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短編とかその他

星を冷ます雨と生命の終わり

作者: リィズ・ブランディシュカ



 その星は熱い。


 今までは熱くなかったけれど、何かがあって熱くなってしまった。


 だからどうにかして、冷まさなければならない。


 けれど、これといった原因は分からない。


 おそらく、とっても危ない武器で、ごうごういろんなところを燃やしてしまったから、とその星に生きる者達は結論付けた。


 そんな熱は、長い間ずっと冷めなくなってしまっている。


 星はもう、大変だった。


 このままでは病気になってしまうかもしれない。


 星が弱ると、あらゆる生命が住めなくなってしまう。


 だから、何とかしなければならなかった。


 それを知った雨の神様は、熱を冷ますために、ずっと地上に雨を降らす事にした。


 水がなくなるまでずっと、その星の熱を冷まし続ける事にした。


 雨がなくなったら、蒸発した水が上に登ってくるのを待って、また雨を降らし続けた。


 それを何十回、何百回、何千回くりかえした。


 雨の神様が必死に看病したからか、やがて星は元気を取り戻す事ができた。


 ありがとう。


 そう言って。


 雨の神様も。


 どういたしまして。


 そう言った。


 めでたし、めでたし。


 でも。


 だけども。


 星が熱くなっている間はとても長くて、星の上で生きている者達は結局は、滅んでしまったのだった。


 けれど。


 だけれども。


 その星で生きていた者達は、熱の時代の終わりを見ることはできた。


 自分達が死んだとしても、星が無事なら、またきっと命は生まれてくるから。


 命の神様が命をつくってくださるから。


 代わりの命ですぐにあふれるから。


 歴史の続きは綴られるから。


 だから生きられなかった生命たちは、安らかな思いで滅んでいった。



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