行くとするか、仲間が待ってる!」
数分後ーーー
「あー、あー、今から梅原高校入学式を始める!今日から抗争の日となるがこの高校のために勇気ある217名を歓迎する!全員起立!」
その声とともに217名が勢いよく席を立った
「今からリーダーからの演説がある!心して聞くように!」
そう呼ばれ壇上にリーダーが上がってきた
「217名の諸君!今日から君達のトップを張ることになった花草川竜駒だ!皆、よろしく!」
(あいつリーダーだったのかよ……ん?でも待てなんでずっと外に居た?)
「君達217名の名簿、書類すべてに目を通させてもらった、そこで君達に問いたい、この最弱高校になぜ入学してきたのかを!そして、此処で俺と一緒にてっぺんを取ってくれるかを問いたい!君達の意見を聞かせてくれ!」
そう声を響かせると次々と声が轟いて帰ってきた
「勿論ですリーダー!俺たちはぜってぇこの高校をてっぺんにする!」
「最弱は最弱らしくって考えをぶっ壊しましょう!」
「俺たちで伝説を作り上げてやりましょうぜ!!」
「俺等は最強だって日本に響かせましょう!」
「(コイツラすげえ迫力だな、この感じだと俺も言ったほうがいいのか?でも何を言ったら………)俺は……俺は!!強いやつとやりたいからここに来た!てっぺんなんてどうだっていい!俺は強いやつとやりたいんだ!」
楳がそう言うと周りが静まり返った
(まずいこと言っちまったか?仲間同士で喧嘩すんのはやなんだがなぁ……)
「おぉ!!いい意気込みだ!最初会ったときから思ってたがやっぱお前はいいやつだな!その意気込みを糧にして頑張ってくれよ!」
すると周りから
「「ウォーーーー!!!!!!!!!!」」
と声が上がった
「これにて入学式は終わりだ!新入生諸君は外のチームからの攻撃に備えれるよう準備しておくように!」
その言葉を聞いた約半数はは散れ散れになってどこかへ言ってしまった
「もう終わりか?軽かったな……」
「やぁ!君だね、強いやつとやりたいって言ってたのは、僕は舅、余波舅っていうんだ、よろしく!君の名前は?」
「んぁ?あぁ俺の名前は緑松楳ってんだよろしくな」
「緑松君ってあの緑松?あの〜なんだっけ中学でどこか忘れたけどおっきい地域統一したっていう、あの?」
「んぁ?チゲぇが?中学んときは校内で喧嘩ばっかしてただけだ」
「そっか、違うかったか、まぁそんなことは置いといて、手合わせ願いたい!」
「なんでだ?」
「君強いやつとやり合いたいんでしょ?僕結構強いからさ、一回やってみない?」
「それじゃあ、1回だけだぞ!」
「さぁ、お手並み拝見だね!」
「(見るからに細い、あんまり鍛えてなさそうな体、左半身がら空き……隙ありすぎだろ)一発で終わんじゃねぇぞ!」
「うん分かってるよ」
舅がそうつぶやいた
「?!逆さ…………アガ!!」
楳は地面に叩きつけられていた
「なんだその技合気道か?」
「そんなんじゃないよ、でもちょっと似てるかな、僕のは合気道の派生だからさ」
「そうか、余裕そうにしゃべりやがって、舐めてんじゃねぇぞ!」
「え〜?君から聞いてきたのに?理不尽だなぁ」
「るっせぇぞ………クッ?!」
またもや楳は転ばされた
「くそ!もう1回だオラァ!!」
「何度やっても同じだよ(ん?違和感………楳君まさか2回やられただけで対応してきた……?)」
「かかったな!」
楳は得意げにそう笑うと一瞬で舅の視界から消えた
「ッ?!やられた、先入観にとらわれすぎていたみたいだ」
「だろうな!(こいつは俺の攻撃を目の前でしか捌いてねぇ、てことはだ、こいつは俺を見て一直線の攻撃だけを仕掛けてくるやつだと思ってると勘で動いたら大当たりだな、急な低姿勢のおかげで相手を捌く技を出せていねぇ)もらった!」
「まさか?!(しゃがんでいるその体勢から片手だけで倒立したと思ったら、その勢い使って僕の頭を狙ってきたのか!)君の成長速度には参ったな、やっと勝てると思ったのになぁ、はは」
そう寂しく笑いながら舅は地面に顔を打ち付けられていた
「ちとやりすぎちまったな……わりいな舅、立てるか?」
そっと手を差し伸べる
「いいよ全然、これくらい本気じゃないと楳君もつまらなかったでしょ?」
「それもそうだが、俺らは仲間同士だ、いつ敵が来るかもわかんねぇのにこんなことしてたらまずいだろ」
「君は仲間思いなんだね、決めた、僕は君につくよ!」
「つく?どういうことだ?」
「あ?楳お前知らなかったのか?」
「リーダー、いてたんですね」
「竜駒先輩、知らないって何が?」
「お前本当に何も知らずにここに来たんだな、この機会だ教えてやる、まず、これが軍隊だとしよう」
「急にぶっ飛んだな…」
「ぶっ飛んでてなんぼだ今の世の中、まあ続けるが、軍隊には小隊があるだろ?」
「ん?あぁ、確かに、なかったら作戦時それも決めなきゃなんねぇから時間がかかる」
「その通り、だからこの抗争でのルールに追加されたのが【クラスを廃止する代わりチームの中に小隊を作っても良い】ってのがあるんだ、クラスがあれば簡単に決めれたんだがな、困ったもんだよこりゃ」
「だから舅、お前は俺に付くって言ったんだな」
「そうだよ!緑松君の下にいれば僕も負ける気しないしね!」
「1年でチームが結成されたのはお前らが初めてだな、名前はどうする?」
「名前………舅、なんかあては?」
「ん〜楳だから〜、春后は?漢字は違うけど梅って春を連れて来るイメージあるからさ、仲間を連れた来た先は本番だって意味を込めてさ!」
「それいいな!よし、じゃあこれからは春后で活動していくぞ!」
「うん!」
そう場が和んているところに慌ただしく一人の生徒が入ってきた
「た、大変です!日本ランキング4300位の狂先高校が攻めてきました!」
「了解、俺が行く」
「リーダーが?だめですよ!ここは僕等が行きます!」
「俺は別にどっちだっていい、先に行くからついてこい!」
「あぁ、春后のメンツがぁ!ち、ちょっと待って!!」
「元気のいい1年が入ってきたな!俺も行くとするかぁ」
3人が現場に到着すると推定100〜200の敵がいた
「やっと来たぁ、早くやりたすぎて君達の陣地ちょっと荒らしちゃったよぉ?」
「黙ってろ……」
「竜駒……いい一年が入ったんだねぇ、先輩に向かって先制攻撃とは、面白いじゃん」
「あぁ、そうだろ?こいつは俺のとっておきなんだよっ!」
「2人して攻撃してくるとかずるいなぁ、ま、避けられてる時点で意味ないけど、反撃と行こうか」
「楳避けろ!」
「へぇ楳って言うんだぁ」
「(こいつ、低姿勢でタックルかましてくると思ったらそっから反転してバク転で蹴り?!意味わかんねぇ)っぶねぇ………」
「いい目持ってるねぇ、あっ、こっちの自己紹介がまだだったね、僕は狂先高校所属嘩莉羅のリーダー鰊六供だよ、よろしく」
「お前チームのリーダーだったのかよ………初っ端リーダーお出ましはどうかと思うぜ?」
「早くここらへん潰したいからさ〜、最下位寸前高校は早く消えてよ、残れる高校はたったの200校なんだよ?僕等もこっちの学校守りたいから早く脱落してくんないかなぁ?」
「ごちゃごちゃ、うっせぇな黙ってろや」
「六供、俺とやろう、二人とも頭張る同士だ、しかも、俺を倒したら俺等はお前らの下に付くことにもなる、悪かねぇだろ?」
「何いってんですか?!リーダーがやるなら僕等春后がやります」
「あれぇ、そっちもう1年でチーム出来たんだぁ、いいよ、その意気込み買ってあげる、おいてめぇら、お前らはてっぺんとやり合ってこい」
「で、でも……」
「口答えすんな、やれ」
「は、はい!」
六供の言葉で嘩莉羅の部下は一斉に竜駒に向かって走り出した
「俺は雑魚の相手かよつまんねぇ……の!」
「じゃあやろうか、2対1で良いよ、僕強いから」
「なめやがって……舅分かってるな?俺が攻撃を繰り出したらお前はすかさず俺の後ろに入ってあいつの隙を狙うんだぞ」
「分かった!」
「な〜に?作戦会議?そんなことしても無駄だよ〜」
「無駄かどうかじゃねぇ、やれるかどうかだろ!!」
「へぇ、いいねぇその意気だ、楽しくなりそうだぁ(先ずは殴りかかってくるか、多分この体勢4連からの足払い狙いかな〜)」
「すぅ〜おりゃ!(先ずは顔面5連……と見せかけ足技!)」
「まじかぁ!読み合いで負けるなんてぇ、君いいねぇ!」
「お前が弱いだけだ!行け!」
「了解!」
「上から…………なかなかいいじゃんかぁ」
「顔面一発!!!」
「やるねぇ、それじぁ僕もぉ、本気だそうかぁ」
「来るぞ!(低姿勢……さっきと同じか?いやチゲぇなこりゃタックルでくるつもりか)舅!俺の後ろ来い!支えろ!」
「(そういうことね〜、さっきの攻撃とは違うと判断したのか、タックル読みで2人がかりで受け止め反撃、僕がやられるほどなんだ流石だな!)分かったよ!楳君!」
「僕のタックルは2人がかりでも止められないよ〜!」
「すっげぇ圧力?!耐えられねぇ……!」
「楳君下半身に意識を向けて!上半身は僕が支えるから!」
「だから〜そんなんしても無駄だっ………?!(上半身を支えても無意味なはずなのにっ?!全然動かせいない!ここは一旦距離をとっ………)
「予想どうりだなぁ!そこだぁ!」
「(読み負けたのか?!だけど、ガードすれば良いだけ!)まだまだだね〜!」
「僕がいるのをお忘れで?」
「ありゃ、こりゃ僕の負けだぁ」
そう言いながら六供は頭と腹に決められ倒れた
「ふぅ、なんとかなるもんだな」
「そうだね!でも気掛かりな点を言えば」
「舅も気付いてたか、こいつ手加減してたよな」
「うん、明らかに4000位台に居座っているような奴らじゃ無かった」
「潰したかったというより、ちょっかいかけに来たのほうが合ってるよな?」
「そうだね、それか、力を見極めてたか、どちらにせよ終わったんだ、帰るよ」
「そうだな、おい!竜駒先輩こっちは終わったぜ!」
「おぉそうか!こっちは殆ど怯えて話になんなかったよ!」
「は?!あの六供さんがやられた?!」
「しかも1年にだ!」
「まずい逃げるぞ!」
嘩莉羅の構成員は次々と逃げた
「ははっ!」
一人の男が笑う
「どうせ負ける運命だったんだね、俺はこっちに付くけど〜、いいよね?」
「は?何いってんすか?リーダー………俺等の高校捨てるんすか?」
「あ?リーダー新手か?」
「新手は新手でも狂先高校じゃないから安心してよ、俺等は勝山高校だよ、ちなランキングは4002位!」
「さっきの奴らよりも高えのかよ……」
「で?何のようなんだ霧ヶ峰志野」
「ん〜?あ!!竜駒じゃ〜ん!!!え?何?君、頭にも関わらず自分の陣地守りにきたの?すっげぇね!負けたら終わりだってのに笑えるよ!!」
「笑ってないで早く言えよ、何が要件か」
「そうだね、単刀直入に言うと、同盟を組みに来たんだ!本当は狂先高校と組もうと思ってたんだけど、手加減してたとしても六供が負けて1年が勝っちゃったから、こっちに付こうと思ったんだ〜!」
「は?」