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白い鳥

掲載日:2023/06/21

白い鳥が飛んでいた。

鳥は確かに飛んでいて、幻ではないようだった。

鳥はとても美しく、見たことのない姿で、空想上の生き物のようだった。


私は鳥を川辺で見ていた。

日が暮れようとしていて、誰かが話しかけてきた。

「あの鳥を見たことは決して人に話してはならない」

私は不安になり、すぐに家に帰った。


家に帰っても鳥のことが頭から離れない。

記憶の中の鳥を、何枚も何枚も絵に描いた。

そしてある晩、夢を見た。

「あの鳥があなたをどこかへ連れていってくれる」

川辺で出会った誰かが、また話しかけてきた。

私は、はっと目を覚ました。

まだ夜明け前だった。


ベランダを見るとあの白い鳥が止まっていた。

私はほぼ反射的に鳥の背中に乗り、鳥とともに飛び立った。


火を吹く火山や波打つ海を越え、どこまでも飛んでいった。

夢を見ているようだった。

私は元いた街のことなどすっかり忘れてしまっていた。

ただただ、鳥と飛び続けていた。

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