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恐怖耐性ゼロの転生葬送師は美形達に甘やかされる※接待です。  作者: はにか えむ


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29.交流会の準備

 来る葬送師の交流会のため、私たちは買い物に来ていた。今日の護衛はライナスさんとウォーレンである。ウォーレンは常に私の隣を歩いていて、ライナスさんはその斜め後ろを歩いていた。気を使わせているようで申し訳ない。

 だがライナスさんの目はキラキラ輝いている。

「結局菓子は何を作るんだ?」

 そう、今日の買い物は調理器具と神殿で仕入られない材料の購入だからだ。

 普段神殿では私が使う分の材料は、神殿の料理長に頼んで一緒に発注して貰っている。でもそれだけでは手に入りにくい材料もあった。

 調理器具も正直足りていないので、今日買い物することになったのである。

「お菓子はプチロールケーキとプチシューとマカロンですね。小さくつまめるものがいいかと思って。ロールケーキは中身の果物を変えて色々な味を楽しめるようにしようかと思ってます」

 気合いが入りすぎだなと自分でも思う。でも子供たちもいるし、お菓子は話題の種にもなるだろう。豪華なくらいがちょうどいい。料理長には当日軽食だけ用意してくれるようお願いしている。

 ライナスさんは今から楽しみらしく、細かな内容を聞いてくる。

 後でお腹が減ったとか言ってきそうだ。

 

 商業通りを聖騎士を二人引連れて歩く、正直かなり目立っているが、護衛なしでは出歩けないので仕方がない。通るだけで人波が割れてゆく。みんなお偉様には関わりたくないのだろう。

 私たちはまず魔道具の店に向かった。魔道具は魔法を付与させた道具で、とても高価だ、しかし葬送師の給料なら買える。私はワクワクしていた。ウォーレンがそんな私に気づいて頭を撫でる。毛先を弄びながらそんなに楽しみなのかと聞いてくる。

「だって魔道具ですよ魔道具!貴族じゃなきゃ買えないやつです」

 ちょっとはしゃぎすぎかなと思ったけど、それくらい高価な代物なのだ。セレブ気分でテンションも上がる。

 ウォーレンは苦笑して、転ばないようにと私の手を繋いだ。完全に子供扱いだ。

 

 魔道具店に着くと本当にいろいろな種類の魔道具があった。私はお菓子に関係の無い所まで見て回る。

「見てくださいウォーレン音楽が鳴る魔道具ですよ!オルゴールみたい」

 ウォーレンはオルゴールが何なのか分かってないが、私が転生者であることを知っているので、知らない単語が出ても受け流してくれる。私としてはとても楽だ。

 

 やっと目的の調理器具がある場所にたどり着くと、私は感動した。ハンドミキサー的なものやジューサー的なものまであるのだ。魔道具技師さんは一体誰の依頼でこれらを開発したのだろう。きっと高名な菓子職人だろうな。さらに絶対に生地がくっつかないケーキ型なんかも見つけてしまって、気づいたら全サイズ複数個買いしていた。

 ライナスさんはお菓子は好きでもこの魔道具の良さは分からないようで首を傾げていた。

 

 

 

 交流会の前日になると、キッチンに全員集結していた。私服で明らかに休みの人もいるのだが、手伝ってくれるそうだ。ライナスさんは自信満々に味見目当てだと豪語していた。素直でよろしい。

 何故か途中でヒューバート王子までやって来て、シューの中にクリームを詰める作業を手伝っていた。料理初体験らしかったが、なかなか手際が良かった。本人も楽しそうにクリームを詰めていた。

 そうこうしているうちにロールケーキ用のカラフルなスポンジ生地が冷めたのでロールケーキを作ってゆく。

 みんなロールケーキを巻くのが難しかったらしく、味見用の失敗作が大量にできた。ライナスさんは大喜びだ。

 夕方にはようやく全てが出来上がって、みんな拍手していた。

 明日の交流会が楽しみである。

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