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恐怖耐性ゼロの転生葬送師は美形達に甘やかされる※接待です。  作者: はにか えむ


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34.違法薬物

 私たちは真剣な顔で話す王子の話を聞いた。

「教団の件だけどね、僕たちは違法薬物の方から調査していたんだ。そうしたら、とある貴族家が関わっていることが分かった。既に捕まって屋敷は押収されている。今は家宅捜索の真っ只中だね」

 薬物を扱っていた貴族は捕まったのか、良かった。

「ざっと調べただけでも、彼らが教団の関係者であることは間違いない。どうやら彼らは不老不死の研究をしているようだ」

 みんな頭に疑問符が浮かんでいる。不老不死と葬送師に一体何の関係があるのか。

「彼らは葬送師なら人を若返らせる魔法を使えると信じているようだ。葬送師だけが、失われた古代魔法を使えると」

 うん?古代魔法は人を若返らせることも出来たってことかな?

 それは凄いな。


 「という訳で、ちょっと検証させてほしいんだ」

 王子は一枚の紙を取り出した。不思議な文様が描かれている。

「これは現存する古代魔法の紋様の中でも綺麗に残っていた明かりの魔法だ。それを書き写してきた。発動できるか試して欲しい」

 私は文様に手を伸ばした。ここはいちばん強い力を持った私が行くべきだろう。

 私が紋様に魔力を注ぐと、紋様は淡い光を発した。だがまるで誰かに阻まれたようにプツッと消えてしまう。

 これは駄目だ、紋様に魔力を注いだ瞬間、これは絶対に触れてはいけないものだと理解した。

 ウォーレンが私の背後から私を支える、心配してくれたらしい。

 私は今思ったことを王子に話した。

 

「そうか、触れてはいけないものか……神が古代魔法を使うことを阻んでいるのかもしれないね」

 王子はそういうと、子供たちにもやってみて欲しいと願い出た。

 みんな怯えていたが、ニールくんが挑戦すると言った。

 

 ニールくんが魔力を注ぐと、やはり突然断ち切られた様だった。私とおなじ嫌な感じを、ニールくんも感じたようだ。それを見て葬送師たちはみんな体験してみることになった。

 結果誰一人として魔法を発動することは出来なかった。

 

「うーん、葬送師でも古代魔法を使えないことが分かったね」

 教団の研究は成功しない、今日古代魔法に触れてみてそれが分かった。しかし教団は諦めないだろう。

 いつまでこんな狙われる生活を続けなければならないのか。早く教団の大本が捕まってくれることを祈るしかない。

 

「何だか教団には、捕まった以外にも貴族が関わっている気がするんだ。薬物のルートをひとつ潰せたのは大きいが、油断はできない」

 王子がため息をついて紅茶を飲んだ。

「窮屈な思いをさせて済まないね」

 子供たちの頭をそれぞれ撫でると、王子は帰っていった。

 

 王子が帰った後も、私たちはのんびりとお茶を飲んでいた。レズリーだけは魔法で風を起こしてペンキを乾かしていたが、どの道明日にならないと遊べない。お茶を飲みながら風を起こせるのは器用だなと思う。

 葬送師の休暇が全員揃うのは稀なので、ここぞとばかりにお茶会を楽しんだ。

 皆の護衛は庭の端で直立しているが、うちの護衛だけはお菓子を食べたり、割と自由に過ごしていた。後で怒られないといいな。明らかに休暇の人も混じっているからうちの護衛たちは仲良いなと思う。そういえば私は今日の護衛が誰なのか知らないな。最近みんな一緒のことが多いからな。

「本当にアーリンの所はアットホームね」

 ズザンナさんに笑われてしまった。

「お前のとこ若いの多すぎないか?心配になるんだが」

 ジャックさんの疑問に私は強く同意した。こうなった経緯を話したら、大笑いされてしまった。騎士のみんなと友達感覚で付き合えるのは嬉しいが、護衛としてはどうなんだ、本当に。

「うちのにお前の護衛を鍛えるよう言っておくよ」

 ジャックさんは元騎士だから、気になるんだろう。私はお願いすることにした。

 

 

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